先週の車づくりは、アトリエでは具体物をつくることがあまりないからか、逆に新鮮だったようで、親子コピカからピカソクラスまで、楽しんで活動にとりくんでいました。とくに男の子のモチベーションが高く、つくりながらも嬉しくて嬉しくていてもたってもいられないような子がたくさんいました。
車の作品をつくる前にアトリエで一番人気の童具、くむくむで色んなパーツをつかって自分のくむくむカーをつくったのですが、くむくむは本当に良く遊びますね。幼小コピカはあのまま続けていたらくむくむだけでも1時間半、十分に遊べそうなくらいでした。車を連結させたり、プロペラを作ったり、乗り物だけでなく動物や遊園地など、捧を差してパーツをつけるだけで、イメージはどんどん広がり、活動(遊び)の幅を広げることはいくらでもできます。もちろん、積木との基尺もあっているので一緒に遊ぶことができます。また、赤ちゃんが遊べるガラガラやでんでんだいこ、こま、歯車などの簡単なおもちゃから、器用な方なら実際に遊べる手押し車や三輪バギーなどもつくることが出来ます。

アトリエに置いてあるくむくむも毎日誰かが遊んでいるので相当、年季が入っていますが、そもそも30年くらい前のものもあるので、これだけたくさんの子ども達に遊んでもらった木も幸せです。捧はさすがにスカスカになっているものもありますが、濡れたぞうきんにはさんでおくと、すぐにつかえるようになります。
数十年、くむくむで遊ぶ子ども達を見てきていますから実感として“どの子も遊ぶ”“長く遊べる”“長く使える”ということが言えるので、自信をもっておすすめできます。是非、今年のクリスマスプレゼントに考えてみて下さい。<積木のいろはをお持ちでない方はそちらから揃えて下さいね。>
先日、ずうっと昔にほるぷ子ども図書館とくむくむを山下先生から買われた方が娘さんとお孫さんを連れて、絵本館を訪ねて下さいました。私が学生時代、母の仕事を手伝っている時に何度もお会いしたことのある方で、娘さんは5才くらいで赤ちゃんの弟が居たことを覚えています。小学生になった時は、家が母の事務所の近くだったので、学校の帰りに家にない絵本を読むためにしょっちゅう遊びに来ていたそうです。そんな娘さんも三児の母となり、当時はなかったかずの木を買って帰られました。お母さんは他の孫の為に実家用にと、もう一台、別に買われました。娘さんの和久童具に対する信頼は、絵本と積木で自分を育ててくれたお母さんへの信頼です。
人と人との関係、親子の関係さえ希薄になったと言われている今の時代、数十年の時を経て、母から娘へ、娘から孫へと伝えられる童具と絵本、そしてそこに山下先生の存在があることが何より本物の証だと感じました。最先端の技術も最後には人の手が必要であるように、本物には人との出会い、関係性が必ずあります。山下先生が100歳になったら、私は70歳、有末先生も54歳で早ければ孫ができているかも知れません(笑)。その時まで、皆さんとのご縁があるといいなあと思います。
2013.11.(2) アトリエ講師 星野 由香