子ども時代の思い出は一生の宝物
~子どもの心に寄り添う教育~
―かずの木―
先週の活動で使った、アトリエでよく登場する“かずの木”はお母さん達に一番人気のある童具です。
“かずの木”はその名の通り、数量的な法則をより明確にした童具で、まさに数・量・幾何・角度の原数学活動に適しています。
今回の幼小クラスでは、10までの数の分解ゲームをして遊びました。トレイが10までなので、違う組み合わせで、自由に入れれば自ずとそうなるようにつくられているのですが、「9と1のかずの木で10だね」と少し意識を持たせてあげれば、子どもは自然と遊びながら数と量に興味を持ってゆきます。

幼児クラスでも、かずの木がお家にある子は、誰かが「5がなーい」と言うと「4と1で5になるよ」と渡してあげる子がいたり、トレイいっぱいになった時、「この穴、全部で何個?」って聞くと「10が10個だから100個」と答える子もいました。1+4=5や10×10=100と教えられて覚えたものではなく、家で遊ぶうちに、お父さんやお母さんの声かけから自然と身についたものだと思います。かずの木には、0のある5までのサイコロがついているので、サイコロの出た目のかずの木をそれぞれのトレイに入れてゆき、早くいっぱいになったほうが勝ち、など、幼児でも理解しやすい、単純な数のゲームを家族で楽しんで頂けます。
純大くんが4才の時、私とのブームはかずの木でつくったピラミッドのすごろくでした。量と数の両方に親しんで遊べるので、小学生になり、数詞の世界に入った時も量から数の転換(未測量から既測量)に混乱しません。また、kg・km・ℓなどの単位が出てきた時や、分数・%・面積・体積などの理解にも役立ちます。
かずの木そのものは、もちろん豊かな創造活動を送るための童具ですが、ねらいとしては数量的理解へ基づくといってよいかもしれません。見立て遊びだけでも、オブジェをつくるだけでも、かずの木は明確に数を意識してつくるので、自然と算数に親しむ遊びができます。
アトリエでよくお勧めしている『目で見る数学』(ジョニー・ボール 著)にも書いてありますが、数学がこの世に誕生したのは、人間生活に必然的に必要だったからです。人間の創造活動のあり方も数学的思考を必要とするそうです。小学校入学前にかずの木を購入される方が多いのですが、できれば、数詞に意識が向く前の時期に揃えておいてあげたい童具です。
2011年の改訂で、色調が変わり、とても美しくなり、素材も丈夫なものに変わっているので、傷も付きにくくなりましたが、値段はそのままです(^^)基尺は45mmの積木と一緒に遊べるサイズができましたが、今の箱にコンパクトに収まるタイプは2013年6月に販売が終了します。ご購入を考えている方はお早目にお申込み下さい。
~ちんすこうレシピ~
今週のちんすこうは、小麦粉70g、三温糖30g、サラダ油30gをこねて形成して、180℃のオーブンで13分焼くだけ。
とっても簡単なので、きなこ・黒ゴマ・ココアなど、色んな味を作って楽しんでみて下さい。
焼き上がりはべトっとしますが、10分ほど冷ますと、さくさくになります。
2011.9.(3)アトリエ講師 星野 由香