想像力・創造力は生きる力
「之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は之を楽しむ者に如かず。」
10月・11月は怒濤の忙しさで、アトリエ通信をお休
みしてしまいすみませんでした。感動・感動の毎日で、書きたいことはいっぱいあったのですが。その中でも感動の一日、和久先生の講演会からは、もう一ヶ月が過ぎてしまいました。
アトリエ会員の方は、もう何回も講演会に足を運ん
で頂いた方がたくさんいるので、この度は座談会で和久先生と直接、お話をして頂く形をとりましたが、充実した時間になりましたね。
参加したお父さん、お母さんからは「楽しかった」「またやって欲しい」という声を多数頂きました。
普段、よくお話しているお母さん達からの質問も、ああいう場で聞くと、集中して考えるので、また違った視点から子どもの姿が見えてきて、私自身にも学びが多くありました。
多分、同じ悩み・相談・質問のある方はたくさんいらっしゃると思います。和久先生をお呼びするのは難しいですが、親子コピカのお母さんと、実際にほるぷ子ども図書館と童具とアトリエで子育てされてきたベテランのお母さん達と一緒にお話して頂く機会も、またつくりたいなあと思いました。
あの日の午前中は、私は一般参加の子ども達の積木WORKSHOPを担当していたのですが、ここにも新鮮な感動がたくさんありました。子ども達が集中できる環境を整える為にとった時間は、絵本を読む時間を含め10分程。後は、アトリエと同じで子ども達のお好きなように。初めて顔をあわす子ども達。初めてWAKUBLOCKに触れる子ども達。殆どが4・5才の幼児が集まっている中で、大人はスタッフ4人だけ。子どもの力は信じているものの、初めての試みでどうなることかと思いましたが、ふたをあけてみると、大人の手は殆どいりませんでした。手が動き、身体が動き、創造力全開の子ども達。手も心も頭もとまっている子は一人もいない。長年、積木に無我夢中になる子ども達の姿を見てきた私でさえ、今回の光景には呆然としました。積木がなくなり、モザイクも半分くらいなくなった頃、積木の箱を二つ、私が並べると、それに誰かが気付き、次々に積木の箱を皆もってきて、並べはじめ、会場を一周囲んでしまいました。
そして、モザイクをその上に5つ程並べると、また誰かが気付き、皆がやりだしてあっという間に一周飾ってしまいました。初めて出会った子ども達が童具を媒体に、一つになった瞬間です。日本中で、今、こんな奇跡が起こっている場所はないって思うくらいの時間・空間・仲間との感動と共に、本物がもつ力、子ども達が本来持っている創造のエネルギーを感じました。
子どもは皆、環境さえあれば、こんなにいきいきと自らもっている創造力を発揮できるのに、「疲れた」「ムリ」「面倒臭い」を口癖にさせてしまう。何よりやりたいこと、何よりも欲しいものが「ゲーム」になってしまう。自分を安心して表現できる場所も時間も失い、ストレスを抱えてしまう。本当にもったいないですよね。やりたいこと、やってみたいこと、楽しいことがいっぱいで時間が足りないくらい、子ども時代を楽しませてあげたいです。先日読んでいた「学ぶ力」という本で、紹介されていた臨床心理学者の河合隼雄さんや京大名誉教授と言われた数学者の森毅さんがおすすめの論語を紹介します。
「之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は之を楽しむ者に如かず。」
河合さん訳では、勉強するよりも好きというほうが上で、それよりも楽しかったというのがもっと上、学ぶことの最高が“楽しむ”ということ。そして、苦しみを伴わない楽しみは偽物で、この両方が入りながら楽しいというのが、学ぶことではないかと言っています。
森さんも同じようなことをおっしゃっていました。和久先生も同じです。一流の人が皆、同じことを言うのは、そこに人間たる普遍を感じるからなのでしょうね。無我夢中に生きる子ども時代を送らせてあげる為にも、子ども達の“楽しい!!”まずこの気持ちからはじめましょう。
2011.11.(3)アトリエ講師 星野 由香
「之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は之を楽しむ者に如かず。」
10月・11月は怒濤の忙しさで、アトリエ通信をお休
みしてしまいすみませんでした。感動・感動の毎日で、書きたいことはいっぱいあったのですが。その中でも感動の一日、和久先生の講演会からは、もう一ヶ月が過ぎてしまいました。
アトリエ会員の方は、もう何回も講演会に足を運ん
で頂いた方がたくさんいるので、この度は座談会で和久先生と直接、お話をして頂く形をとりましたが、充実した時間になりましたね。
参加したお父さん、お母さんからは「楽しかった」「またやって欲しい」という声を多数頂きました。
普段、よくお話しているお母さん達からの質問も、ああいう場で聞くと、集中して考えるので、また違った視点から子どもの姿が見えてきて、私自身にも学びが多くありました。
多分、同じ悩み・相談・質問のある方はたくさんいらっしゃると思います。和久先生をお呼びするのは難しいですが、親子コピカのお母さんと、実際にほるぷ子ども図書館と童具とアトリエで子育てされてきたベテランのお母さん達と一緒にお話して頂く機会も、またつくりたいなあと思いました。
あの日の午前中は、私は一般参加の子ども達の積木WORKSHOPを担当していたのですが、ここにも新鮮な感動がたくさんありました。子ども達が集中できる環境を整える為にとった時間は、絵本を読む時間を含め10分程。後は、アトリエと同じで子ども達のお好きなように。初めて顔をあわす子ども達。初めてWAKUBLOCKに触れる子ども達。殆どが4・5才の幼児が集まっている中で、大人はスタッフ4人だけ。子どもの力は信じているものの、初めての試みでどうなることかと思いましたが、ふたをあけてみると、大人の手は殆どいりませんでした。手が動き、身体が動き、創造力全開の子ども達。手も心も頭もとまっている子は一人もいない。長年、積木に無我夢中になる子ども達の姿を見てきた私でさえ、今回の光景には呆然としました。積木がなくなり、モザイクも半分くらいなくなった頃、積木の箱を二つ、私が並べると、それに誰かが気付き、次々に積木の箱を皆もってきて、並べはじめ、会場を一周囲んでしまいました。
そして、モザイクをその上に5つ程並べると、また誰かが気付き、皆がやりだしてあっという間に一周飾ってしまいました。初めて出会った子ども達が童具を媒体に、一つになった瞬間です。日本中で、今、こんな奇跡が起こっている場所はないって思うくらいの時間・空間・仲間との感動と共に、本物がもつ力、子ども達が本来持っている創造のエネルギーを感じました。
子どもは皆、環境さえあれば、こんなにいきいきと自らもっている創造力を発揮できるのに、「疲れた」「ムリ」「面倒臭い」を口癖にさせてしまう。何よりやりたいこと、何よりも欲しいものが「ゲーム」になってしまう。自分を安心して表現できる場所も時間も失い、ストレスを抱えてしまう。本当にもったいないですよね。やりたいこと、やってみたいこと、楽しいことがいっぱいで時間が足りないくらい、子ども時代を楽しませてあげたいです。先日読んでいた「学ぶ力」という本で、紹介されていた臨床心理学者の河合隼雄さんや京大名誉教授と言われた数学者の森毅さんがおすすめの論語を紹介します。
「之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は之を楽しむ者に如かず。」
河合さん訳では、勉強するよりも好きというほうが上で、それよりも楽しかったというのがもっと上、学ぶことの最高が“楽しむ”ということ。そして、苦しみを伴わない楽しみは偽物で、この両方が入りながら楽しいというのが、学ぶことではないかと言っています。
森さんも同じようなことをおっしゃっていました。和久先生も同じです。一流の人が皆、同じことを言うのは、そこに人間たる普遍を感じるからなのでしょうね。無我夢中に生きる子ども時代を送らせてあげる為にも、子ども達の“楽しい!!”まずこの気持ちからはじめましょう。
2011.11.(3)アトリエ講師 星野 由香