ほるぷ絵本館

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アトリエ通信

長いお休みでしたが、皆さんお元気にされていますか?この間に急に暑くなってきましたね。
アトリエでは夏アトリエの準備に入り、もう8月ではないかと錯覚するくらいでした。
今年の夏、とても楽しいカリキュラムが作成できました。是非楽しみにお待ちくださいね。
アトリエ会員のご兄弟様の優先予約も受け付けておりますのでお早目にお申し込みください。

<発達年齢に沿った子育て>“”子育てのターニングポイント
子ども達が一番調子を崩す5月が過ぎ、どのクラスもだいぶん落ち着いてきました。
また運動会の練習がはじまると子ども達も疲れ気味になります。年間を通して子ども達の様子も違うように、子育てにはいくつかの乗り越えなくてはならないターニングポイントがあります。まずは2歳児反抗期、それから4歳児パニック(人間は生きるのに必要なことをだいたい4歳くらいまでに習得します。膨大な量の情報が入ってくるのですから、それは大変なことですよね。)、そして3年生になると9歳の壁があり、ギャングエイジへ。そして5.6年生で迎える思春期の入り口。いずれも人が変わったようになる子もいて一瞬、戸惑いますが予めそういう時期だとわかっていれば安心して対応できます。
ひとつ気を付けなければいけないのは、学校で何かあって様子がおかしいのに成長年齢のせいだと勘違いしてしまうことです。そういうことには気を付けつつ、あまり神経質にならずにお子さんと向き合っていきたいですね。

<専門書に書かれていないターニングポイント>一番大変なのは2年生
専門書とか育児書には書かれていないのですが、アトリエを開校して22年、長年1歳半から6年生までの子ども達と接してきた体験から導き出した自論では1歳から6年生までの時期で2年生が一番ややこしいのではないかと私は思っています。普段、まじめで素直でやりやすい子ですらよくわからない行動や言動が続いたりして、これはもう殆どいいがかりではないかと思うくらいの不平不満がさく裂しています(笑)。とくに男子。2年男子はほんっとにややこしい。そして今年のアトリエは2年生男子がものすごく多い、そして全員が濃い(笑)。アトリエの先生は受け入れてくれるとわかっているのでしょうね。みんな言いたいことを言っています。全身から放出されるエネルギーがすごい。6年生まで通っている子もこのくらいの時期に一度、アトリエやめる~とか言うこともあるのですが、4,5年生になるとなんであの時そう思ったのかわからへんと言っています(笑)。

おそらく守られていた幼児期が過ぎ、わけのわからないまま小学生になって余裕のないまま2年生になり、ふと周りが見えてくる時期なのではないかと思っています。
お父さんやお母さん、これまで接してきた大人たちから教えられてきた物事の善悪が通用しない小学生男子の理不尽な世界。本当は自分が正しいのに、正義はこちらにあるのに口の悪い方、乱暴な方が勝つ。仲間だと思っていた子が人数の多い方につく。個性を出して自分らしく振舞うと変な奴扱い。そしてその感情や出来事をまだうまく人に話せない。男の子はそういう世界で日々、かなり葛藤しているのではないかと思います。

いろんな自分をためしながら、自分を好きでいてくれている大人にちょっと乱暴なことを言ってみたり、悪いことをしてみたりして自分づくりをしているんだろうなあと思います。だからか怒られた時に「やっぱり」という顔をしているのがおもしろい。それとあらゆる臨界期(説)の終わりがこの時期にくることも関係しているのかもしれません。臨界期(説)というのはモンテッソーリで言う敏感期で、ある能力が飛躍的に成長する時期のことでその時期を超えると成長がしづらくなるという説のことです。小脳の発達臨界期が8歳と言われています。

何年か前、私の持論と同じことを言っている方の本を読みました。“心の基地はお母さん”という本の中に2年生が一番あれるという内容が書かれています。とてもいい本ですのでご興味のある方はお読みくださいね。

3年生くらいからは客観志向が芽生え、自分はクラスの中でどのくらい勉強ができるのか、どのくらい運動ができるのか、友達から人気があるのかなどがわかるようになり、お母さんや先生のことも同じ他の大人と比べてどうなのかを客観的に見るようになってきます。そして急速に親よりも友達同士の世界に重きをおくようになり、いわゆるギャングエイジや9歳の壁と呼ばれる年齢へと突入していくわけですが、2年生はその準備期間に入り自分の中の変化に対応しようとしている年齢なのかなあと思います。臨界期の終わりを迎えやり忘れたことを必死でやっているのかもしれませんね。いずれにせよ子ども達がどんな状態になっても焦らず迷わず見守っていきましょうね。

2022年7月①アトリエ講師 星野由香

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<指導をしない絵画指導>“本物の環境を整える”

先週は親子コピカは果物、幼児・小学コピカはイセエビ・サボテンをモチーフに、イーゼルをたて木炭でデッサンしてから、プロ用の絵の具リキテックスで着色して本格的な絵画を仕上げました。子ども達がよく絵を描くことをお絵描きっていいますが、アトリエの子ども達の作品を見ているとお絵描きとはとても言えない。やはりアトリエの絵は絵画ですね。
いつもどのようにして絵画活動をはじめているかというと、最初に絵本を読むのは他の活動と同じなのですが、その後、どのモチーフを描くのか決めて、自分のイーゼルを決めます。それから、少しだけ先生がささっと描いてみせます。見本にするためではなく、“どうやって描いたらいいかわからない”という子や自信のない子もいるので、“こんなに簡単にかけちゃうんだよ”っていうことを伝える為です。


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<絵から子どもの成長が見えてくる>“子どもは突然変わる生命”

それから木炭をもらってデッサンして、着色。絵具の出し方やモチーフを消さないように背景を塗ることなどは伝えますが、最後まで塗り切ること以外は全くの自由。子ども達は思いのままに筆を走らせています。年少さんくらいまではデッサンで描いていても色を塗っている間にデッサンを消してしまったりするのですが、そのくらいの年齢の子ども達にとってはデッサンと色塗りは別のようで、年中さんの夏を超えたあたりから関係性が見えてきているように思います。アトリエではそれまで何も言わず、子ども達にまかせていますので、お母さん達も今のこの年齢にしか描けない子ども達の絵を楽しんでください。アトリエでつかっているリキテックスという絵具は水で薄めて使わないので、絵具が伸びませんからあの画面をうめるだけでも大変です。まずは塗り切れただけでもすごい!今回も年少さん達がみんながんばっていました。絵画活動はモチーフは変わりますが、あとの条件が同じなので、次の絵を描く度に子ども達の成長がわかります。今回も「突然、絵が変わった!」という子ども達がたくさんいましたね。


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<やっぱり集中力>“達成感に満ちた表情”

子ども達はアトリエカリキュラムの中で絵画が一番集中しています。幼児期はどちらかと言えば絵画の活動よりも何か作る方が楽しいという子ども達の方が多いのですが、絵画の時の凄まじい没頭の仕方を見ていると、本質的に人間は絵を描くということが好きなのだろうと思います。大人で絵を描くのが嫌いという方はおそらく嫌いにさせられるような状況が子どもの頃にあったのではないかと思われます。
今回、親子コピカからきている幼児コピカのAちゃんがいつもに増して素晴らしい絵を描きました。これまでとは質がガラリと違う絵です。本人もそれがわかったのか集中の仕方が違ったそうです。私はその日、そのクラスには入っていなくて後から見に行きました。Aちゃんはなぜか私にライバル意識があり、いつも私に対しては挑戦的です(笑)。まるで思春期のお姉さんみたいです。だから私を見た時、いつものようにちょっと斜に構えた表情を見せるかと思いきや、達成感に満ち足りた、誇り高い何とも言えない表情をみせてくれました。その表情を見ただけで鳥肌が立ちました。一瞬で目頭があつくなってくる、そんな表情でした。もう私対する感情などどうでもいい、「私、すごい絵が描けてしまった・・・」と自分自身に感動していました。それはやはり集中できたからそこまでの感情が持てるのだと思います。そこまで思えた時は人の評価などどうでもよくなります。その顔を見ただけで私はいい絵が描けたのだと確信しました。子ども達にもっとこういう顔をさせてあげたい、集中できる環境を用意してあげたいと強く思いました。


<楽しさは2種類ある>“苦しみも含めて楽しい”

“楽しい”という感情は2種類あると思います。心理学者の河合隼雄さんだったと思いますが、「苦しみを伴わない楽しさは真の楽しさではないように思われます」ということを何かの本で書いていらっしゃいました。社会学者・哲学者であるロジェ・カイヨワは著書「遊びと人間」の中で遊びのモードをパイディアとルドゥスに分類しています。私なりの解釈もはいりますが端的に説明するとパイディアは気まぐれに始まった遊び。例えばボールがあると子ども達は投げ合いをしたり当てあいっこをしたりして遊びます。そこにルールができると(秩序・制約・規制など)スポーツになります。そしてその世界に入り込むと人間は技を磨いたりそのための訓練をしたりすることを楽しみます。その世界がルドゥスです。絵を描くことにも虫取りにもルドゥスの世界があります。

絵画の時の子ども達は最後の方は疲れ切ってものすごくしんどそうにしていることもあります。絵の進み具合から見て、これは最後まで描く体力はなだろうと講師が判断した時も、それを超えてやり遂げる子が殆どです。そういう時の子ども達はスポーツ選手のゾーンのような状態になっているんじゃないかと思うことすらあります。幼児期特有の集中の仕方が間違いなくあります。だからこそこの時期、どのような環境にいたのか、どのような体験をしたのかが、今後の成長に大きな影響を与えると言われているのだと思います。

子ども達はただ大笑いしてはしゃぎまわることだけを求めているわけではありません(そうとしか思えないこともありますが(笑))。今回のAちゃんのように魂の深いところからこみ上げてくるような真の喜びはやはり本物の環境からしか生まれません。是非、アトリエ活動の真の意味を理解していただき子ども達のこれからを共に見守っていきましょう。

※2年生反抗期については次回お知らせしますね。(すみません)


<先週のテーマは円柱>“自分のものをつくるのは嬉しい”

先週の活動は円柱をテーマに円柱型である植木鉢に鉛筆で自由に分割線を描いてから、分割してできた空間を着色していきました。はじめは粘土を付けたり、タイルを貼ることも考えたのですが、素焼きの色が下地にもなり、子ども達なら美しく仕上げるのではないかということになり、そのまま着色しました。具体的に自分が使えるものをつくるのは嬉しいので、モチベーションも高く、完成度の高い仕上がりとなりました。(芽が出てこなかった方はなにか他の植物を植えてあげてくださいね)。



<フレーベルの教育理論> “人間の成長を植物に例えました”

フレーベルは人間の成長を植物に例えました。植物の成長のどの段階をとってもその全てが大切であるように、そして成長には適切な時期があるように、乳児期には乳児期に、幼児期には幼児期に必要な事があります。子ども達にとってそれは遊ぶことです。その時期の子どもにとって学びと遊びは矛盾なく存在します。環境があれば、いつしか無我夢中となり遊びの世界がパイディアからルドゥスへと変化します。私はその時の子ども達の姿を見るのが大好きです。そこから子ども達が得ている力ははかりしれません。その時期に必要なことを存分にさせてあげて、根をはる時期を待ってこそ、後の豊かな実りとなるのではないかと思います。

植物の種子に成長に必要な情報が全て内包しているように、森羅万象の全てに永劫の法則があり世界が存続しているように、人間にも自己成長力が備わっているとするならば、我々大人が子ども達の為にできることは教え育てる教育ではなく、子ども達が自分で自分の力をひきだしていけるような環境を用意し、応援してあげることです。それは決して先回りして環境を用意するということではありません。子ども達がこれからどんな子に育っていくのか、どう育ちたいのかは誰にもわかりません。幼児期、小学期は土台をつくる時期です。そしてこの時期に作り上げた土台の上に子ども達は人生を築いていきます。砂上の楼閣とならぬ様、庭師が植物を育てる時に、その特徴に従って育てるように、子どもの本性(種子)に素直に従い、受動的・追随的にならず子ども達の自己成長する力を信じて成長を見守り育てていってあげたいですね。

<アトリエ講師の持論> “一番大変なのは2年生”
1歳から半6年生までの子ども達で私が自分の体験から導きだした持論ですが、この期間で一番大変なのは2年生です。ある意味では思春期より大変なのではないかと思っています。来週はこの時期の子ども達についてアトリエ通信でお伝えしたいと思います。



<生きている実感>“自分の体とむきあう”
久しぶりの規制なしのゴールデンウイーク、皆さん楽しまれましたか?私は幼馴染と屋久島の縄文杉と白谷雲水峡登山に行ってきました。高御位山(高砂にある山)で練習したり、毎日スクワットをしたりと準備してから行ったものの、1日目往復6時間、2日目3時半起き往復12時間の登山は中々こたえましたが、思っていたよりも足が動いてくれてホッとしました。7000年の時を刻むいにしえの森。その荘厳さ、迫力。時空を超えているかのような神秘を感じました。でもそれ以上に自分の足でこれだけの時間、歩を進め続けたことにこみあげてくる“生きている”という実感。思えばこんなに歩き続けたのは何十年ぶりかのことで自分の体に向き合っている喜びを感じました。病気などで体を動かせない人もいますが、そもそも人間は体を動かすようにできていて、これが人の自然の姿であることを考えさせられました。
屋久島は花崗岩の島でその上に苔がむして森ができています。南方熊楠の本を読んだ時から苔に魅せられ、生命の源を感じていたのですが、深い緑におおわれた森を歩きながら、君が代の歌詞が浮かんできました。政治的解釈はいったんおいて、言葉通りの意味を思うと、この歌はまさに屋久島のことを歌っているように思え(全ての地にあてはまることなのかもしれないのですが)調べてみると鹿児島が発祥の地らしく、当たらずとも遠からず。こういうことを考えるのはものすごく楽しいです。
当分、はまりそうです。歴史に詳しいお父さん、是非、教えてください。
誰かそういう方がいつもいらっしゃるのがアトリエのすごいところです(笑)。


<人との出会いに学ぶ>
縄文杉コースを担当してくれたガイドさんが面白い方で、おそらく他の方はしないのではないかという私の変な質問にどこまでもお付き合いくださり、豊富な体験と知識から歴史、動植物、地質などはもちろんのこと古事記や山岳信仰、料理など私の思いもよらない切り口から答えて下さり、聞けば屋久島にまだ2年で、前はワシントンにいて、その前は大企業のサラリーマンをしていて、今は山岳ガイドなのにサーファーという変わった方でした。旅はいろんな人に出会えることも楽しみの一つです。
5歳のお子さんがいて、そういう方ですのでアトリエの共育に非常に興味を持って下さり、下山の時は屋久島にいるのにアトリエにいる時とほぼ同じ話を熱く語っていました(笑)。
どこに行っても同じ話をしています。


<子どもと学ぶ・子どもに学ぶ>“子どもと共に育つ共育”
アトリエは共育という言葉を使いますが、それは講師も親も子どもも共に学びましょうという意味でもあります。ですから、私達講師は子ども発信を受け止めていくので、同じことをしていてもクラスによって全く違う感じになることがよくあります。インスタにもあげましたが、私が担当している日曜日の1階幼少クラスは非常に個性的な子たちが多くて、いつも違うことになります(笑)。1階クラスと2階クラスが違いすぎて毎回、面白いです。とにかくみんな自分のやりたいことへの思いが強く、私の言うことを聞いていません。でも話が聞けないというのとはちょっと違っていて、説明している間に“あれはなんだろう、どうやってつかおう、あんなことしてみよう”と心がもうそっちにいっているんですよね。
そんな時にあれやこれやと説明されても聞いていられません。それより、はやくさせて!って前のめりになっている状態を、話を聞けないと判断してしまうと子ども達との関係性そのものが変わってきてしまいます。そういう時は話しを聞かせる為に怒るよりも、やりはじめたらなんとかなるのだから、子ども達の“はやくやってみたい!”という、いてもたってもいられない、体の芯からこみ上げてくる生き生きした気持ちが芽生える感情の発露を逃さないのもアトリエ講師の才覚です。
子ども達の動きにあわせて講師も動くということが共育のアトリエではとても重要です。


<子どもと共に動く>“こうして鍛えられています”
このクラスは基本、話を聞かない。私も1回しか言わない。なので結果的になんでも自分で考えてしなくてはいけません。一緒にやっているスタッフもそうです。次に私がどうでるのかわからない、子どももどうでるのかわからない。子どもも大人もやりながら学ぶしかない。だからこのクラスは一番言うことをきかないけれど、一番自分達で動きます。その状態を見ていると、どんなやり方がいいかなんて一言では言えないなあと思います。子どもによって違うし、その時々で違います。自分のやりたいようにやることを、多少のことは目をつぶって認めていますから、通常、講師たちがやってあげることもこのクラスでは自分でやってもらいます。なので汚れるっ!散らかるっ!なのですが、この子達にはそれが必要で、他のクラスも同じようにすれば良いかというとそれはまた違うんです。このやり方では楽しめないクラスもある。みんなそれぞれ違うんです。

これだけ個性がさく裂している子達をまとめるのは一歩間違えれば・・・の真剣勝負ですから、私の口調も他のクラスよりきつく、怒号が飛んでいる時もあるのですが、そのくらいのことでは子ども達もひるみません。子ども達との本気のやりとりがクラスをつくっていきます。子どもは、大人が本気で自分達と接しているのかそうでないのかはすぐにわかります。フレーベルは、子どもにおける勘の働きを重視して、大人が子どもに注意したり、しかったりする場合、それが大人の気分や気まぐれによるものか、それとも真実性に基づくものであるのかを見分けるための正しい勘が子どもにあることを指摘しています。私も子ども達を見てきて子どものそういう判断は殆どの場合間違っていないことを実感しています。だからこそ大人は子どもをなめたような態度をとってはいけないということを強く思います。

今、私が毎回、入っているクラスは少ないのでこのクラスを例にお話しさせてもらいましたが、アトリエではこんな感じでどのクラスも子ども達にあわせてクラスをつくっていっています。そして子ども達は自分のクラスがとても好きになります。アトリエで一生の友達になった卒業生たちもいます。
そういうことも含め、子ども達の居場所としてのアトリエでいられたらと思います。

2022年5月②アトリエ講師 星野由香
<球で遊ぶ>“多様と統一を体感する”
4月2回目は風船で遊んでから、粘土に絵具を混ぜてつくった色粘土で球体をつくりました。自分でふくらませた風船ロケット遊びも、風船100個をシーツに入れて遊んだトランポリン遊びも(布の触感とたまに割れるのがいい(笑))送風機で風船を浮かべる遊びも、ジャンボ風船遊びもみんなものすごく楽しんでいました。球は人間に最も活用されている形です。中に空気が入っている素材である風船も色々な遊び方ができます。ひとつの物で色んなバリエーションで遊べる体験を子ども時代にたくさん体験させてあげてください。


<幼児期の体験の重要性> 無からは創造できない
風船遊びの後は粘土に好きな色の絵の具を混ぜて色粘土をつくったのですが、親子コピカ2年目の子ども達や、親子から来ている幼児クラスの子達が粘土をもみ込むのがものすごく上手でびっくりしました。それだけでも幼いころからの体験はこんなにも違うということを思いました。小学生でもはじめてする子は表面だけに絵具がついて、なかなか、“もみ込む”という動作が出来ません。現代の子ども達の遊び環境が手先をつかうことが極端に減ってきているのも理由の一つだと思いますが、普通に暮らしていたら圧倒的に体験の量も種類も情報量も少なくなってきてしまいます。子ども達が外界に働きかけて自己を表現するためには素材と環境が必要です。無から有を創造することはできません。そこに童具の存在理由があります。その為の童具環境であり、アトリエ環境であることを子ども達の姿に思います。
※YouTubeやスマホ視聴で子ども達の情報量は増えていると思われがちですが、実は視覚からの情報だけになってしまい、自分からは何の体験もしていないので五感の情報がありませんから、逆に情報量は実際の体験に比べて圧倒的に減っているそうです。またいつでも見られるものに対して人間は覚えようとしないので記憶に残っている情報量も少ないと言われています。子どもの人生がスマホに奪われてしまうのはもったいないですね。


<脳のタイプがある> 体験だけでは克服できないこともある・苦手を克服させるより得意を伸ばす
以前にご紹介したことがありますが、ケーキを切れない子ども達という本が今も話題になり、コグトレというのがはやっています。気の利いたように見える算数プリントのようなものなのですが、アトリエでやっていることを紙にしたような感じです。例えばピンボードのような点があって、それをつないで図形を書くというようなものです。アトリエはそういうことを訓練ではなく遊びの中ですでに乳幼児期から形の秩序に従って、立体でやってきていることから思うと、否定する訳ではありませんが、こういう表面的な教育を見る度に、和久共育ではすでに深く語られていることであることを思います。私が子ども達を見てきた体験からでは、実際に体験を繰り返してきたとしても苦手なことが得意になることは殆どありません。前記と矛盾するようですがアトリエで色んな体験をしていてもケーキの切れない子はいます。それは色んな子がいるから当たり前なんです。苦手なことを克服させるために躍起になると劣等感をうえつけてしまい、得意なことまでできなくなってしまう子ども達も見てきました。ただ克服できるケースもあります。得意なこと、夢中になれること、好きなことをどんどん伸ばしてあげること、得意なことから苦手なことをアプローチすることです。それと好きなことをするためには苦手なことを克服しなければできないという状況が生まれた時です。専門的なことはわかりませんが、その時の子ども達はモチベーションが違うので脳の使い方が変わったり、普段つかっていないところが動きだしているのかなあと感じたりしています。何はともあれ訓練で子どもをどうにかしようとするよりも、その子のそのままを受け入れる大人の姿勢こそが先であり、その大人の姿勢が結果的に解決策を見出します。従来の平均的な人間を量産する画一的な教育や大人がつくりあげる子どもではなく、ケーキが切れないからこそ他の人と違う発想が出来る、そこを大切にする教育こそが今、世界に求められていることなのかもしれません。


<数・図形について>人間の教育より ―幼児期の人間―
フレーベルは、図形は、形成や発達の手段として幼児や少年にとって、さらに人間にとって、極めて重要であると人間の教育において言っています。子ども達は物を描くことや図形で表現すること、また観察することで、同種の対象は常に同数の結びつき方をすることを認識します。例えば二本の腕、ふたつの目、虫の6本の脚というように。ひとつの同一の対象の度重なる反復から生きた数の認識が始まり、計数能力が発達し形成されていきます。また、2歳半くらいから同じものを延々と並べたり、同じ色を集めたりするようになります。その時に養育者や指導者のちょっとした言葉かけで、子どもの中で数に生命がふき込まれます。例えばはじめは「赤がひとつ、赤がもうひとつ、赤がまたひとつ、赤がいっぱい」というように数量がひとつずつ一様に加わることによって増加していく様子を伝えます。そして次は「赤がひとつ、赤が二つ・・・」と数詞を加え、最後は数詞だけで数えてみます。先へ先へと飛び越えたりせず、自然の発育のそった自然の順序に従っての純粋な数の考察、純粋な数の直観したときの幼児は、自らの新しい能力を喜びに満ちて数の世界を受け入れることと思います。フレーベルは「幼児は相当の期間は、実際に数えられた、ないし数えられながらの対象の直観なしには、数詞を言わせられるなどしてはいけない。そんなことをすれば、幼児には、数詞が死んだ響きとなり、空虚な、無意味なものになってしまう。」ということを強調しています。


<幼児期は人生の土台をつくる>人間の教育
「適正な指導と真正な養育と誠実な保護とに恵まれた幼児は、幼児期の最後の時期に、すなわち幼年時代を抜け出て少年時代にはいるさいに、内的生活や外的生活の面で、どれほどの豊富さと、どれほどの充実ぶりと、どれほどの溌剌さとを、われわれに示すであろうか。」―のちの大人の思考や感覚や知識や能力の対象で、その最先端の球根を、幼年時代までにのばしていないようなものがどこにあろうか。将来の教授や将来の教訓の対象で、すでに幼児期から芽生えていないものがどこにあろうか。<岩波書店 人間の教育 抜粋>
前記されている適正な指導と真正な養育と誠実な保護に恵まれた子は、アトリエの子達を見ていても生き生きと輝いた目をしています。子どもはとくに目が多くを語ります。もっともっと豊かに生じてきたはずの発達をもぎとってしまわないように、子ども達の目を輝かせてあげたいですね。卒業生たちを見る限りですが、両親の愛情をしっかり受けて、環境が整えていれば、先へ先へと急がせたり、不自然な勉強をさせなくても大丈夫です。子ども時代を私達も子どもとともに謳歌しましょう!!

2022年5月①アトリエ講師 星野由香
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<アトリエは形がテーマ>“毎年恒例のボール遊び”
毎年、4月は球がテーマ。今年もたくさんのボールで遊びました。はじめは的に向かってストラッグアウト。単純な遊びですがとても盛り上がります。飛んできたボールを子ども達の方に転がしていると、そのうち先生に当てだす子がどのクラスにも必ずいてそこからは先生対子どものボールの当てあい(笑)。当然ですがめっちゃ楽しいの!!!ですが、息があがるくらいやっているのにまだ10分たっていない、、、おそらく子ども達はこのテンションでずっと遊び続けられることを思うと子どもの遊びに対してのエネルギーや楽しさを求める意欲のパワーはすごいものがあるとつくづく思います。だから遊びから得るものが多いのでしょうね。どこからみても形の変わらない単純な秩序を持つ球が子ども達に与えてくれる知覚や四肢の発達はこの時期にしか得れないものが多くあります。今、子どもを遊ばせてくれるものや場所がたくさんありますから、意外と子どもとじっくりボール遊びをしたことがないという人も多くなりました。是非、お子さんの小さいうちは日常にボール遊びのできる環境をつくってあげてください。童具館のママボールはちょっとした遊びならお家の中でも楽しんで頂ける持っていて頂きたい童具です(3個¥850)。また、カラーボールはピタゴラスイッチを作ったりする時には必須、積木遊びの幅も広がります。(ボールのみ 6個¥5,200)童具館の積木は基尺が完璧に揃っているので、自ずと遊びのバリエーションが増え他のものと組み合わせると無限に遊びの提案ができます。


<基尺が揃っているからできる> 数量幾何の遊び
ひとしきりボールで遊んでからは積木でボールが転がるコースづくり。はじめは22.5mmの高さにあわせて直方体・くむくむパーツ・かずの木をパズルのように敷き詰めていきました。囲まれた空間をピッタリ埋めていくという活動はどの年齢の子ども達も大好きです。最後に机が積木で敷き詰められるまで殆どの子ども達が集中してやっていました。その後、直方体を抜いてそこに角柱や立方体と正方板を入れて凹凸やトンネルつくったり、くむくむで歯車をつくったり、かずの木を反対に差し込んでプロペラにしたりしてコースの仕掛けをつくりました。その後はボールを転がしてコリントゲーム。入った点数のかずの木をトレイに入れていって、先にいっぱいになった人が勝ちというゲームをしました。はじめのパズルもそうなのですが、子ども達と遊んでいて、かずの木はやはり算数に直結していくということを実感しました。パズルでどのかずの木を入れたらピッタリになるのかを考えることも、入った点数のかずの木をトレイに入れることも、自分の点数を数えることもみんな算数です。もちろん算数の為にかずの木で遊んでいるわけではないしそれが目的ではないけれど、
数や量の理解が子ども達の中でどのように行われているのかを感じながら遊ぶ姿を見ていると、気づくことがたくさんありました。


<かずの木は算数に直結します>10までの数の考察で土台をつくる
先週は春休み中でしたので親子コピカの時にお兄ちゃんお姉ちゃんが一緒に来ていたのでアトリエが終わってから年長さんとかずの木で数とりゲームをして遊んでみました。まだ足し算はしないので出た数字を素直にそのまま入れていきます。その時3がなくなったので1と2でも3と同じ量になることを見せるとそれからは3や4がなくなっても1と2で3,2と2で4,1と3で4というように同じ量にすればいいということが理解できていました。また10との両替の仕方や点数の数え方、必ず10にしてから次の列に入れることなどもすぐ理解して、私と遊んだほんの30分くらいでも多くのことを学びとっていて、改めてかずの木ってやっぱりすごいなと思いました。10までの数の遊びにより、10までの数の考察がしっかりとできます。なんでもそうですが土台がしっかりつくられていないと、高く積み上げることはできません。子どもの遊びを見ていたらかずの木がというより遊びの中に数量や図形的な要素が含まれてるのものが多いということに気づきます。


<フレーベル人間の教育>数量関係の知識は幼児の生命を著しく高める
フレーベルは人間の教育の中で、“幼児の中にある計数能力の発達や形成によって、幼児の知識の範囲やかれの生命の正解がさらに拡大するし、またこの発達によって、かれの内面の本質的な要求や、精神のある種の渇望が充たされてくるようになる・・・数量関係の知識は、幼児の生命を著しく高めるものである”(岩波新書 人間の教育より抜粋)と幼児の数量の理解を得ることで幼児の世界がどんなに豊になっていくのかを書いています。ただ、これは幼児に数を唱えさせたり書かせたり、計算させたりするということではありません。むしろそれはするべきではない、得るものより奪われるものの方が多いというようなことも書いています。ではそれはどういうことなのか、何が違うのかということをまた、次回アトリエ通信にてお伝えしたいと思います。

※次回のピカソクラスは料理を再開します。アレルギーのある方は事前に食材の確認をお願い致します。月2回の方は料理の回に来れない方もいらっしゃいますが、次回に来れるようにスケジュールを組んでいますので、そのためのお振替はご遠慮くださいます様お願い致します。

※かずの木のピンとサイコロが足りないというお話をよく聞きますので、まとめて注文をします。
ご希望の方はスタッフまでお申込みください。

かずの木 ピン 100本入り ¥1,200 サイコロ 高いです \1,056 \1,120

2022年4月②アトリエ講師 星野由香
2週間のお休みでしたが、皆さん楽しい春休みをすごされましたでしょうか?今日から始まる2022年度のアトリエ。はじめてアトリエに参加する子ども達、また親子から幼児コピカになり一人でアトリエに入る子ども達、そして3年生になって全国のアトリエから注目されているピカソクラスの子ども達。
緊張しながらもひとまわり成長していく姿が今年も楽しみです。


<子育てに迷ったらフレーベル>“幼児教育の母”
今、フレーベルについて学びなおしているのですが、以前には感じとれなかったことや、理解していなかったことなどが、長年の子ども達との体験を通してやっと見えるようになり、和久先生がよく「大脳生理学が今のように発展していなかった200年前にフレーベルはすでにみんな言っている。」と言っていることをひしひしと感じています。だから、和久先生はいつもこう言っているんだ、こう書いているんだということも改めて理解ができました。
ただフレーベルは難解な文章が多く、調べようとしてもネット検索ではまず答えはでてきません。これまでの知識と体験から自分の頭で考えないとたどりつけず、ページが全く進まないのが難点です(笑)。前回はペスタロッチー・フレーベル事典からでしたが、今回は人間の教育からお伝えしたいと思います。


<フレーベルの人間の教育>“子どもは5歳までにその生涯に学ぶ全てを学び終わる”
全て書き出してお伝えしたいくらいですが、最近、繰り返し読んでいる箇所は、子ども達が遊びの中でやっていることは、大人が新たな知を得る為にしていることとなんら変わらないというところです。これは常々、私も子ども達の姿に感じていることでした。そのことを一番初めに感じた体験は15年くらい前の親子コピカでの球の活動の時のことです。
アトリエは毎年、球のテーマから始まりますが、いろんなボールを転がして遊ぶ時に、素材の違いにより同じ形の球でも転がるスピードや動きや音が違うことを子ども達が直観している姿はよく見られることです。その時、同じ色の違うボールを集めてひとつひとつ確かめるようにボールを転がしている1歳児さんがいました。その時「これは実験をしているんだ」と感動したことがあります。形と色という条件を同じにして違いを見るのは、研究者が実験する時と同じです。繰り返し繰り返し真実をつかみとろうとする姿は科学者が知を得る為に探求する姿となんら変わりません。既に1歳児がそのような行動をとることが衝撃ですらありました。
積木や童具で遊んでいる時、子ども達はよく種類を分けて集めたり延々と並べたりします。また、同じ高さをつくって橋を架けたり、丁度よい空間をつくったり、より高く頑丈にするためにはどうすればよいかを考えたり、動きを取り入れようとする幼児さえいます。この様子も大人が実際に建築に携わる時と何ら変わらない姿です。絵画の時は色を混ぜて混ぜてどんな色ができるのかを繰り返しながら画面にすいこまれていくような集中力で1枚の絵を描き上げます。芸術家が独自の美を求め新しい世界を生み出そうとする姿と何ら変わりません。幼児と大人の違いは、幼児はそれを全身全霊でやっているということです。この姿こそ計り知れない叡智を得ているということを大人はしばしば忘れてしまいます。

この時のゾーンにはいったような没頭する状態は幼児特有のものであるとフレーベルは幼児期の特殊性を説いています。おそらくこの先の長い人生を生きていくための主要な能力をこの時期に習得するためには生半可な集中力では吸収することができないからではないかと思います。この最も重要な時期に取るに足らないいずれ誰でもできるようなことをやらせることに時間を費やすことのなんともったいないことか!!3+8は?なんか後でやれ~!!って思います(笑)。そんなことをしなくても子どもはもっと賢いということを知っていれば幼い時にそんなことをする理由が全くないことに気づけます。


<フレーベルの人間の教育>“子育てで大切なことは子どもが教えてくれる”
子どもが興味を持つこと、表現しようとしていることは、まさに今子どもが知りたいと願っていること。
子ども達は手を動かして五感で世界を吸収し、全身全霊で創造活動にむかいます。だからこそ得るものも深くて大きい。何よりも大切なのは自発的であることと自己決定していること。このことを大人は忘れてはいけません。この輝きを生き抜くからこそ幼児は次の段階へと成長できます。そして幼児期にどのような態度で育てられたかは変えることはできません。幼児期に傷ついた魂の修復が困難であることは皆さんも知っている通りです。子どもの才能を早く見つけて伸ばそうとする教育もあるけれど、幼児の中にその素質を見つけそれを尊重することと、才能があるからと言って、やればできるからと言って、数字に興味を持ったからと言って発達年齢以上のことを強要するのとは全く別の話です。


<遊びは学び> “遊びながら学ばせるは子どもに失礼”
幼児にとっての遊びは学びと同じ、なんの矛盾もなく存在しています。遊びながら学ぶのではなく遊びは学びなのです。フレーベルは遊ぶこと、遊びは幼児の発達つまりこの時期の人間の最高の段階であるとしています。遊びについては次回のアトリエ通信で詳しくお伝えいたします。
幼児期の育ちはこれからの土台づくり。子ども達が真に求めている世界を大人も共に生きたいですね。自然に任せるという意味ではなく、環境を心を尽くして用意したら、後は発信機をしまって受信機だけを働かせて子どもの姿をただただ見守った時に見えてくる世界がきっとあります。(この記事をまとめたものをインスタグラムでも投稿しています。)
今年度も焦らず迷わず子どもと共に私達も育っていきましょう。
※今年から“大人アトリエ”します!!

2022年4月①アトリエ講師 星野由香

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<本物を選ぶなら童具館>“ウェハース大活躍します!!”
先週の積木の動物たちは、子ども達のモチベーションも高く、次々とアイディアが湧いてきて子ども達も講師も楽しい1週間となりました。生き物ですから愛着が湧いてきて片付ける時にしょんぼりしていた子もいましたね。お家で同じものをつくったというご報告もたくさんの方から頂きました。こういう時、アトリエでウェハースと呼んでいる長板積木G100がいりますね。高速道路や線路づくり、ピタゴラコース、お家づくりなど大活躍しますので、まだお持ちでない方はぜひ、お早目にお申込みください。
ウッドショックの関係もあり、積木の値上がりはさけられない状況になるのではないかと思っています。
くむくむやかずの木など購入を悩まれている方はお早目にお申込みくださいね。
※積木の収納箱が3月より変わりました。
G100 長板積木 ¥18,000 会員価格5%引き


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<スケールが大きく育つ> “アトリエの子たちはやっぱりすごい”
この動物づくりは園やイベントなどいろんなところでやってきているのですが、アトリエの子達はやっぱりすごいなあと思いました。みんなスケールがでかい!!細部にこだわる!!最後までやる!!これまで高い建物を作る時は天井まで、実際に中に入れる円筒やお家、徹底してとことんこだわる造形活動を繰り返してきているので、何かを作る時に最初に浮かぶイメージのスケールが大きくて精巧なのだろうなあと思いました。こういう感覚ってすごく大切だと思います。最初に浮かぶイメージはそれまでの体験によるものですから、体験してきた内容が薄ければそのイメージしか持てません。
また、このくらいでいいかと思って何かをやるのと、やるならここまでやろうと思って物事をはじめるのとでは全く違ってきます。アトリエで育まれる力の一つだと思いました。主に乳幼児期に育まれるその力を引き出すためには、また身に着けるためにはやはり本物の環境と五感を通した体験が必要です。
人間は五感を通して物事の認識を深めていく生命です。長い長い期間、700万年?実際に体験をして人間は生きてきました。私はゲームもYouTubeも反対ではありませんが、人生の楽しみがそれだけになってしまわないよう、実際の体験する時間を確保したうえで楽しめたらいいのかなあと思います。


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<本物が持つ力>“甥の育ちから”
甥の育ちはアトリエやほるぷ絵本館で今、皆さんにご紹介していることの実践の記録です。勉強や宿題をしなさいと言わず自主性に任せ、塾はもちろん(高校受験前の2か月だけ本人の希望があり英語だけ行ったそうです。)勉強系の習い事はせずに、絵本(読書)と積木と本人のやりたいことだけで育ちました。妹は甥の方から見せない限り、成績も見ていませんでした。ほるぷ絵本館で言っている通り、和久先生が言っている通りの子育てを実際にしたらどんな子になるのか、みんな塾に行って小さい頃から勉強しているのに本当にそういう子育てで今の時代、大丈夫なのか。他の卒業生たちの生きた証がありますから私は心配していませんでしたが、今のところで言うと、高校は中学3年生になってからずっと行きたいと思っていた文武両道の都立の志望校に合格し(公立はお父さんの方針)、好きなことをやって楽しんで生きています。幼児期も小学生の時も遊んで遊んでやりたいことだけをやって育ちました。家庭でやっていたのは童具館の積木遊びとほるぷ子ども図書館の絵本を中心とした読み聞かせだけです。ただ読み聞かせはご飯を食べるとかお風呂に入るとかの日常と同じくらい、かなりしています。妹は“自分から読むまで読み聞かせを続ける。自分で読みなさいと言わない。”を信条にしていましたので5年生になるまでやっていました。今では私以上の読書家に育ち、本を読むということが普通のことになっています。読書家に育った卒業生たちもそうですが、読書は彼にとってあらゆる面でかなり大きな力をくれたようです。習い事も童具館のアトリエと本人の希望ではじめた水泳と大好きな野球だけで、やりたいことだけをやって過ごしてきた子ども時代でした。
私は学校の勉強が出来なくても志を持った生き方ができればそれでいいと思っています。

ただ、自分の好きなことは見つけてほしい、それに向かって生きていけたら本人も周りも幸せにできる生き方ができるのではないかと思っています。でも好きなことを見つけるというのはそんな簡単なことではありません。好きなことをとことんやることがどういうことなのかを知らなければ、好きなことをやるという感覚を知らずに育ってしまいます。アトリエで繰り返し体験してもらいたい感覚のひとつです。
嫌々ながら心が求めてない不自然なことをやらされ続けたら魂が傷つきます。往々にして乳幼児期に傷ついた魂の修復は難しいです。
子ども達の“好きの力”は大人が思うよりも重要なことであるのかもしれません。

2022年3月②アトリエ講師 星野由香

<アトリエはなぜ形がテーマなのか>“童具共育”
先日、子ども達からも保護者様からもアトリエってどうして形がテーマなんですか?という質問があり、私もこの機会にあらためて和久共育について整理してみようと思いました。

<フレーベルの教育理論と和久共育①>“永劫の理法”
アトリエで行うことや童具にフレーベルの教育理論が根底にあることは、アトリエ通信でもよくお伝えしてきました。幼稚園の創始者であり教育としての積木をはじめてつくった人でもあるフレーベルは、万物の中には永久不滅の法則が存在し、その法則は私達を取りまく世界(外界)にも、私達の精神(内界)にも、そして、外界と内界を結びつける生命(体)にも宿っているとしました(永劫の理法)。この法則の創始者をキリスト教徒であるフレーベルは神としていますが、和久先生の著書では、宗教を持たない人を念頭にいれて、その箇所は“関係性の原理”と書かれています。

<フレーベルの教育理論と和久共育②>“部分的全体”
万物のあらゆる現象には全てつながりがあり、規則的な秩序のもとに調和していることに気づいたフレーベルは、部分的全体の思想によりこの宇宙の原理を「形」を通して表しました。全ての存在は、ひとつの全体であり、部分は全体と一致している存在であることを表現する用語として部分的全体という言葉を用いています。全体の部分ではあるけれどそれ自体がひとつの自己完結された一つの全体(部分的全体)である、つまり例を挙げれば人間の遺伝子にその人間の全てが内包されているように、部分の中にも全体が存在するということです。その全体(この宇宙の関係性の原理)を表すために、部分としてフレーベルは形を選びました。人間が物事を認識していくときの情報は五感によって得られます。人間は五感を通して物事の本質を直観します。五感を通して関わることができるのは、形をおいて他にありません。

<フレーベルの教育理論と和久共育③>“球”
生まれたばかりの生命にまず最初に与える形としてフレーベルは球を選びました。球が最も単純な形だからです。単純な形というのは単純な秩序を持つ形です。球の秩序は中心点から表面までの半径が一定であるというだけで言いえてしまします。
フレーベル事典の球体法則の球について書かれている箇所をその言葉通りに書くと「球は統一性おける多様の表現であり、多様性における統一性の表現であること、また、球は統一性から自己展開しつつ、統一性に根拠を有する多様性の表現であり、すべての多様性の統一再帰の表現である。」だそうです(難解)。つまり例えば一人の人間にも多様な行動、多様な成長があることと同じで、一人の人間が統一を意味し、その行動が多様性を意味することになります。そして動と静を合わせもち、秩序<必然>を内在させ(点による究極のバランス)<調和>を示し、点線面を内在させているうえで多様に変化する存在として、球は万物の統一体であるということです。単純な秩序を持つ球は単純であるからこそ多様な表現が出来、創造活動やスポーツやゲームなど人間に最も親しまれています。子ども達は球と遊ぶことでこの単純な形にこれだけの多様性があることを知り、一人の人間にも同じように多様な可能性があることを感じ取っていきます。

<フレーベルの教育理論と和久共育④>“わくわく創造アトリエー遊びの創造共育法”
球はその全てが点であり面であり線でもあります。見えないけれどもそれはあるんです。その真理を和久先生は遊びの創造共育法により子ども達に直観させました。アトリエに通っている子達なら誰でも体験してきているボールの描写。ボールに絵具を付けて転がすと線が見えます。弾ませると点が、押し付けると面が現れてきます。球から現れた面である円。円で構成された円弧モザイクをかさねていくと円柱ができます。円柱の積木を積んだり、転がして遊んだり、円柱を分割して現れた正方形に着色して造形物を作ったりすることで円柱と四角形の関係性が見えてきます。そして四角形をかさねていくと立方体になり、六面でできた立方体積木をサーク状に積めば円筒がつくれます。わくわく創造アトリエでは、形をテーマとした様々な表現活動により、形に内在する秩序やつながりに子ども達が気づくことで、この宇宙にある関係性の原理を感じとり、創造する力を自ら開発してゆけるようにカリキュラムが組まれています。

<フレーベルの教育理論と和久共育⑤>“恩物”“和久童具”
子どもは自己のうちに発見し、思考したことを外に表さずにはいられません。フレーベルは子ども達の活動衝動や表現衝動、創造衝動を人間の本質ととらえ、これらを純粋に育成していくことが幼児教育の根本としています。幼児は絶えず活動し、創造する存在であり、生活の大半が遊びです。フレーベルはこの遊びの中にこそ人間の本性があり、子どもの遊ぶ姿こそ本質的な姿であるとし、子ども達が遊びを通して外界を理解し、自由な創造活動に誘う遊具として第1から第20までの恩物をつくりました。(11から20までは創作活動)その第一恩物が球、そして第2恩物は球体・円柱体・立方体の3体で構成されています。(和久先生はこれに紡錘体を加えキューブダンシングという童具を作成しています。興味のある方は星野まで。童具子育て講座にご興味のある方は必須の童具です)。球は転がることが出来ますが積むことはできません(動)。立方体は積むことは出来ますが転がることはできません(静止)。円柱は球の転がる要素と立方体の積める要素の両方をもっている両者を媒介する形です。また円柱はその内に球の面の世界と立方体の四角い世界を有しています。

<フレーベルの教育理論と和久共育⑥>“対立的同一”
人間が読み取る世界には、朝と夜、白と黒、生と死などの対立する二元性が必ず存在し、互いの存在が互いを際立たせています。そして対立物には必ずそれらをつなぐ媒介物が存在します。フレーベルは純粋で単純な対立的同一物を子ども達に与えるために、第二恩物において第1恩物の球と対立的な関係である立方体と、この二つの形を媒介するものとして円柱を加えました。
※対立的同一物; 形(カテゴリ)―としては同一だけれども、対極の性質をもつもの
例えば、男と女は、どちらも人間なんだけれど対極にあります。

<フレーベルの教育理論のと和久共育⑦>“童具の宇宙”
全ての形はこの3つに集約され、複合によるものか部分です。そして童具もアトリエカリキュラムもフレーベルの恩物を骨子として展開されていて、フレーベルの思想を知ると和久先生の童具やアトリエ活動をいかに熟考されてつくられたものであるのかがわかると思います。全ての童具がひとつの宇宙を形づくっています。童具の分類は、作品集の末ページに童具の宇宙として縦列が球体・円柱・紡錘体・立方体、横列が立体・面・線・点で整理された一覧が掲載されていますので是非、そのことをふまえてご覧になってください。アトリエ活動や童具の世界に新たな意義を見出して頂けると思います。アトリエ活動は球体からはじまり円柱・四角柱・三角柱(直角二等辺三角柱・正三角柱・)・面・点・線(曲線・直線)・複合の流れがあります。イベント的な要素のある夏アトリエや冬アトリエには形の連続的な流れがないこともあるので、そこがアトリエに通うこととイベントだけ来ることの教育的な違いです。

<フレーベルの教育理論と和久共育⑧>”人間の教育“
フレーベルの子ども達への眼差しは和久先生と同じです。フレーベルは歴史的な教育思想家の中で最も子どもを尊重した人とされています。フレーベルは、著書「人間の教育」の中で、教育は命令的・規定的・干渉的になってはならない、受動的・追随的であるべきだあると言っています。もう200年も前に、その時代の子育てについての批判として「人間は若い動植物には本質に従った飼育栽培を行うのに、自分の子どもについては欲するままにこねあげることのできる蝋や粘土の塊とみなして、子どもの純粋なあるがままの成長を抑圧したり、一面的な成長を強制したりしている」と書いています。200年前にも現代と同じ教育問題が存在していることに驚きます。フレーベルは幼児の遊びは内面の創造欲求を自由に自発的に表現したものとして、恩物で遊ぶ時も遊び方の強要はしてはいけない、また大人の価値観による不自然な学習を強要せず、刺激を与えすぎないことを強調しています。フレーベルの合言葉として有名な「さあ、子どもたちに生きようではないか」という言葉は和久共育・童具共育・創造共育の子どもも大人も指導者も共に学んでいこう、子どもに学ぼうとする精神の叫びでもあります。

<まとめ>
この文章でなぜ形がテーマであるのか、伝わっていますでしょうか?和久先生の著書、フレーベル事典、フレーベルに関する論文等の言葉を借りながら、私なりの解釈を加えてありますので、おそらく表現の仕方が間違っていることや言葉がたりないこともあるということをご了承のうえ、お読みくださればと思います。(勉強しなおしてまたお伝えしますね。)

参考文献 「親と子の共育」 「遊びの創造共育法」 和久洋三著 「人間の教育」 岩波新書 「ペスタロッチー・フレーベル事典」 玉川大学出版部 「フレーベル教育学への旅」 庄司雅子著 日本記録映画研究所 庄司泰弘 日本ペスタロッチー・フレーベル学会論文

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<三角形の構成描写表現>“こんなにやり方がちがう”
先週ピカソクラスは前回の下のコピカと同じ三角形の段ボールオブジェをつくりましたが、年齢が違うとほぼ同じことをしているのに、違うカリキュラムに思えるくらい違ってきます。低学年までの子ども達は、線の分割はあっという間でしたが、3年生以上になるとその在り方も多様になり複雑になっていきます。例えば、上下左右に長い/の線を交差させて書く子、ひたすら短い定規で三角を描き続けていた子、まず大きな分割線をひいてから分割して書いていた子、同心円のように何重にも三角を書く子、四角と三角を組合わせてデザインしていた子、同じくらいの三角をたくさん書いた子、細長い三角で構成した子、密度のあるところとないところに分けるなどなど、これほどまでに子ども達の表現の仕方が違うことに驚愕に近い感銘を受けました。

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<子ども扱いをされていないからこそ見えるもの>子どもは一人の完成された人間
なによりこの課題を与えられて、ほぼ全員が直ぐにとりかかることが出来るこということもすごいとおもわれませんか?どうなんでしょう?普通、小学生にできることではないと思うんですよね。それを全員がさらっとやってしまうからいつも感心してしまいます。今回の活動のようにアトリエでは美大の課題のようなことをすることも少なくありません。飛行機やロボットをつくるとかクラフト的なものをつくるとかの具体的なものではなく、抽象的な要素が強いものほど、わくわくしてはやくやってみたいとか、インスタ映えするとかそういう華やかな活動ではありませんが、これはアトリエでしかやっていない特別な事というのは子ども達も直観するようです。殆どのクラスでいつもとは違う真剣さが見られました。すごく楽しいとかおもしろいとかそういう誰もが持つ感情ではなくて、アトリエに通っていないと出会えない何か本質的なことを自分たちはやっているんだという理解と、そのことによって生まれる質の高い感情がピカソクラスの子ども達に芽生えていることを、彼らの凛とした誇らし気な背中に思いました。彼らはアトリエが自分達を子ども扱いしていないことをよく知っています。こういう自覚はやはり客観的思考が育つ3年生以上になってから芽生えてくるように思います。ピカソクラスは定員に達していて入れないクラスもありますが、アトリエがどういうところであるのかは、ピカソクラスになってからこそ子ども達自身が感じ取ります。子ども扱いをしない大人たちと小学生の時に接してほしい、そして自分達がただ楽しいとかかわいいとかそういうことではなくて、もっと深い何かに接しているのだということを実感してほしい、子ども達の本当のアトリエが始まるのはピカソクラスになってから。今2年生の子ども達がピカソクラスでどんな感じになっていくのか、とても楽しみです。

2022年2月①アトリエ講師 星野由香

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<正三角形の段ボールオブジェ>“正方形90度と正三角形60度の世界との関係性を直観する”
先週のアトリエは正三角形をテーマにはじめに直角二等辺三角形と正三角形の違いを子ども達に示してから、正方形で正三角形をが生み出されることを直観してもらう為に段ボールで正三角柱のオブジェをつくりました。幼小コピカでは、角棒を定規変わりにして分割線をひいてそこに出来た面(三角)を色分けして塗りました。そういう芸術作品もよくみますよね。大型作品なのでかなりお邪魔になるかもしれませんが、90度の世界である正方形と60度の世界である正三角形のつながりをこれ程わかりやすく見せてあげられる機会もそうはないので、ボロボロになるまで(笑)しばらくお家で遊んでください。

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<マグネットモザイクとケルンモザイク六角シリーズ>立体の世界から面の世界へ
この時期に毎年思うことですが、前回の活動では特に親子コピカの子ども達の成長が顕著に感じられました。クラスにもよりましたが、刷毛が新鮮であったのか絵具を塗る時の集中力と持続力がすごかったです。45分間、唯々、塗り続けていたクラスもありました。
それとマグネットモザイク!!これがすごかった。いつもならモザイクで好きなように構成していくか、はじめに六角形を作ったりしてからするのですが、今回は下に正三角形を6枚をお山のように並べて、そこにピッタリあう六角グループのマグネットをはめ込んでいきました。この活動は一人残らずはまりましたね。モザイクをピッタリと合わせる度に1回1回その表面をなぜている子がいて、その姿がたまらず愛しく、誠実に物をつくるということの大切さをひしひしと感じました。ピターっとあう童具だからこそひきだされた幼子の姿です。実はそれもあり古くなっていたマグネットモザイクを慎重しました。そのことも子ども達の集中する姿につながったのかもしれません。

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今回、マグネットモザイク、ケルンモザイク六角シリーズのご注文をたくさんの方からいただいておりますが、その時の皆さんからの質問で一番多かったのは、マグネットモザイクとケルンモザイクとどっちがいいですか?という質問なのですが、これは違うものなので私達講師からすると「どっちも」なのですが、どっちが先?ということでしたら基本はケルンモザイクの方が先です。ただ子どもの遊ぶ様子などから、うちはマグネットのほうがいいかなあ、マグネットだったら私も(お母さん)遊びをひろげられるなあ、と思われる方はそれでもいいと思います。兄弟が多い場合でしたらフルセットで、おひとりでしたらミックスセットでも遊べます。できればフルセットがおすすめです。ご購入を検討されている方はご相談くださいね。お子さんにあったセットをご提案します。

2022年1月③アトリエ講師 星野由香

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<積木のログハウス>“この積木でなければこんな発想にならない”
先週の積木のログハウスは圧巻でしたね。どのクラスもお母さん達が入ってきたときの歓声に子ども達も大喜びでした。こんな体験ができるのはおそらく日本ではアトリエだけです。もし童具館の積木でなければ、こういう物をつくろうという発想にはなっていなかったと思います。信頼できる童具館の積木だからこそのカリキュラムとなりました。積木の活動はお家でもいかしてもらいたいので、できる限りお家でも出来る積木の活動を意識しているのですが、今回はさすがにできないので、ミニサイズをつくったりしてお家遊びを広げていってくださいね。また、今の子ども達は何日もかけて創りこむという体験を殆どの子ども達がせずに育っています。しかし大人になった時、一日で終わる仕事などまずありません。何日もかけて段取りをしてプロジェクトを成功させていくという仕事が殆どであると思います。プレイマットを敷いてあるところは片付けなくてもいいスペースにして、何日かかけて積木を構成していく体験を是非させてあげてください。

<素敵な子どもってどんな子?> 大人がやりやすい子?
先日、園で積木遊びをしたときのこと。対照的な二つの園がありました。一つの園は長年和久ブロックをつかってくださっている園なので子ども達も積木になれていて、私の話もよく聞いてくれて、活動もスムーズに進みます。この時は恐竜づくり。ちょっとした簡単な見本を用意して大体の作り方だけを説明してはじめたのですが、あっという間にかっこいい積木の恐竜ができあがり、子ども恐竜をつくったり背中に乗って写真を撮ったりして、大人子どもも充実した良い時間をすごせました。このクラスは、暴れる子もいなくて、お友達同士が協力して話し合いながら何かをつくるということが自然とできる素敵な子ども達で、いつも感心します。
もうひとつの最近行った園は、もう教室に入った時から騒がしくなかなか静かになりません。前記した園と同じ説明をしてからはじめましたが、それでわかった子達は3人くらい。この状態ではできないのではないかと思ったくらいてんやわんやになってしまいました。もう一度子ども達を集めて説明をして、なんとか形になっていったのですが、そこからの子ども達のエネルギーがすごかったです。あちらこちらでこぜりあいは勃発していましたが(笑)、真剣にやっているからこそ。結果的には子ども達の姿に大きな感動をもらいました。出来た作品も私の説明を聞いていないからこその個性的な仕上がり。それがめっちゃかっこいい。こういうのを見た時、子どものそのままを受け入れるということをあらためて考えさせられます。話は聞かない、しょっちゅう誰かともめている、だから言ったでしょってことばかりする。けじめは必要だけどそういう子がダメだってことはないよなあとしみじみ考えさせられます。話を聞かなくてもいいとか、わがままでもいいとかいうことではなくて、“だからこの子はダメなんだ”ではなくその子のあり様を認めるということですね。ダメってことにしてしまったらその子が本当は持っていた能力もしぼませてしまいます。大人になった時どっちがどうかなんてわかりません。ただどちらにも共通していることは“集中していた”ということ。それがあるかないかは大きな違いになると思いました。その状態をつくるのが大人の仕事ですね。

2022年1月②アトリエ講師 星野由香

新年あけましておめでとうございます
皆さん楽しいお正月をおすごしになりましたでしょうか。今回のスケジュールは年末から3週間も空いたので子ども達に会えるのがとても楽しみです。
<自己肯定感の育ち> あなたはあなたのままでいい
年末にアトリエに長く通ってくださっているお母さんと「下の子もアトリエに通わせたいと」いうお話をしていた時にそのお母さんが「この子にも親以外の人に“どんな自分でいても認めてもらえる、そのままを受け入れられている”あなたはあなたのままでいいんだという体験をさせたい」とおっしゃってくださり、何かができるようになる能力よりもそのことを一番に考えてアトリエに通わせたいと思ってくださるアトリエの原点とも言えるお母さんの言葉を、年も終わる時に聞いて身の引き締まる思いがしました。アトリエは子ども達が成長できる環境は整えられているので、何が出来なくともそれさえ子ども達に伝わっていればなにかが変わる、今年も子ども達一人ひとりの心に沿い続けていきたいと思いました。

<とことんやらないと見えない世界がある> リミッターをはずせ!!
アトリエは楽しいところ、やりたいことをやりたいようにやるところではあるのですが、一つの作品を完成させるのがものすごく大変な時もあります。特に幼い子ども達はペース配分をしませんから、マラソンをスタートから全力疾走して走っているようなものですから、最後はへとへとのなってしまう時もあります。ですが、そこまでやり遂げて筆をおいたときの子ども達の達成感に満ちた表情は、やった人にしかわからない輝きに満ちています。とことんその活動に熱中し、あがらない腕を支えて描き続け、そこに出来た自分自身がつくりあげた作品を見た時の感動。そこまでやらないと見ることのできない世界がそこにあります。その世界はいくら口で語っても実際にやった人にしかわかりません。それまでの過程で見たもの感じたものその全てが子ども達の人生をつくっていきます。そこまでの景色を見るためには普通だったらこれで出来上がりというところの一歩先までやらないと見えません。普通だったらこのくらい、普通だったらこれでいい、という先にある世界を見せてあげたい、感じさせてあげたい。その為にはやはり本物の環境を用意することが必要です。子どもだましのような世界を用意しても子ども達は本気になることはできません。また強制的にやらされたのでは結果が出たときには嬉しいと思いますが、やらされているのと自らむかっていくのとでは天と地ほどに違います。そのことは脳科学の世界でも証明されていましたね。アトリエの子ども達がスケールの大きな子に育っていくのは、このような非日常の世界を何度も体験しているからなんだと思います。
親子クラスの子ども達も幼児クラスと同じことをすることがありますから、かなり体力も気力もつかうことをやっていて、ちょっと頑張らせすぎてしまったなあと思うこともあります。他の幼児教室の様子などをネットとかで見てみたら、知育教室のところでさえもまさに1歳向け、2歳向けのものすごく簡単な内容でされていて、逆にアトリエって難しいことをやっているんだなと実感しました。高度になりすぎないように気を付けつつ本物の環境を整えて、本年度もわくわく創造アトリエたるカリキュラムの考察をしてまいりたいと思います。
2022年、今年も子どもも大人もリミッターを外してアトリエ時間を楽しんでいきましょう!!

2022年1月①アトリエ講師 星野由香

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<今この瞬間の成長が子どもを変える>“絵本と積木と子ども達”
先週の積木は毎回のことですが、子ども達の想像する力、創造する力に圧倒される毎日でした。
特にこの時期の親子コピカの子ども達の成長は目覚ましく、絵画の時もそうでしたがやり遂げた後の達成感に満ちた表情が印象に残る1週間となりました。今年3歳になったNちゃんは、つくることが大好きなので大抵の活動は楽しんでやり遂げますが、今回の積木にむかう姿勢はこれまで見せてくれていた姿とは違っていました。素直に創造の世界に入り込んで、集中して物事にとりくめた後の爽快感が体中から感じられました。多分、本人にとってもこれまで感じたことのない感覚だったのではないでしょうか。表情がまるで違う。この子は今この瞬間に飛躍的な成長を遂げた、と感じました。
子ども達をみていると、“今この瞬間があったのとなかったのとでは、この先の成長が全然違う”という瞬間があります。そういう時間と空間をつくり出すことが、アトリエの一番の役割であり、私自身にとっても最も喜びを感じる時だとその姿を見た時にいつも思います。
どの子にもそういう瞬間をつくってあげたい、きっと子ども達はそれまでとは世界が違って見えているはずです。もちろん自分自身の姿も。Nちゃんのその姿をつくりだしたのは、アトリエでの積み重ねともうひとつ理由があります。それは絵本の読み聞かせ体験です。ほるぷ絵本館でおすすめしている絵本のセットをお母さんが購入されてから、Nちゃんの絵本を聞く姿も劇的に変わりました。今回の積木の活動と絵本の読み聞かせ、それからかずの木をご家庭に迎えられたことは全てつながっています。Nちゃんの絵本を聞く姿やかずの木で遊ぶ姿に喜びを感じたお母さんの気持ちも伝わっているのだと思います。子どもの成長は植物と同じで、日々の積み重ねが水やりとなり、ある日突然芽がでます。必ず、どの子も。その成長に素直に従い、無理せず不自然なことはせず、その子に応じて種をまき、水をあげて、日の光をあげて、時には木影をつくり、自然な成長を見守っていけば、必ず豊な実りとなる日がきます。親ができるのはそんな子ども達を援助(応援)することと環境をつくってあげること。
日常が一番子ども達に影響を与えます。ご家庭の環境づくりはとても大切ですね。

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<一度信じてやってみて> 卒業生のお母さんの言葉
先日、卒業生のお母さんにスーパーYAMADA(星野先生はYAMADA好き(笑))でばったりと会いました。在籍中はよく「先生、ほんまに先生の言う通りにしてるからね。それしかしてないけど、ほんっとに大丈夫?他のことなんもしてないで。本間に大丈夫やね」?」と何度も何度も聞かれました(笑)。
ほるぷ子ども図書館を全部揃えて、童具も必要なものは全て揃えて、アトリエも6年生まで通ってくれて、お子さんが6年生になった時、「先生の言う通りになったわ(笑)。」と言ってくれました。
(同じクラスだったお母さん達は誰のことかわかりますよね(笑)。)が、きのうお会いしてお話していたら、本当に確信したのは中学生になってからなんだそうです。

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小学生の時は読書家に育ち、心も優しい子になってそれはそれでいいと思っていたけど、中学になってから「これはアトリエのおかげ、これは積木のおかげ、これは本のおかげ」ということがたくさんあって、本当にそうなったと確信できるのだそうです。今のアトリエのお母さん達にそのことを話してあげていと言ってました。「大丈夫だから。1回信じて徹底してやってみて。絶対に大丈夫だから。」とあの頃の私にも言ってあげたいとおっしゃっていました。すぐに結果がでるわけじゃないから、ご自身も悩みながら、迷いながらやってきたから、その気持ちがわかるからこそ言ってあげたいのだそうです。子ども達自身が、そう言ってくれることもあります。
またいつか卒業生のお母さん達との座談会ができたらいいなあと思いました。

先日、アトリエのお母さんが、“小さいころから見ているアトリエの子ども達も、お母さん達もお父さん達もまるで親戚のようだ“とお話してくださり、もう何年も前に3人兄弟が卒業したお母さんが「アトリエは大きな家族」と言ってくれたことを思いだしました。本当にそうです。みんな一人ではありません。これからもみんなで子ども達の成長を見守っていきましょうね。そして、しんどい時、つらい時、心が折れそうなとき、大人同士も助け合っていきましょう。アトリエならではの答えが見つかるかもしれません。

2021年、大変お世話になりました。
来年もよろしくお願い致します。

2021年12月③アトリエ講師 星野由香

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【WAKU-BLOCKの魅力】 <世界一の積木>
先週のピカソの積木のコロシアムは素晴らしかったですね。ずっと以前からやりたかった2段の円筒ドームをピカソクラスの子ども達が実現してくれました。2段にするにはより正確に積んでいかないといけないので、立方体積木は積む前に全て小口面を上にしてから積みました。円筒をつくるまでは土台作りで実はそこからが本番。そおっと立方体を抜いてゆき、コロッセオのような窓をあけてゆきました。これができるのはWAKU-BLOCKならでは。そして加古川プレイルームのピカソクラスならではです。他の積木や積木に慣れていない子ども達には申し訳ないけれどできるとは思えません。ピカソクラスは最強です(笑)。

【こんな体験ができるのは世界でここだけ】
今でこそ穴をあけて入れる円筒ドームは定番になっていますが、はじめの頃は万里の長城みたいに2列にして積木の壁をつくるのが定番でした。それから円形にするようになり、ひょうたん型にしたり2連にしたり屋根をつけたり、常に進化し続けています。新たなアイディアをくれるのはいつの時代も子ども達の発想です。加古川プレイルームから生まれたこの2段円筒ドームはまだここでしかやっていませんので、この壮大な積木遊びを体験したのは世界でも加古川プレイルームの子ども達だけです。そう思うとアトリエも子ども達もすごいですよね。

【他の積木との違い】 <本物を選ぶなら童具館>
このところよくインスタグラムなどで積木の投稿を見ているのですが、写真で見ていてもワクブロックと他社の積木の違いがよくわかります。目視だけでこれだけ違うのですから、実際に手で触れると全く違うのだろうなあと思いました。また他社の積木ユーザーさんの投稿は大人がつくったやたらとおしゃれなものばかりがあげられているけれど、童具館ユーザーさんの投稿は子どもが作ったものを挙げている方が圧倒的に多いです。きっとこれはただ積木という物を買ったわけではないからだと思います。
この感覚は童具館の積木を選んだ人にしかわからないことですね。cohiru_kidsさんという方が童具館と他社の積木に違いいついてまとめていたのですが、それがものすごくわかりやすかったのでよかったらご覧になってください。ここまで違うのかということにまず驚いて、童具館の積木にしてよかったと思われると思います(笑)。

【積木の選び方】 <子どもに何を手渡したいか>
積木選びで最も大切なのは、もちろん基尺、品質、哲学、数学的要素などいろいろありますが何よりも重要なのは作り手がどれほどの思いでつくっているのかということだと思います。子どものあらゆる育ちにどれだけの思いをはせているのか、どれだけ学んでいるのか、どんな哲学をもっているのか。まずはそこからだと思います。そう思った時に、他社のまねばかりをしてオリジナルのないメーカーはいくら安くてもまずアウトですよね。それと積木メーカーでありながら積木について全く学んでいない会社も仕事に真剣であるとはいえないのかもしれません。積木の基本は間違いなく立方体です。かなり初歩的な知識だと思うのですが“基本の直方体の積み木”と銘打っているメーカーはたくさんあります。ただカプラのようにもともとが廃材を利用するところから生まれた直方体積木にはその哲学とオリジナルがあります。

【積木でよく遊ぶ理由、遊ばない理由】 <理由は以外とシンプル>
それと大切なのは積木を買ってそれで満足してしまわないこと。是非、生かしてください。私は世界一の積木を見ているだけでも子ども達に育つものがあると思うので、極端に言えば子どもの目届くところにおいておくだけでもいいと思いますが、そういうわけにもいきませんよね。お家に積木でよく遊ぶ子とそうでない子の違いはものすごくシンプルで、積木でよく遊ぶ子のお家には積木以外のおもちゃは殆どありません(笑)。あっても家族がいる部屋の積木をおいて、他のおもちゃは違う部屋においているかしまってあります。これは大きな違いです。積木遊びをよくしている子の投稿をご覧になられると環境づくりのヒントになりますよ。それと平たく並べておくこと。かずの木もそうしてください。積んでおいてあるのと並べてあるのとではこれほど違うのかというくらい違います。それからもうひとつ大切なことは講座に来てお母さんも遊んでみてください。引き出しをたくさん持っているとお子さんと遊んでいる時もアイディアが湧いてきます。

是非、この冬休み、童具環境を整えて積木遊びを楽しんでください。

2021年12月① アトリエ講師 星野由香

先週の土日は、童具館の伊勢丹新宿店限定ショップのお手伝いに行ってきました。
インスタをフォローしてくださっている方がたくさん会いに来てくださり、やっぱり加古川プレイルームってすごいなあと感激です。伊勢丹外商の顧客さんを中心に接客をしながら何人もの方にかずの木について語っていると私も改めてかずの木のすごさを再確認し、ほんとにすごい積木なんだなあと実感しました。以前にご紹介させて頂いたインスタグラムの(@su_san_monte)もこの度ご購入され、
インスタグラムにお子さんの遊んでいる様子やご購入の決め手、ミックスにした理由などを詳しく書かれていたので、是非ご覧になってください。

また、土曜日にお子さんと遊びに来たお父さんが私のかずの木の説明に共感して下さり、ミックスセットを買ってくださったのですが、後で聞くと某有名私立大学の先生で数学の専門家の方でした。そんな方に数学について語ってしまい冷や汗がでましたが、専門家を納得させるかずの木はやはりすごい、和久先生のつくるものはやはり本物であると思いました。もう今年の在庫がなくなりそうなので迷い中の方はお早目にお申込み下さいね。ウッドショックの関係もありおそらく値上がりは必須です。
23日に今年最後のかずの木の講座を10時半から行いますので、ご参加を希望される方はお申込みくださいね。(3,300円)

東京で就職をした卒業生も会いに来てくれて6年ぶりくらいに話をしましたが、私の顔を見ての第一声が「先生、俺、普通になってもたあ。小さなってもた。もっと破天荒になりたかったのに。」(笑)。確かに彼は、子どものころからしゃべりが上手くて意思が強く一味違う子だったので、なんかやるだろうなあと思っていましたが、早稲田大学の理工学部を出て誰でも知っている大きな会社のエリートサラリーマンになっているから十分だと思うのですが、彼の予定ではもっとおもしろい生き方をしたかったみたいです。今も仕事を一生懸命やりながら人生を模索中という感じでした。24歳の彼に「今、子育て中のお母さん達に伝えてあげたいことある?」って聞いたら、「自分は学校の成績が全てという狭い世界で中学高校の大切な時期を6年間も過ごしたから知らない間に人間が小さくなってしまったと思う。そしてそれに気が付かなかった。だから、勉強で勝てても人間力で負ける。経験が違う。中高の大事な時期を勉強だけに費やすよりも、人間を磨いた方がいい。のびのび過ごしてきた人達には人間としての余裕がある。」と言っていました。そう自己分析して考えられることがすでにすごいと思うのですが、今の自分にまだまだ納得しておらずこれからまた新たな人生を構築していくのだろうと思いました。

同じ中高に進んだアトリエの卒業生が同学年にもう一人いて、二人とも高校2までは、落ちこぼれ組だったそうですが、3年で巻き返し、もう一人は生徒会長になって東大の英文科に進学したと聞いています。二人とも学校ではかなり目立つ存在だったと彼らの後輩になった卒業生たちから聞きました。どんな分野に進んでもアトリエの子達は面白い。魅力的に育っているなあと思いました。


童具館アトリエの卒業生である甥っ子も今年中3で受験生。(180㎝になっていてびっくり)学校の美術の宿題で著名人のことをまとめるというのがあり建造物の好きな甥っ子は安藤忠雄について書いていました。その中で安藤忠雄の言葉“たとえ負けても、次があるならば、そこに可能性を求めたい。許される限り前へ進んでいきたい。”に対して
「この言葉は私の人生観に大きな影響を与えました。これは単なる七転八起とは異なる意味を持っていると感じています。 ―努力を重ね、新たな可能性に挑戦する― 安藤氏が追い求めてきた、構想力、実行力を支えている概念かもしれません。私が努力している限り、この言葉は原動力となり心を照らし続けます」 「―挑戦― 安藤さんは人生において、“挑戦”を体現しています。挑戦はあらゆるものを生み出すきっかけです。乗り切る方法は後でいい、先に考えていたら面白いものなんてできない。という姿勢が、常識の存在を打ち消す発想につながっているのだと思います。」「安藤忠雄氏にとって“住まう”という最も根源的な営みを受け止める住宅こそが、建築の原点です。その作品の展開の中で、打ちっぱなしのコンクリート、幾何学的造形、自然との共生に象徴されるのが、安藤建築の原型と言えます。初期の代表作から近年の圧倒的スケールの海外作品まで、住まいを通じて建築とは何かを問う、安藤忠雄の挑戦は今もなお続いています。」
と書いていて、甥っ子の人生のテーマは挑戦なんだなと思いました。この文章にかなり刺激を受けました。今の私は完全に中3の甥っ子に志で負けています。今度会った時は逆に刺激を与えられるような挑戦をこれからも続けていきたいと思いました。


2021年11月③ アトリエ講師 星野由香

先週の活動は球をテーマにいろんなボールを転がして遊びました。はじめに主役のママボール。海綿+状の素材です。それからピンポン玉。中に空気が入っている素材。それから密度の高いゴルフボールや木球やスーパーボール,ビー玉を転がして3つの素材を楽しんでから最後はみんなの大好きなビーズでとことん遊びました。有孔ボードにダボを打つ活動も楽しみました。子ども達がどの子も好んですることには必ず意味があります。その年齢ごとに興味を強く示すことは、その年齢にとって必要なことだからです。とことんやらせてあげましょうね。

lineでもお伝えしましたが、今週を最後に畑先生が産休に入ります。12月に出産予定です。できる範囲でこれからも来てもらいますので、もうお別れというわけではありませんが一旦、産休という形をとらせていただきます。また、会える日を楽しみに見送ってあげてください。アトリエに来てくれて8年目、共にたくさんの子ども達と出会い卒業していくまでの日々を見守ってきました。ストレスを感じている子どもの様子に気づいた時、心が深く傷ついている状態を感じた時、どう彼らの心に寄り添っていくのかを考え続けてきました。加古川プレイルームにしかない3年生以上のピカソクラスのカリキュラムをどうするのかも、毎日のように考え続けていたのではないかと思います。生活のほぼ全てをアトリエに捧げてくれたこと、感謝してもしきれません。自分の好きなことを仕事にできたと言ってくれた時はとても嬉しかったです。畑先生は勉強したい、自分を磨きたいという意識が高く持っている人で、アトリエや童具のことはもちろん、入社してからすぐにほるぷ子ども図書館の絵本を全部買って、絵本の勉強もコツコツと重ね、児童書もたくさん読んで、いつしかかなりのスペシャリストになりました。今では、絵本の読み聞かせに関しての殆どの質問に答えられると思います。(私と畑先生の2番めに好きな児童書は多分同じです。畑先生の一番はおそらくコロボックル。私の一番は長靴下のピッピ。)素直に思いを継続していく力のすごさを畑先生から教えられました。畑先生は私が出会ってきた誰よりも素直な人です。素直であることは、人間を成長させて、自分も周りの人も幸せにする生き方ができるのだと畑先生が気づかせてくれました。赤ちゃんが出来たと聞いた時は、すごく嬉しいのと心配で心配で仕方ないのとで、ほかのことが手につかないくらいでした。もうすぐ臨月を迎えほっとしています。生まれてくるのがとても楽しみです。これまで彼女の優しさ、正直さにどれほど支えられてきたかわかりません。畑先生がいたからこその私がいました。だから必ずパワーアップして帰ってきてもらいます。あんまり大げさに書くと嫌がりますからこの辺にしておきます(笑)。ピカソクラスはみんなで写真を撮りたいので、活動後にお母さん達もお集りくださいね。赤ちゃんが生まれて落ち着いたら見せに来てもらいましょうね。

2021年11月① アトリエ講師 星野由香

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<目に見えないけどあるんです> 球の点線面
先週の幼小コピカは、ママボール玉入れで遊んでから、毛糸を巻いて分割されたボールの表面を部屋ごとに着色して球体オブジェをつくりました。最後に球にある線を感じ取ってもらう為に、手に絵具をつけ手のなかで転がして仕上げています。子どもがやると何でもアートになりますね。

<アトリエ秘伝 最強の配合> 子ども達の挑戦→発見→試行錯誤
それから外に出てシャボン玉。まずは基本のシャボン玉で楽しんだ後に、20年の実践から生まれた秘伝の調合でつくったシャボン液で、大きなシャボン玉をつくりました。絵具を混ぜてシャボン玉アートを作成したり、ざるや泡だて器など家事用品をつかってやってみたり、フラフープでつくったシャボン玉の中に入ったり、色々やってきましたが、自由にできて自分で表現できるこのやり方が一番楽しい。あるお母さんのインスタにシャボン玉をしている時のわが子のことを、“大はしゃぎの中に真剣な眼差しや、きれいな輝きに感動している瞳、どうしたらもっと大きく作れるか試行錯誤する姿。周りのお友達や先生を観察して真似する姿楽しみながら体得していき、最後はすっかりシャボン玉名人に。嬉しそうでした。”と私の言いたいことがそのまま書いてあり、一瞬、私が書いたのかとおもいました(笑)。子ども達の「先生、見とってよ!!」の声があちこちに響く時は、子ども達の挑戦、発見、試行錯誤が始まる時。そこからのプロセスも大切です。「お母さん、みとってよ。」の声が聞こえた時がチャンス、とるにたらないことに思えても、子ども達が喜んだことはお家でも深めていってくださいね。

1:2:2:14
グリセリン:界面活性剤入り洗剤(キュキュット):PVA洗濯のり:水

でできます。いっぺんにたくさんつくりすぎると混ざらないので、
合計1リットルくらいを目安にバケツなどにいれて、泡立たないようにへら状のものでゆっくりかき混ぜてください。枠は、針金(硬め)でつくり包帯を巻くと馴染みがいいです。

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<子ども達の宇宙> 好きの力を大切に そこからしかはじまりません
シャボン玉は強い風が吹くと変形しますが、穏やかな時は自然と美しい球体にもどります。どんな形の枠でつくっても必ず球体になる不思議。理由はわからないけれど物凄く濃い虹色ができたりレースのような霞ができたり。シャボン玉もとことん突き詰めればそこから宇宙が見えてくる。まずは興味を持つこと、そこから始まる子ども達の宇宙を是非、楽しませてあげてください。幼い時に無我夢中になってやりたいことをやり続けた体験や、やりたいことを深めていくことのできる環境に出会えないと、大人になって自分のやりたいことが見つけられません。なにが自分の魂を充足させてくれるのか、その体験がなければわからないからだと思います。子ども達の好きの力、大切にしていきたいですね。

2021年10月③ アトリエ講師 星野由香

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※第2駐車場のご利用にご協力頂きありがとうございます。

<かずの木の魅力>構成遊び
先週はピカソクラスは作品作りの前にかずの木で遊びました。10は1本、1から9は2本ずつにするとちょうど100になるのでアトリエではこのセットを作って遊ぶことが多いです。(お家でも巾着袋などに入れてそのセットだけで遊んでもいいと思います。)はじめはなんらかの法則をつくって構成遊びをしてもらいました。ピカソクラスの子達はこういうのは楽勝ですね。次々に思いつくデザイン。この感性をそのままもって大人になってもらいたい。みんなとても素敵でした。

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<かずの木パズル> 大人もハマります
その後は全員のを真ん中に集めてちょうど100の入るトレイを持って「よ~いドンっ」でパズル遊び。なのですが、それではピカソクラスには簡単すぎるので1・2・3の小さい数を減らしました。例えば2.4をとって変わりに6を入れる。みたいな感じで大きい数に交換してからはじめると難易度が超アップ。かなり難しいパズルができてやりごたえがありました。アトリエの子達はこういう遊びが好きな子が多くすぐはまってくれます。終わってからもやっている子もたくさんいましたね。大人がやってもやりごたえがある遊びでした。

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この前週は、別紙の「ピンボードの遊び」を読み上げて指示通りの位置にビーズを入れる遊びをしました。集中力と聞く力と図形能力が必要な遊びです。ピカソクラスでは毎年1回はやっていて、大抵、半分以上の子はできるのですが、今回は驚くべきことにどのクラスも出来たのが一人か二人。ちょっと心配になりました。もともとこういうのが苦手なタイプの子もいますが、例年と比べて極端に聞く力と集中力が低下してきているのではないかと思います。これまでと違うことと言えばやはりコロナでしょうか。常に話している相手の口元が見えないこと、YouTube視聴の時間が増えたこと、いろんな原因が考えられます。これが出来た子達は、お家にかずの木があるということもあるのですが、かずの木のパズルも出来ていた子が多いです。

それと、読書家の子達。ほるぷ子ども図書館をご家庭に揃えていて幼いころに良書の読み聞かせをしっかりしてもらった子、YouTubeなどのをあまり見ていないという共通点がありました。はっきりとした原因はわかりませんが、おそらくコロナ禍の教育弊害であるように感じて不安です。他にもあるだろうし、これからも出てくるでしょうね。かずの木のパズルは私がてこずったものや出来なかったものも、さらっとやってしまったりする子もたくさんいて、そこは変わりなくてやっぱりこの子達はすごいと安心したのですが、(ちなみに山下先生は迷い時間3秒くらいでできていました。恐るべし82歳(笑)。)だとするとやはり聞く力の低下なのかなあと危惧しています。特に3年生以上になると読み聞かせをしているご家庭は少ないですから、乳児期、幼児期の読み聞かせの質と量がこの時期の読解力・言語能力、語彙力に影響してきます。そしてこの力を育てる最初の力は聞く力です。今回のピカソクラスの子ども達の様子を目にして、やはり幼い時期の読み聞かせの質と量が重要であることを思いました。今、大人になっている開校当時の子ども達と比べたら読み聞かせの量がものすごく少なくなっていることを感じています。山下先生がいる時と比べたら絵本のお話をする機会も少なくなっているので私自身の反省でもあります。絵本も積木と同じで絵本ならなんでも良いというわけではありません。数があればいいというわけでもありません。絵本も本物であること、それと文学性があることが必須条件です。絵本ではなく幼子のための文学。それを選ぶのは非常に難しく、自分で選べるという人はまずいません。たくさん絵本を読んであげたのに読書につながらないという場合は選書に問題があることが多いです。字が読めることと本が読めることは違うということ。また絵本についてのお話もさせていただく機会があればと思います。ご興味のある方は個人的に聞いてくださいね。

以前に書いた「ほるぷ子ども図書館でそだった子ども達」という文章を書き直している途中です。仕上がりましたら希望者にお渡ししますね。ほるぷ絵本館の読書につながっていく読み聞かせをしてみたいという方は、星野までお声かけください。少々辛口なのでそちらをご了承頂いたうえでお読みくださいね(笑)。

※かずのきのミックスセットのご注文を、続々と頂いております。アトリエはすでにカラーのフルセットをお持ちの方が多く、白木の美しさも捨てがたいと思っていた方がほとんどなので、白木のハーフセットが大人気になっています。台数も少ないのでお早目にお申込みください。

2021年10月① アトリエ講師 星野由香
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◆お知らせ
9月28日 かずの木講座 大人コペルを行います。
定員4名、お家にかずの木がある方はZOOMでご参加ください。
ZOOM参加4名定員4名 参加費3,300円 託児1,650円
定員が少ないので10月1日に予備日を予定しております。多い場合はそちらをご利用ください。

<墨の転写 どうやってつくったの?>
アトリエでは3年生以上になると、自動的にピカソクラスにあがっていくのですが、前々回のピカソクラスでは、まるでミロのようなかっこいい作品が仕上がりました。あるお母さんが「この絵、抱きしめたくなるくらい好き」と言ってくださり、自分の作品をそう言ってもらえる子の喜びはひとしおであろうと思いました。これは点線面をテーマにロープにすみをつけて曲線で形をつくり和紙に転写して、そこにできた空間をリキテックスで着色しているのですが、実はこれ、簡単にはできないんです。このとおりにやろうとしてもやり方はわからないと思います。そのお母さんもご自身が制作をされるのでそのことをわかって下さり、「そもそもどうやって、どんな状態でロープに墨をつけたのか?」「どうしてこんなにきれいにロープの形が転写されたのか?」「他のところに墨が落ちないのはどうしてなのか?」などの“まさにそこなんです!!”という質問をしてくれて最終的には「なるほど~っ、だからこんな風にできるんですね。すごい!!」とおっしゃってくださり、何回も試作をして、ここに至るまでのスタッフの試行錯誤がわかっていただけたことがとても嬉しかったです。

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<アトリエカリキュラムは子ども達とつくりあげた文化財産>
特にアトリエは子ども達自身がやりますから、子どもが自分でできるやり方を考えないといけません。毎回、先生達は家でもきっとカリキュラムのことを考えているのだろうと思います。仕事の時間だけ考えていてもこういうことは思いつきません。アトリエカリキュラムは子ども達とつくりあげてきた創造共育の財産です。たとえ真似をしたとしてもアトリエのベースにあるものを理解していないと違うことになります。形のテーマがあり(形体分類)、遊びの形式があり、遊びの種類、造形活動の種類があり、それぞれに適した素材、道具、童具があり、それぞれの年齢に適したあり方があり、全てはフレーベルの恩物に基づいて秩序化され整理されていて、アトリエカリキュラムがそこから外れることはありません。おそらく学ばずして体験せずして真似することは不可能です。そして最も重要なことはその全てにつながりがあることです。(詳しくは遊びの創造共育法①P154~をお読みください)。1回目の活動と2回目の活動はもちろん、1年を通してつながるようにできています。

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<試行錯誤することの大切さ>子どもはわかる
加古川プレイルームだけでも20年間分のカリキュラムがありますから、5年サイクルくらいでそれをそのまま活用しても実は何の問題もないのです。そうした方が効率もよく、試行錯誤の時間を一般企業なら経営活動や営業活動のあてることができ、材料もまとめて買うことが出来て経営的にはそれが正解だと思います。もしコンサルタントさんがアトリエをみたら無駄だらけ(笑)って思われるのではないかと思います。それでも毎回こうして新しいことを考え続けるのは、人間が試行錯誤を通して自らを成長させていくというのは大人も同じだからです。創造力は試行錯誤することで育ちます。そして試行錯誤するにはどうしてもその時間が必要です。それがないと活動に瑞々しさがなくなります。自らがつくりあげたカリキュラムへの思いを子ども達に伝えることができません。それは絶対、子どもに伝わるんです。子どもはわかります。和久先生から子ども達と創造活動をするアトリエなんだから、講師も常に創造的であらねばならない、ということを言われ続けてきました。

<子ども達との信頼関係> 創造活動が育てる力
どこのアトリエ講師もアトリエの秩序に沿いながら常に新しいことを模索することが当たり前になっています。かなりの試行錯誤をくりかえして毎回の活動にむかっています。だからこそ子ども達が楽しんでいる姿、集中している姿、発見する姿に真の喜びを感じられるのだと思います。それが相乗効果となり子ども達との信頼関係がつくられていきます。ですが、いくら試作してもやるのは子ども達。実際に子ども達とするまではどうなるのかがわからず、子ども達とやってみて、やりながら変更することもしばしば。まさに子ども達と活動をつくりあげています。クラスや子ども達の様子によって変えている時もあります。試作を繰り返して試行錯誤をしているからどんな状況にも対応できるのだと思います。そういうカリキュラムで創造活動を毎回、繰り返しているのですから、それが子ども達に身についていないわけがありません。2歳から6年生まで通っている場合は10年間。子ども達の中に育つものの深さを思います。

2021年9月③ アトリエ講師 星野由香
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◆駐車場についてのお願い
*混雑時は第二駐車場の積極的なご利用をお願い致します。
*用水路等におりているお子さんから目を離さないようにお願い致します。

<9月1回目の活動 点線面 点描版画の作成 >
先週のアトリエは、絵本「てんてんむし」OR「てん」を読んでから、はじめに机を斜めにして積木を貼り付けコリントゲームをして遊びました。その後の個人作品は、色画用紙を5枚選んで手で破って白の画用紙に張り付けて、エアパッキンにローラーで絵具を塗って2色刷りの版画を作成しています。版画はインクの付き具合や2版めのずれ方や刷る時の微妙な力具合で全く雰囲気の違う作品になるのでとても面白いです。版から紙を外すときに現れた規則的なドット柄。その画面を見た瞬間の「うわあ~っ」という子ども達の表情。とてもいい顔をするんですよね。毎回、見とれて写真を撮り忘れます(笑)。

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<子どもはみんなアーティスト 子ども達は自然と調和をとっている>
私が今回面白かったのは余った時間に余った絵具で作成した抽象画。ローラー遊びは子ども達の大好きな遊びなので、版画の量だけでは物足りませんから、全員の作品が出来た後に大きな紙を用意して自由にローラーで着色しました。絵具は途中から子ども達に言われた色を補充。最後は遊び用に用意しておいたエアパッキン(プチプチ)を巻いたローラーで仕上げました。子ども達がやっているところを見ていると、時々お友達とふざけたり、ローラーをぶつけあって遊んだり、ただただ適当に塗って楽しんでいるようにしか見えないのですが、最終的に殆どのクラスがまとまった作品に仕上げてしまうから不思議なんですよね。しかもクラスごとに作風が違います。あんなに自由にしているのになぜこんなにかっこよくできるのか、ほんとに不思議で、子ども達が自然と調和をとっているとしか思えませんでした。多分、本当にそうなのではないかと長年の経験から最近は確信しています。争うことよりも調和を求める(平和を求める)ことが人間の本質であることを、子ども達の姿に学び、願います。

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<ピンボードの聞き取り遊び紹介>
先週何クラスかで行ったピンボードの聞き取り遊び。私がいろんな言い方でしめした場所に指定された色のビーズを入れる遊びです。例えば「真ん中に赤」「ひとつ飛ばして上に青」「左のとなりにオレンジ」「赤と青の間に緑」「1時のところに紫」のような感じです。こういうのって子ども達は嫌がりそうに思いますが、意外にも子ども達は「問題出して!」とこういう遊びを好みます。静かに聞いていないとわからなくなるのでみんな真剣。間違わずにおけたらすごく喜びます。そしてなぜかいつもより自慢気(笑)。難しすぎても簡単すぎてもおもしろくなくなるので、ちょっと難しいくらいにするのがコツ。視覚情報ではなく耳からだけの情報で位置を間違わずに入れるのは幼い子ども達にとっては簡単ではありませんが、だからこその楽しさがあるのだろうと思います。言葉の力は耳から養われます。普段先生のお話を聞けないタイプの子も、聞いていないとできないのでしっかり耳をこちらに傾けて聞いていました。これも遊びでやっているから。聞く力と読解力(聞く力と読解力は大抵の場合イコールです。)、図形能力、集中力を養う遊び、是非、お家でも楽しんでやってみてください。また、例文をつくってお渡ししますね。

2021年9月②アトリエ講師 星野由香
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◎お知らせ
新型コロナウイルス感染者数の増加を鑑みて感染リスクを避けるため、1クラス10名(ピカソ8名)を超える場合は振替えをお断りいたしますのでご了承ください。
2月3月に振替日をご用意致しておりますので、そちらをご利用ください。
※運動会等で日程が予めわかっている場合は、お早目にご連絡ください。


子ども達の夏が終わりましたね。今年はコロナのうえに雨が多く子ども達はエネルギーを発散しそこねたのではないかと危惧しますが、大人の心配をよそにどんな状況にあっても隙間の時間、隙間の空間で楽しみを見出す子ども達をたくましく思います。“遊びたい”という気持ちが本能としてあるからこそ、遊ぶことに対して子ども達はこんなにも貪欲なのでしょうね。そして本能にくみこまれているということは、人の成長にとって遊ぶことが必要だから。だからこそ子どもの遊び環境を整えるということに対して真剣であってほしいと願います。

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今年の夏の後半はアトリエのお父さんが先生をしている大学で保育士を目指している学生さんたちと5日間の創造共育集中講座を行いました。この年齢の学生さん達と接するのは久しぶりのことです。
「最近の若いもんは・・・」という言葉の歴史は非常に古く、哲学者ソクラテスの弟子であったプラトンの書にもその言葉がでてきますが、私もその例にもれず「初動が遅い」とか「質問が少ない」「レポートがかけていない」など1年半後にはこの子達が現場に行くのかと思うとはじめは色々思うわけです。でも5日間毎日同じメンバーと過ごすうちに、全員の顔と名前を憶えてしまい、仲のいいグループの特徴とかそれぞれのキャラとかがわかってきて、それぞれのグループの個性が面白く、どの学生さんにも光るところがあるのがだんだん見えてきました。最近これは私の特技かもしれないと思います(笑)。そう思って小学生の時に書いた作文を読んでみたら、「私の長所はどんな子でもいいところを見つけられるところです。」と書いてあって、その頃からそういうことを思っていたのかと笑ってしまいました。短所は「忘れ物が多い、気が短い」でこれも今とかわりません。
最後の講義の日に、4,5人のグループになって、8個の立方体でお話をつくりみんなの前で発表してもらいました。フレーベル教育において、実はこれはとても大事な活動なので、もっと早くにしようと思っていたのですが、学生さん達のそれまでの様子を見ていてこれはやりたがらないだろうって思ってしまっていたのです。こういうのって得意な人もいますが大抵の人にとっては、ものすごく緊張するし恥ずかしいものです。18,9歳ならなおさらでしょう。どんな感じになるだろうと少し不安になりつつも見ていたら、お話づくりの時からどのグループも楽しそうで、一番盛り上がったといってもいいくらい学生達がいきいきしていました。お話の出来もさることながら、どのグループの子達も発表者の立場を思い、その場が盛り上がるような雰囲気をつくったり、言葉が詰まってしまって固まった人がいてもその人が恥ずかしくならないように助けたり、参加者全員が一人残らず思いやりのある態度をとっていてその姿に本当に感動しました。それって当たり前のようで簡単にできることではないと思うんです。子どもと接することを仕事にする人たちにはこれだけは持っていてほしいという資質をもってくれていることをとても嬉しく思いました。何があってもなくともまずはそこから。優しさはどんな仕事をするにしても一番に持っていてほしい心です。レイチェルカーソンの言い回しを借りれば「優秀であることは、優しくあることの半分も重要ではない」と思いました。
私もアトリエの先生をやることを決めた時、“この先生は自分のことが大好きなんだ。どんな自分であってもこの先生は自分のことを嫌いにならない”と子ども達が思えるような先生でありたい、親以外にそういう大人の存在がいてくれたら、どんなにか心を救われるだろう、心の励みになるだろう、だから何ができなくてもそれだけはやろうと決意していていたその時の気持ちを学生さん達がまた思いださせてくれました。そして一番伝えたかった思い“みんな違ってみんないい”、みんな違っていて、みんなそれでいいんだということ。だから子ども達のこともひとりひとり、まずは受け入れることから始めてほしいという思いは、学生さん達のレポートを読むとしっかり伝わっていました。

今週は形のテーマに戻り点線面をテーマに点描の版画をします。楽しみにお待ちください。

2021年9月① アトリエ講師 星野由香
雨が続いて涼しくなり今年の夏は短く感じますね。心なしかセミの声も例年と比べて静かな感じがします。先日、素数セミのことが書かれた本を読みました。17年間土の中で過ごし限られた範囲に17年に1回、50億匹もの大量発生で地表にでてくるセミがいるそうです。その年はうるさくて電話も出来ず、庭の木がひと夏でなくなったりするくらいなのだそうです。例えば15年セミと18年セミなど違う年数のセミが一緒に発生して交雑するとその子供は、あるものは16年後あるものは17年後に出てきてしまい仲間と出会えず、子孫を残せないまま数を減らし、その繰り返しでやがてどちらも絶滅してしまうそうです。ですが素数である17年セミは、どの年数のセミとも最小公倍数が250以上。ですから15年セミ、16年セミ、18年セミと同時発生するのは255年、272年、306年に1回ということになります。気の遠くなるような歴史の中で、素数セミは数を増やし生き残ってきました。今年?もアメリカでは17年セミが発生しているそうです。(アトリエでは取り扱っていませんが、詳しくは素数セミの謎をお読みください。3年生くらいから読めます。)こうして自然界では奇跡としか思えないような生き物達の営みがあります。人間も壮大な歴史の中で生き残ってきました。そんな風に思うとほんっとに今この瞬間の生を思いっきり生きたい、生きさせてあげたいと思いますね。これからどうなるのか誰にもわからないのに、今を犠牲にするのはもったいない。ツールドフランス覇者のグレック・レモンがガイヤシンフォニーの中で言っていましたが、時に大自然に身をおく時間を持つと本質に立ち返るきっかけになるそうです。人間は無理をしてでもそういう時間を持つ必要がある、子育てに迷った時は大自然に行ってみるのもいいかもしれません。
先日、素数セミのことを虫好きの1年生の子と少し話ました。アトリエの虫好きの子たちは好きどころのレベルではないので17年セミのことは知っています。(さすが)でもまだ1年生だと素数セミであることはわかりません。ですが好きこそものので、おそらく掛け算割り算を学ぶ頃になれば、素数セミと呼ばれる理由、生き残った理由、大量発生の謎などが理解できるようになると思います。虫から数学へ、それはやがて一つの宇宙となります。私が虫の種類がわからなくて写真を見せてその子に聞いた時、沖縄の虫・カメムシ・虹色・点があることからナナホシキンカメムシであることに推測からいきつきました。情報と情報がつながって答えにいきついたんですね。これから学名を理解するために英語も学ぶかもしれません、漢字も虫のことなら覚えるかもしれません。虫をよく知るためにはもちろん科学を学ぶ必要もでてきます。きっかけは“虫が好き”から、子ども達の世界はどんどん広がり深まっていきます。そんな風に世界がつくれたら素敵ですね。好きなことはもちろん集中しますから集中力も身に付きます。ただ環境がなければ広げることも深めることもできませんから、環境を用意してあげることは必要です。一度しかない子ども時代を誰も返してあげることはできません。毎日思いっきり遊んで「明日何して遊ぼう!」そう考えてぐっすりねむりにつける、遊びは学び、残り少ない夏、思いっきり駆け抜けさせてあげましょうね。

2021年8月③ アトリエ講師 星野由香
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<多様と統一>
―限られたものから多様性を見つけ出すー
先週の活動は、正三角形をテーマに三角錐のオブジェをつくりました。親子・幼児コピカでは作品を作る前に正六角形のミニパズル遊びをしたのですが、面白かったのは、その前の見立て遊びで、わずか5種類くらいのパーツの見立て遊びで幼児クラスの子ども達が盛り上がったこと。(アトリエでは大抵の場合、はじめは見立て遊びを行いパターン遊びや認識探求活動に移行しています。)限られた形でこれだけの種類が出来る!ということが面白かったようです。こういうことで盛り上がれる子ども達っていいですよね。今の時代は、なんでもクリックするだけで一つの答えをすぐ導き出せてしまう、すぐの便利なものが揃う、それが当たり前の生活になっていますから、こうした限られたものであらゆる多様性を導き出す遊びはとても重要であると思いました。

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<環境づくりが大切です>本物で遊び、本物に学ぶ
それから全24種類のパズルに挑戦。図形遊びも含め、アトリエではよくこういう遊びをするので当たり前のように思いますが、環境がなければ1歳や2歳で正確な六角形を目にすることや、自分で形体を組み合わせて六角形を作ってみる体験は普通はないですよね。小学生になって図形を習うときにはじめて意識するという子も少なくないと思います。
不思議なのは1歳のお子さんでもピッタリ入るととても嬉しそうな表情を見せてくれること。子どもが本質的にこういう遊びを好むことは20年の経験でわかってはいるけれど、“この形をこのボードにピッタリと入れる遊びをしている”と1歳児がちゃんと理解しているということも驚きです。2歳さんに至っては、難しい組み合わせと簡単な組み合わせをなんとなくわかってたことも驚きでした。正三角形・平行四辺形・等脚台形・直角不等辺三角形・鈍角二等辺三角形の5種類で24通りの組み合わせができます。入会時にお求め頂いている遊びの創造共育法⑥のP24P25に全組み合わせの表がありますので、お家でやってみてください。アトリエでは、できれば集団用の六角モザイクをおすすめしていますが、ケルンモザイク六角ミックスセットも全ての形が適量に入っているのでおすすめです。
今、ペイペイキャンペーンで期間中5000円上限で20%戻ってきます。会員価格で5%引きプラス1,000円引きになるので、是非8月中にお求めくださいね。絵本も5,000円購入で1,000円引になりますよ(一人1回)。

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<真摯な大人の態度と姿勢>子どもを信頼して手渡すことが大切
作品づくりではスチロールカッターをつかってスチレンペーパーをカットして着色し、正三角形のオブジェをつくりました。スチロールカッターは熱で焼いて切るので正しく使わなければ危険な道具でもあります。和久先生もYouTubeで言っていましたが、危険だからと言っていつも取り除いてしまうと、危険にたいしての抵抗力がなくなってしまい、危険な時の瞬時な判断力が身に付きません。これは指導者も同じで自身に体験がなければ、どの程度の危険で、どの年齢の子ども達が対応できるのかがわからなかったり、発達年齢はあっても子どもそれぞれ、時々で違う行動をとることを甘く考えてしまうこともあります。お互いに体験なのだと思います。こういう時は子ども達の心を落ち着いた状態にしてから、子ども扱いをせずに真摯な態度で使い方と危険性を伝えれば、子ども達の心に必ず伝わります。今回もふざけてやる子は一人もいませんでした。脅かしたり、怖がらせたりして気を付けさせるのではなく、大人の真摯な態度、自分たちを子ども扱いしていない姿勢がお互いの信頼関係を生み出し、子ども達が答えをくれるのだと思います。どんなことに対しても言えることなのかもしれませんね。
8月中は楽しい活動が続きます。体調には気を付けて、元気に参加してください。子ども時代は1回しかありません。夏は一番子ども達が輝く季節。子どもの時間は子どものもの、子どもの人生は子どものもの。こんな子どもに育てようとするのではなく、どんな子に育っていくのか、どう育ちたいのかを応援してあげたいですね。大人になって思い返した時に、楽しくて楽しくて仕方なかった思い出として残るように、短い夏を思いっきり楽しませてあげましょう!!

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アトリエからの注意事項
※駐車場は大変危険です。このところ危ない場面が何回かありました。駐車場に子どもだけで出ないように、また子どもから目を離さないようにお願い致します。

※駐車が苦手な方は、第2駐車場もありますので混雑時はそちらもご利用いただけます。

※用水路の板を動かしたり、田んぼをさわったりすると農家の方に大変なご迷惑をおかけします。子ども達は言い聞かせていても、遊びだすと悪気なく興味で動かしたり、入ってしまったりしてしまうので、保護者が管理してくださいます様、お願い致します。


2021年8月① アトリエ講師 星野由香
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<積木の基本はケルンブロック>“子どもは本来図形好き”=やってみよう!!色んな三角づくり
先週は導入活動でケルンブロックを立方体4個、直角二等辺三角柱8個に組み替えて写真のようにいろんな三角をつくって遊びました。年齢の大きな子達は4つの大きさが違う三角形(ネズミさんのお家、ネコ、犬、ゾウさんに例えると喜びます。)、全部の積木で一つの三角形(みんなが入れるお家)、4つの同じ大きさの三角、二つの同じ大きさの三角、全部できた人は、全部をつかって正方形・・・・と問題形式にして遊びました。「次は何?もっと問題出して!」とたいていの子ども達がはまっていました。卓上で遊べるケルンブロックが望ましいですが、45ミリの積木でも同じことが出来ますので、是非、お家でやってみてください。アトリエの子達のこういう姿をしていると子どもは本来図形が好きなんだなあと思わされます。(興味を示していないときは、見立て遊びで楽しんでくださいね。)

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<8個の三角> “よく遊びます”
その後で、加古川プレイルームから始まり大ヒットしている三角を8個つなげた積木で遊びました。動きが面白く色んな形が出来て大抵の子はハマりますね。アトリエで税込2,750円(表付き)で販売していますので、欲しい方は藤本先生までお伝えください。親子クラスは8個の三角で遊んでから、8個の三角を着色してオリジナルをつくりました。

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<山脈づくりとビーズの川>
幼小クラスはみんなで山脈をつくったのですが、面白かったのは、大抵の子ども達が立方体だけで積むのを好んだこと。ピッタリとはまる感覚が心地良いのでしょうか。最後にこどろきをだしているのですが、立方体だけで積みたそうでした。止めなければそのまま積めるところまで立方体を積んだのではないかと思います。この積み方は倒れる時に板になって倒れてくると危険なので、その後にビーズ遊びをさせてあげたかったこともあり、あまり高くはしませんでしたが、それでも大迫力の積木山脈に仕上がりましたね。もしこれがはじめからいろんな形の積木だったり、こどろきだったりしたら、ここまで積み続けていないかもしれません。確かに立方体だけの方が、側面の仕上がりも美しく、一致感もあるのですが、どの年齢の子たちも立方体を好んだのは、それだけの理由ではない気もします。きっと、そこに何かつかみとるものがあるからなのでしょうね。そして子ども達が選んだ世界こそが正解なのだと思います。

<積木は原数学活動> 数学の定理
園や施設などの積木遊びで積木をアトリエから持っていく場合、どのくらいいるかの量は計算してわりだします。例えば円筒づくりの時は子どもが20人なら、直径2メートルくらいあれば入れるので単純に200×3=600で円周をだして、それを立方体の45ミリに隙間の10ミリを足して5,5cmにして600を5,5で割って109。で1段に必要な積木の数は約109、それが10段として全部で1090個。そしてそれを一箱分の64で割って17箱必要。という感じで計算しています。今回の山脈づくりの時は三角数の和の公式を使って計算しています。山脈づくりは量の保存の法則も直観させられます。そういうことを考えている時、積木遊びと数学の定理の関係性を感じます。
このところよくSTAMA教育という言葉を聞くのでハッシュタグに使っていますが(笑)、アトリエはそもそもSTAMAなので、あえて言葉にするとなんだかなあという気もしますね。STEMA教育は付け焼刃で出来る教育ではないように思います。そもそも子どもが好んで遊びにしてきたことは、数学的であったり科学的であったりするものが多いです。要は、よく遊びましょうということだと思います。ただ、深めていける要素のないものは子ども達も飽きてしまうので、思考を深めていける本物の環境を丁寧に整理して用意するのは大人の役割であり、それが出来るようになる為には、それなりの実践と学びが必要であることを子ども達との日々に感じています。時代の流れに右往左往せずに、教育の芯をしっかり持って焦らず迷わず子ども達を見守ってゆきましょうね。

暑い日が続きます。熱中症等、体調にはくれぐれも気を付けて楽しい夏を過ごしましょう。

2021年7月③ アトリエ講師 星野由香
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<キューブダンシング>つながるかたち
定期的に皆さんにお見せしている赤の球や円柱を回転させる童具はキューブダンシングと言って、回転させることで全ての形がつながっていることを子ども達に見せる童具です。フレーベルの第1恩物にあたります。球・円柱・紡錘体・立方体は抽象形体と言ってこの世にあるものを抽象化した形です。形として目に映るすべてのものはこの四つの形体のどれかに似ているか、それぞれの形体のどこかの部分に似ているか、複合されたもののいずれかです。例えば、人間の頭部が球、胴体や腕は円柱、樹木の幹は円柱、葉は円柱の変形ととらえることができます。ビルや机は立方体とその構造は同じです。ですからこの四つの抽象形体がうまく描けるようになると、どんなものでも描写できるようになります。美大の学生さんが石膏でつくられた球や円錐をモチーフにしてデッサンの練習をするのはその為です。

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<キューブダンシング>つながるかたち②
この全く違う特徴をもった形体は、実はバラバラに存在しているわけではありません。それは、それぞれの形体を回転させることによって、そこに現れる形を見ることで形と形のつながりを見ることができます。球を回転させても形は変わりませんが、円柱を横にして回転させるとそこに球があらわれます。斜めにして回転させれば紡錘体が現れます。そして紡錘体の曲面中央を中心にしてまわすと円柱と球が現れます。また、立方体を面中央を中心にして回転させると円柱が現れ、頂点を中心にすると紡錘体が現れます。つまり、立方体から円柱と紡錘体が現れ、円柱と紡錘体からはそれぞれの形体と球があらわれてきたことになります。このように、すべての形は球に集約され統一され、すべての抽象形体がつながっています。
ということは、目に映るすべての形には関係性があるということです。この関係性を子ども達に直観させることもアトリエ活動の重要な目的です。
物としては同じ物でも(形体としては同じ形体でも)全く違う性質をもつものを対立的同一物と言いそれを関係づけるものを媒介物といいます。 【例】球と立方体は対立的同一物で 媒介物が円柱と紡錘体

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<8個の立方体>積木の基本 フレーベルの第3恩物
先週は四角柱をテーマにセメントで立方体をつくりました。フレーベルは子どもに単純な秩序をもつものから段々複雑なものを与えていくようにと説いています。アトリエ活動がもっとも単純な形の球から始まるのはその為です。四角柱で最も単純な秩序を持つのは同じ6面からなる立方体です。そして次に、この立方体を半分に分割するのが最も簡単な与え方にあるように思いますが、半分にすると2種類の面があらわれそれだけで複雑になります。ですが、天地・左右・前後に8分割すると全く同じ形の小立方体が生み出されます。半分よりも8分割の方が単純な分割であることがわかります。そして8分割することにより、立方体の中心を見ることができます。このような形は8個の立方体をおいて他にはありません。積木の発案者立方体の分割でうまれる形が理解できるように、8個の立方体と同じ分割線をマスキングテープでつくりました。8個の立方体を塊で見た時、一目見てこれは8個あるとわかるのは、積木遊びをよくしている子で4歳くらいから、通常は1年生くらいです。教えることはしませんが、子ども達はおそらくこの分割線と8個の立方体が同じであることを発見していることでしょう。

※セメントはアルカリ性が強くずっとさわっていると手があれますので、手洗いをしてください。
※夏アトリエの残席がわずかとなっておりますが、平日の参加もできますので、ご兄弟で参加されたい方はご相談下さい。

2021年7月① アトリエ講師 星野由香

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<積木のドールハウス>“アトリエの子はやっぱりすごい”
先週の積み木はみんな喜びましたね。とてもかわいい出来栄えにどのクラスもこのまま飾っておきたいと思いました。本棚をつくった子も多くさすがほるぷ絵本館の子ども達です。平面に広がるドールハウス風だったり、屋根があって2階、3階のある立体的なお家だったり、半立体だったり、同じ設定ではじめているのにどこから違ってくるのか、クラスによって作り方が違うのもおもしろかったです。

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<遊び込む習慣がつく環境づくり> 環境をつくるのは親の役割
殆どの子ども達は見立て遊びが大好きです。とくにお家をつくって家具をつくってキッチンをつくってなどの実際の生活に密着した遊びはどの子もはまります。人形があると楽しみも倍増するようです。こういう活動の時は、このまま片付けないでつくったもので遊ばせてあげたいといつも思います。アトリエでは、時間いっぱい作りこむのでなかなかそれができません。是非アトリエでやったことを熱が冷めないうちにお家でもやってくださいね。お家だと1週間かけて作りこんでいくこともできるし、つくったもので遊びを深めていくことも出来ます。なんと言っても日常の繰り返しで得る力は、生活の中で根付いたものはその後の人生の土台をつくっていきます。そう考えた時、子ども達の遊び環境をいい加減に考えていいわけがないですよね。子どもは自分で環境を用意することが出来ませんから、大人が環境をつくることは子育てで一番大切な役割であると思います。

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<おもちゃ選びの大切さ>
園に積木遊びに行くとその園ではどんな積木遊びをしているのか、中心になっているおもちゃがなんであるのかがわかります。例えば和久ブロックを揃えられている園の子達は屋根や滑り台をつくる時に直角二等辺三角柱の向きをうまく扱いますが、三角の積木がない園の子ども達は、当たり前ですがなかなか直角二等辺三角柱がうまく扱えません。また直方体しかなくて立方体で遊んでいないと階段づくりもアトリエの子達のようにすらすらとつくるのは難しいようです。小さいときから遊んでいる日常の力の強さを思いました。
お家づくりは、高さ合わせや幅合わせを何回も繰り返しながらつくってゆきます。三角の屋根を作るためには、形の向きや角度を合わせる必要があります。積木はまさに原数学活動、だからこそ基尺がしっかりしているということが原則です。また、見立て遊びは、想像力、創造力はもちろん当然のことですが、数学で最も必要な力、具体的なものを抽象化する力も育ちます。

<積木の選び方与え方> 与えて終わりにしない為には
今回の活動で、積木を揃えるにはどれから揃えればいいですか?というご質問をたくさんいただきましたが、予算が許すのならケルンモザイクも揃っている積木のいろはが一番おすすめです。1~2箱から揃えたいという方は立方体や直方体の基本の積木からはじめてください。H0とH6がおすすめです。これから積木を買う方の質問に、あるお母さんがインスタグラムで積木の買い方についてとても参考になるお話をされていたのでご紹介しますね。

Q 「この積木はどちらで購入されたものですか?なかなかいい積木に出会えなくて・・・」
A 「我が家の積木は童具館のものです。おそらく精度・遊びやすさ・飽きのこなさ・、美しさ、哲学、どれをとっても世界一の積木と思っています。間違いないです。店舗で実物に触れられ説明を受ければどなたもその“本物のすばらしさ“に感動されると思います。・・・」
Q 「私も少しずつ、集めたいなあとおもっているのですが、何から集めたらよろしいものでしょうか?」
A 「・・もし1歳半くらいの子の童具館の積木をどれかということであれば、まずは立方体、直方体などのより単純な形のものから用意してあげたいですね。できればカラーボールも一緒だと尚良いです。
その際大事なのはどこの積み木でも同じですが、買って与えて終わりにしないことかな~と思います。子どもはこの単純な木のかたまりでどう遊ぶのかその可能性を知らないし、(むしろ知りたがっていて)きっかけはいろんな遊び方があることを大人が見せてあげたり、遊びやすいようにアシストしてあげるのがすごく大事と感じています。(わくわくする遊びのヒントを挙げている感じです。)そのために積木を買うこと自体よりも実は強くおすすめしたいのが、ぜひ親御さんが、積木を実際さわりながら遊び方を店舗のスタッフさんやワークショップ、童具アドバイザーの方のイベントなどで直接教わっていただきたいなと思っています。積木を買うだけならインターネットでも買えてしまう時代です。でも、童具館の積木は製品としての物自体の素晴らしさは言うまでもありませんが、それは綿密に考え抜かれた哲学を持って作られており、積木の遊び方についての知識とセットであってこそ子どもが夢中になり遊びをどこまでも発展していく土台になっていくと個人的にも、周囲の童具ユーザーさんを見ていても、実感しているためです。
なので、是非、可能であればお子様と一緒に実際店舗などで手に取って遊びながらアドバイスを受けられるといいなあと強く願います。」

以前にご紹介したことのあるsu_san_monteというアカウントで投稿されている方です。積木の選び方与え方遊び方、積み木や絵本のレイアウト、積木棚絵本棚、兄弟の遊び等々、とても丁寧に投稿されています。今年は童具子育て講座も受けられたそうです。加古川プレイルームのお母さんたちも3名の方が受けられています。(わからないことがあれば聞いてくださいね。)アトリエでも積木の遊び方講座や絵本講座を行う予定ですので、是非ご参加ください。新しい方はもちろんですが、積木遊びに煮詰まっている(笑)、買ったけど活かしきれていないと思われる方も是非ご参加ください.

2021年6月③アトリエ講師 星野由香

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先週のアトリエは立方体をテーマに、まず90度・45度にカットした積み木おどろきを使って建造物を作りました。今はおどろきは販売休止で4.5センチ基尺のこどろきになっています。
こどろきは普通の積み木よりも扱いが難しいので、あまり登場する機会がなかったのですが今回、親子クラス・幼児クラス・小学生クラスともに子ども達が集中してそれぞれの在り方で使いこなしている姿に、アトリエで使える集団用のこどろきを揃えました。

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この積木は積み木自体が個性的であるからからか、子ども達の作品もそれぞれ使い方が違い、多様性あふれる作品群が並び、今回も驚きと感動の1週間でした。先週は日曜日はじまりで日曜日の幼少クラスの子達が最初だったのですが、ここまで違うか・・・というくらいみんなバラバラ。特にこのクラスは個性が強い(笑)というのもありますが。

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このクラスでとても嬉しかったのは、お母さんがしっかり童具環境を整えているのに、これまで積木の活動に積極的ではなかった年長さんのS君がはまり込んで集中していたことです。ほかの子達が出来ても黙々と作り続けていました。子どもはある日突然変わる生命です。階段を上るように徐々に変わるのではなく、突然変わりますよね。きっと点と点の情報だったものが、線になってつながったときに、うわっと世界が広がるのでしょうね。この感覚を幼児期にどれだけ体験するかがとても重要です。情報がたくさんあることよりも、その情報と情報をつなげて新しいものを生み出す力が創造力であり、本当に頭が良いということなのだと思います。どの子にも訪れるこのある日突然の日は、環境があってこそ花開くものであることを思いました。

こどろきは3年前のクリスマスの限定セット出ていたので(今は新パーツになっています)持っていらっしゃる方も多いですが、まだお持ちでない方でこどろきのことを聞きたい方、持っているけれど遊び方がわからないという方は、星野までご相談ください。色々、他メーカーに真似されてしまう童具館ですが、こどろきに関してはこの技術は真似が出来ないのではないかと思います。
もし出来たとしても、余程、子ども達のことや積木のことを考えているメーカーでないとここまでの仕事はしません。世界最高水準の積木を是非子ども達の手に届けてあげてください。

積木の後は、こどろきと同じように立方体の発泡スチロールからスチロールカッターで8分の1の小立方体を切り出し(8分の1であることに意味があります。)、着色してから再構成しました。積木とのつながりが明確であったからか、作った後も二つを組み合わせて形をつくることをとても楽しんでいましたね。形をテーマとしているアトリエならではの、質の高いアート作品になりました。
今週は積木でドールハウスをつくります。アトリエでやったことと同じことをすぐにお家でやると盛り上がりますので、やってみてくださいね。

2021年6月②アトリエ講師 星野由香
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先週のピザは子ども達が大喜びしましたね。嬉しそうに、お母さんに見せに行く姿、お母さん達の「うわあ~」という歓声。アトリエはとても平和な空間です。見た目のかわいさとは反比例して、この作品が完成するまでの過程は結構大変で、始めに石こうモザイクの準備をして、粘土に絵の具を混ぜて生地をつくり、金歯ブラシでテクスチャーを出し、スポンジに絵の具をつけて焦げ目をつけ、具材を粘土でつくり、絵の具を塗って、石こう板に着色して、モザイク状に割って、キジにボンド絵の具ソースを塗り、具材を飾りつけをして、仕上げに上からソースをかけてやっと完成です。こうして書いてみると、子ども達は1回のアトリエでも色んなことを体験していますよね。毎回これだけの体験を、長年に渡り積み重ねていくわけですから、当たり前のことですが、こういう体験があまりない子と比べたら、思考回路は随分と違ってくるのだろうと思いました。

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アトリエを開校して20年、同じことは殆どせずに、講師たちも常に試行錯誤してカリキュラムを考えてきました。違うことをするけれども、20年間、形のテーマの流れはずっと同じです。子ども達はひとつのものにもたくさんの可能性があること、色んなものにも同じ共通する要素があることを直観していきます。思考を深めていく為には、多様と統一、統一と多様を繰り返していくことが必要です。ひとつの体験から、もしくは一つの情報から、すぐに一つの答えを出してしまうのではなく、広い視野で深い洞察のできる人に育って欲しいですよね。
今は、子どもも大人もすぐにスマホで調べられるので、すぐに答えに見えるものが用意されているから “一つの情報(たくさんの情報に見えるだけで)だけを見て、それを答えとする” 脳がその在り方になってしまっている人が増えてきているように思います。脳にその癖がついてしまっているなあと思う人っていますよね。情報をたくさん得ているようで、自分の理解できる範囲のことしか見ないから、結局は視野が広がっていないし、知識も深まっていないということもあるように思います。次々に画面を変えていきますから、脳も大切な情報として処理しないので、よけいに薄まったものになっていくのでしょうね。子ども達のスマホ使用の際には、特に気を付けてあげたいところです。

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先日の動画配信での和久先生の“大人からすれば取るに足らないようなことに見えても、子どもは必死で生きている、真剣に生きている”という言葉。子ども達の真剣な表情が思い浮かび、胸があつくなりました。子ども達は生きる為に必死になって自分で世界を獲得しようとしています。自分で答えを見つけようとしています。YouTubeを視聴することや、スマホやiPadを持つことに、大反対しているというわけではありませんが、子ども達の生きる力を育もうとしている時間が、スマホに奪われてしまうのは、もったいないですよね。あと、年齢を考えて与えるのは親の責任です。幼い子ども達にはスマホ視聴を制御することはできません。その能力が育つのはずっと後です。保育園などの講演をした時に、よく「ずっとゲームばかりして、約束したのに時間をまもらないのですが、どうしたらいいですか?」と聞かれるのですが、それは与えた親の責任で、ゲーム漬けにしてしまった責任は親がとるしかありません。子どもを怒っても仕方のない事です。この年齢のこの場合は、親が管理するべきです。
また、思春期の子ども達の脳も、自分で制御することは難しいのだそうです。与える前に話し合っておくことが必要ですね。

子ども時代は二度と帰ってきません。そのかけがえのない子ども時代の思い出が、受験の為に嫌々している勉強と、そのご褒美のYouTube視聴やゲームになっている子も世間では少なくありません。そしてそれは、1年生からはじめたら13年間続くのです。
子どもは必死で生きています。これからの人生を生きていく為の大切な時間を真剣にすごしています。子どもの人生は子どものもの。動画配信の冊子にも書いてありましたが、親の「こうさせよう」の発信機のスイッチをオフにして、子どもが「どうしたいのか」 の受信機を働かせましょう。きっと、今まで見えなかった我が子の思いもよらぬ姿が発見できるはずです。

一度しかない子ども達の子ども時代の人生を、思いっきり生きさせてあげたいですね。何者かにつくりあげようとするのではなくて、そのままの自分を母なる大地で受けいれてもらって
育つから、人も愛することが出来ます。ですからあせることなく、迷う事なく、子ども達を信じて、応援してゆきましょうね。

※田んぼに水が入りました。田んぼの方にはいかないようにお願い致します。
※駐車場は大変危険です。お子様から目を離さないようにお願い致します。
※幼児クラスから小学クラスの入れ替えの際、駐車場が大変込み合います。気になる方は第2駐車場をご利用下さい。
※緊急事態宣言の間、土曜日の14時まで、ムサシさんに第2駐車場をお貸していますが、4台くらいはとめられるスペースは開けていますので、そちらもご利用ください。


2021年5月③アトリエ講師 星野由香

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先週のアトリエは、一人一棟、積木の円筒をつくりました。円柱がテーマの5月は、いつもなら皆で、和久ブロックの十八番、全員入れる大きな円筒や2~3人のグループでロケットや宇宙船をつくることが多いのですが、今年は一人でつくってみました。一人だと話し合うこともないので、いつもに増して皆職人のような真剣さ、集中力、持続力。また、積木が久しぶりだったこともあり皆、なかなか積木を積む手がとまりません。

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本当は土台から自由につくらせてあげたいのですが、時間と空間が限られているので、土台の積木は皆同じの3倍体角柱を12本で設定。お家でつくる時も、積木のいろはの量と種類ならこのくらいがつくりやすいです。はじめは準備運動で立方体を5段ほど積んでから、一段一段、積木と積み方を自由に選んで、つくりあげました。土台が12個だけなのと、円筒というテーマもあるので、さすがに今回は同じような仕上がりになるだろうと思いましたし、その狙いもあったのですが、子どもをあなどることなかれ。やっぱりこうなるなあと若干予想しつつも、やはり皆、違う(笑)。


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この頃、人間って本当に一人ひとりが違うのだなあということを、あらためて実感させられることがよくあります。今回の積木にしても、規則正しく同じ積木を積んでいきたい子は、何をどう言っても同じ積木しか積みません(笑)。同じ積木がなくなるまで、やっています。そういう子は何人かいるのですが、その中でも、同じ積木を積むことが安心につながっているんだなと感じる子や、この積み木の造形を極めたいんだなと思う子がいたり、同じことをやっていても、皆違います。また、自分の規則性をつくってその通りにデザインしていく子、一段一段、試行錯誤して積木も積み方も変えていく子、そもそも立方体から積まない子、円筒の上部に長直方体を敷き詰めてフラットにして、四角柱の建造物に変えてしまった子(これは難しい)、も結構いましたね。円柱って言ってるだろーっ!(笑)と思いながらも、円筒という一つのテーマで、これだけのバリエーションがつくれることに、私も驚かされました。


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お母さんに見せている時の子ども達の誇らしげな表情、とても素敵でした。円筒積み木は上の写真のように、中もとてもきれいです。スマホを差し込んで撮った写真を子ども達に見せてあげると「これ、すげえ!!」と歓声をあげていました。外側から見た世界と内側の世界の違い、自分の手でつくりあげた思いもよらぬ造形美。次回つくった時には、中から見た模様を考えてつくるかもしれないし、光で模様をつくることを計算してつくるかもしれません。発見したことを表現して、表現したことから発見してその繰り返しで、生きる為に最も必要な力である創造力は開発されます。その試行錯誤を、この感動が消えないうちにさせてあげたいので、お家に是非、積木のいろはを揃えてあげて下さい。
こうして試行錯誤を繰り返して、子ども達は世界を広げていく、世界を自分のものにしていくのだと思いました。
人間は発見すること、表現することに喜びを感じる生命です。人から教えられて発見しても喜びにはなりません。
幼児期は土台をつくる時、先へ先へと急がせないで、今この瞬間の輝きを大切に、子ども達の発見欲求と表現欲求を思う存分発揮できる環境を用意して、応援してあげたいですね。

2021年5月②アトリエ講師 星野由香