先日のコペルクラス(図形と科学の特別クラス)でつくった積木のトナカイとソリ。まるでどこかのイベント会場に展示されているような出来栄えに子ども達も大喜びでした。実際に乗れるものをつくるのは、アトリエならではですが、小さいものなら積木のいろはとくむくむをあわせれば素敵なトナカイがつくれますよ。クリスマスのディスプレイとして作って見て下さい。
この活動では、私にも有末先生にも、ひとつの大きな気づきを与えられました。はじめにトナカイの写真を見せてから積木へと入ったのですが、子ども達の様子にどこか違和感がありました。楽しんでいるのだけれど、喜んでいるのだけれど、この感じはなに?と思っていたら、一年生のNちゃんが、「ねえ、有末先生、トナカイってお空を飛んでいるんじゃないの?」と聞いたそうです。私と有末先生は、顔を見合わせて「それだ!!」子ども達にとってリアルなトナカイの写真などいらなかったのですね(大反省!)。

それからは、子ども達のイメージを膨らませ、私達もとことん子ども達の想像の世界へ共に入り込んで活動を行うと、子ども達のいつものいきいきとした表情が戻ってきました。何度も感じてきたことなのかもしれませんが、私自身が、積木(モノ)に生命が吹き込まれてゆくというのは、こういうことなんだと実感しました。
私達大人は、子ども達のように果てしない想像の世界にのめり込んで、あたかもそれが目の前の存在であるかのように、イメージを広げることはきません。子どもの想像の世界は、子ども時代にだけ許された尊ぶべき所産です。彼らのすごいところは、あれだけのめり込んでいても、ちゃんと現実の世界との区別をつけてそうしているということです。今回、彼らが積木の箱をテレビにした時、私が直方体の積木をリモコンに見立ててチャンネルを変え「ちょうど、積木のトナカイの作り方がうつってるやん。」と言うと、子ども達は、えっ!と言う顔で一瞬、私の顔を見てから、満面の笑み。「今日は、そっちの世界でいいんだね。」というゴーサインがでたかのように、嬉々として、ごっこ遊びがはじまりました。
私は、子ども達に十分にその世界を保障してあげていなかったんだなあと、水を得た魚のような子ども達の姿に思いました。大人からすれば他愛もなく感じる“もし~だったら”“~ってことにしよっか”“いいことかんがえたっ”のごっこ遊びは、実は、彼らがこの先の長い人生を生きてゆく為の、まさに「生きる力」を育んでいます。遊びは本来、やらされていることでなく、自発的に行うものですから、身につくことも、学ぶことも多いのです。その体験があるからこそ、厳しい現実も乗り越えてゆけるのです。私達にできることは、子ども達の遊びの環境を、時間もふくめ日常に保障してあげることですね。これからも子ども達の力を信じて、見守ってゆきましょう。
今年のクリスマスプレゼントのご準備は、整いましたでしょうか?アトリエでは、毎年一番の人気はくむくむですが、今年はかずの木が圧倒的な人気です。ほるぷ子ども図書館のコースや、実際に買われた方が皆さん「本当によく遊びます」というお墨付きの童具“マグネットモザイク”のセットもオススメです。
また、前回、予約ができなかった方の為に在庫を確保した、“森のつみき”も限定数がありますが、オススメです。こちらは、まさに「早い者勝ち」なので、本当にお早目にお申込み下さい。
2012.11.(3)アトリエ講師 星野 由香