想像力・創造力は生きる力
新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
昨年は感動に続く感動の毎日を走り抜けた一年でした。子ども達に大きな事故も無く、無事、新年を迎えられたことにまず感謝し、これからも一人ひとりの子ども達、お母さん達の心に沿い続けるアトリエでありたいと思います。今年もどうぞよろしくお願い致します。
2012年のお正月、皆さんはどんな風に過ごされましたでしょうか?私は掘りごたつの特等席で大晦日定番の紅白を観ながらのんびりすごそうと思っていたのですが、どうしてもじっとしていられず、実家の本棚の物色を始めました。
2年ほど前に、漢字の成り立ちが書かれた白川静の『字統』が欲しいなあと思っている時、何気なく2回の本棚を見ていたら、あるじゃないですか!ドーンと4cm×27cmの『字統』と書かれた背が。実家にある本は、1,000冊、2,000冊のレベルではないので、時々こういうことが起こります。家中の壁は本棚の為にあるようなもので、屋根裏部屋にも、物置小屋にも本が積まれています。
このお正月は、1階の和室にある持ち出し禁止の本棚に、大正時代、日本で初めて描かれた吹き出しマンガ『正チャンの冒険』を見つけて大興奮。それがなんとなく昨年、皆さんにもご紹介してた『TINTIN』に似ていて、この作家は『TINTIN』に影響を受けて描いたのかもしれないなあと思うと、もうわくわくドキドキが止まらなくなり、次々とカバーから引き抜いて読みふけりました。
文学全集だけでなく、1979年に復刻されたオズボーンコレクション・マザーグースは、トランプくらいの大きさのものから画用紙くらいのもの、また小さな本が一冊一冊封筒に入ってひとつの箱に収められているものなど、絵本好きのアトリエのお母さん達なら「この棚の前にずっといたい」ってきっと思うくらいの蔵書です。世界で初めての絵本と言われる1658年に出版されたコメニウスの『世界図絵』が当時そのままの形で復刊されているものがあったのには、感動と言うより驚きでした。
今にしてその価値が分かります。今、たとえ「復刊ドットコム」で投票があっても今の時代には難しく、殆どのものが、欲しくても手に入りません。よくぞこのコレクションを手に入れていてくれたと母(山下先生)に改めて感謝しました。その時にはその価値が分からなくても、44歳になった今、こうして感動に打ちひしがれている。全てを理解して読み尽くすには、生涯かけての時間が必要だけれど、それは甥の純大くんが受け継ぎ、またその子どもが受け継いでゆく。母はよく「その家の文化は三代かけて定着してゆく」と言ったことを思い出しました。
ほるぷ子ども図書館も、和久童具も、アトリエの活動も、これからの時代へと残すべき文化財です。それを私の一番近いところで受け継いでいってくれるのは、アトリエの子ども達。そう思うと、この世の中に希望が見えてきます。今年も社会の価値観に翻弄されることなく、情報に振り回されることなく、しっかりと本物を見る目を開けて、子ども達と共に成長してゆきましょう。
2012.1.(1) アトリエ講師 星野 由香
新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
昨年は感動に続く感動の毎日を走り抜けた一年でした。子ども達に大きな事故も無く、無事、新年を迎えられたことにまず感謝し、これからも一人ひとりの子ども達、お母さん達の心に沿い続けるアトリエでありたいと思います。今年もどうぞよろしくお願い致します。
2012年のお正月、皆さんはどんな風に過ごされましたでしょうか?私は掘りごたつの特等席で大晦日定番の紅白を観ながらのんびりすごそうと思っていたのですが、どうしてもじっとしていられず、実家の本棚の物色を始めました。
2年ほど前に、漢字の成り立ちが書かれた白川静の『字統』が欲しいなあと思っている時、何気なく2回の本棚を見ていたら、あるじゃないですか!ドーンと4cm×27cmの『字統』と書かれた背が。実家にある本は、1,000冊、2,000冊のレベルではないので、時々こういうことが起こります。家中の壁は本棚の為にあるようなもので、屋根裏部屋にも、物置小屋にも本が積まれています。
このお正月は、1階の和室にある持ち出し禁止の本棚に、大正時代、日本で初めて描かれた吹き出しマンガ『正チャンの冒険』を見つけて大興奮。それがなんとなく昨年、皆さんにもご紹介してた『TINTIN』に似ていて、この作家は『TINTIN』に影響を受けて描いたのかもしれないなあと思うと、もうわくわくドキドキが止まらなくなり、次々とカバーから引き抜いて読みふけりました。
文学全集だけでなく、1979年に復刻されたオズボーンコレクション・マザーグースは、トランプくらいの大きさのものから画用紙くらいのもの、また小さな本が一冊一冊封筒に入ってひとつの箱に収められているものなど、絵本好きのアトリエのお母さん達なら「この棚の前にずっといたい」ってきっと思うくらいの蔵書です。世界で初めての絵本と言われる1658年に出版されたコメニウスの『世界図絵』が当時そのままの形で復刊されているものがあったのには、感動と言うより驚きでした。
今にしてその価値が分かります。今、たとえ「復刊ドットコム」で投票があっても今の時代には難しく、殆どのものが、欲しくても手に入りません。よくぞこのコレクションを手に入れていてくれたと母(山下先生)に改めて感謝しました。その時にはその価値が分からなくても、44歳になった今、こうして感動に打ちひしがれている。全てを理解して読み尽くすには、生涯かけての時間が必要だけれど、それは甥の純大くんが受け継ぎ、またその子どもが受け継いでゆく。母はよく「その家の文化は三代かけて定着してゆく」と言ったことを思い出しました。
ほるぷ子ども図書館も、和久童具も、アトリエの活動も、これからの時代へと残すべき文化財です。それを私の一番近いところで受け継いでいってくれるのは、アトリエの子ども達。そう思うと、この世の中に希望が見えてきます。今年も社会の価値観に翻弄されることなく、情報に振り回されることなく、しっかりと本物を見る目を開けて、子ども達と共に成長してゆきましょう。
2012.1.(1) アトリエ講師 星野 由香