先週の活動では、正三角形をテーマに、初めに直角二等辺三角形と正三角形の違いを見せてから、大きな正三角形の画用紙にローラーや、ほうき、タワシ、スポンジなどのお掃除用具を筆にして着色してから、日本に古くからある“六角返し”を大きな段ボールでつくりました。幼い時の記憶をたどり、たしかこういう遊びがあったなあと思ったので、日本独特の遊びだと思っていたら、ヘキサフレサゴン(ヘキサゴン 六角形)という名前があるらしく、世界でも有名な数理パズルなのだそうです。一枚の長い平行四辺形を正三角形に蛇腹にして折りたたみ輪にすることで、6通りの六角形の面を作ることができ、メビウスの帯のように延々とひっくり返すことができます。今週のアトリエでイラストボードをつかって個人作品をつくりますので、どうなっているのかをお子さんと一緒に考えてみて下さい。つくり方は簡単なので、画用紙や広告用紙で色んなパターンを作ってみてもおもしろいと思います。
直角二等辺三角形が、二つで正方形になるというのは、どの子もわかりますが、正三角形が二つでできた平行四辺形を「これも四角形だよね。」と言うと1,2年生の子達から「なんで?四角ちゃうやん。ひし形やん。」という質問がありました。これは、当然の質問であり、小学生ならではの疑問だと思いました。
「じゃあ、三角ってなんで三角って言うの?」私
「角が3つあるから。」子ども達
「角が5つあったら?」私
「五角形」子ども達
「このひし形に角は何個ある?」私
「4つ」子ども達
「じゃあこの形は何角形?」私
「・・・・四角形?」子ども達
と言う会話をしましたが、まだ子ども達は腑におちない顔をしていました(笑)。きっと四角形は真四角と長方形というイメージが強いのでしょうね。大人からすると、なんでここまで説明してもわからないの?と思うかもしれませんが、こういう一見、当たり前のことのような疑問こそ大切で、よくぞ聞いてくれたと思いました。こういう単純なことの見落としの積み重ねや、しっかり理解せぬまま先へ進んでしまうことが、後に、より複雑なものへの理解を求められた時のつまづきの原因になることもあるのだろうと感じました。どんなことも同じですが、実体験があるかないかは大きな違いですね。
その後、45mm着尺の正六角形、正三角形、平行四辺形、等脚台形、鈍角二等辺三角形、直角不等辺三角形、そして同じ形の30mm着尺のモザイクを用意して、アトリエ恒例の超むずかし図形パズルに挑戦しました。前回は正三角形のビックパターンボードでやりましたが、今回は、六角形のボードを使いましたので、難易度は更にアップ。ピカソクラスでやるくらいの難しさでしたので、ヒントは必要でしたが、殆ど全員が30分以上かけて、へとへとになって完成までやり遂げました。「首が痛―い!」と最後は、寝転んでしまうほど、みんな、がんばりました。
今週は、正三角形の色んな組み合わせでコマをつくって遊んだあとに、お家で遊べる六角返しを作ります。是非、楽しみにお待ち下さい
2013.1.(3)アトリエ講師 星野 由香