先週は、長いお休みの後、久しぶりに会ったせいか、子ども達の成長に驚く場面がたくさんありました。とくに親子コピカの子ども達の成長はいちじるしく、今までアトリエでは、あまり話さなかった子が周囲もびっくりするくらい突然話し出したり、3才になって急に赤ちゃんっぽさが抜け、絵具の塗り方が変わったり、本当に子どもはある日突然変わる生命だと実感させられました。これは親子コピカに限らず、1才からずっと通っていた子が、年長さんになり、今回はじめて絵具の活動でこれまでに見たことのないような積極性を見せてくれることもあります。11月の座談会で和久先生が「子どもは常に変化している。だからたとえいい意味でもこの子はこんな子と決め付けちゃいけない。」とおっしゃった言葉を、本当にそうだなあと強く感じました。その子は、自分の思いを強く持ち、我を成すことのできる子なので、今までも全く心配はしていませんでしたが、彼の中に新しい喜びが見つけられたことは、私にとってもとても嬉しいです。
ひとつのことをやり続けているからこそ、子どもの変化がわかります。子どもが心の傷になる程嫌がっていることは、無理にさせる必要はありませんが、持続が大きな力となることを私達大人は、体験上知っています。まだまだ始まったばかりの彼らの人生に、やり続けること、やり遂げることの大切さを大人の態度から伝えてあげたいと思いました。
前回の活動は、直角二等辺三角柱を、スチロールカッターで好きな長さに分割し、それぞれの面を着色し、乾かしてから三角形の立体構成をしました。平面ではなく、立体を多面的に塗り上げるのは、大人が思うより大変です。そして、その上後で形をつくらなければなりません。とくに、子どもは大人のように残りの数を計算して力分配しながら塗るわけじゃありませんから、ひとつの面を塗るのに全力でむかいます。1000m走らなきゃいけないのに、はじめからスタートダッシュ全力疾走。そんな状態で物事に挑めるのは、子どものうちだけかもしれません。(山下先生は今もそんな感じですけどね(笑))そして、先週も息をのむようなかっこいい作品がたくさん生み出されました。何より、皆、活動を最後までやり遂げてくれました。当たり前のことのように思われるかもしれませんが、月に3回わずかな時間でも、自分で考え、自分の手でひとつの作品を作り上げる、“やり遂げる”という体験をくり返し子ども時代に持っていたかそうでないかは、彼らのこれからの人生に必ず大きな影響を与えます。また、子育てにおいても“子どもは突然変わる”“子どもは常に変化している”“子どもを決め付けてはいけない”の3つを頭に置くだけで、子ども観が変わってくるのではないかと感じます。
今週はくもの巣をテーマに、ピンボードで遊んだ後に、皆で大きな作品を作ります。
是非、楽しみにお待ち下さい。
2011.1.(2) アトリエ講師 星野 由香