先週はかわいい動物がいっぱいできましたね。端材のみの組み合わせで、これだけの表現ができる子ども達、時間ぎりぎりまでやり続ける子も多く、もっともっとやらせてあげたいと思う活動でした。小さい子のつくった不思議な生物もとてもかわいかったです。
はじめに、絵本、森のアパートを読んでジャングルや動物の家をイメージし、今年一番人気の積木、45度の構成ができる“おどろ木”でピラミッドを土台に森を表現しました。
さすがに小学生は慣れていて、ものの15分くらいで相当のところまで創り上げてしまい、このまま積木だけの活動にしたらものすごい世界が出来て頂ろうなあと思います。先月のイベントで和久先生と小学生が遊んだインパクトがとても強かったようで、クリスマスプレゼントでは、毎年一番人気のある“くむくむ”を抜いて予約が多いのも“おどろ木”でした。
以前に童具館の木工所に見学に行ったとき、製品のひとつひとつが本当に手作業でつくられ、仕上げされているのには、びっくりしました。私が見たのは、ケルンモザイクのカットと直角二等辺三角柱の積木を磨いて検品しているところだけでしたが、それでも入念に手間隙かけて創られており、これが45度、90度に複雑にカットされてある“おどろ木”をつくるとなるとどれ程の手間と技術が必要なのだろうと思うと、これで58,000円は安すぎる!!と思いました。ひとつの芸術作品を仕上げるのと同じですものね。
毎年、冬アトリエには、引越しやなんらかの事情でアトリエに通えなくなった子ども達が、遠方から来てくれます。広島や京都からこの為だけに来てくださる方もいらっしゃり、活動を楽しみにしてくださっていることはもちろんですが、半分は会いに来てくれていることも感じ、ご縁を続けてくださることがとても嬉しく、たとえ短い時間であれこの子達に精一杯の心を尽くしたいと思います。アトリエと長いおつきあいをして下さっている方が皆さんおっしゃるのは、子どもが小さい時に、ほるぷこども図書館と出会い、和久洋三の積木と出会い、アトリエの活動と出会い、子育ての指針としてこれたことを本当に感謝しています、という言葉です。この度、体験記を書いてくださった方もそうですが、すんなり、なんの問題もない子育てなど殆どなく、色んな紆余曲折があるのは当然、でもその度にぶれるのではなく、絵本や積木、アトリエの活動を信じて、迷わずに待って下さいました。この時代ですから、教育に対する焦りや不安の中で、“待つこと”は、とても大変な覚悟と信念がいることだと思います。しかし、今年開校10年目を迎え、アトリエで育った子ども達の成長が、この教育はやはり本物であると、私に新たな確信と自信を与えてくれています。
先日、4年生の男の子達がある勉強系の雑誌の話をしていて、「あれは、学校で習うことを先にやってるだけのことやで。そんなことしたら授業がおもしろくなくなって聞く気がせえへんようなる。あれで勉強するより授業で聞くほうがようわかるやろ。あれは、学力低下の原因になるで。」と言っていて他の子も「それ分かるわ。」と言っていました。事の賛否、正誤は別として、4年生の子達がそんなことを自分の考えてとして持っていることにびっくり。さすがアトリエで育ってきた子ども達だなあと思いました。この年齢になると本当にあなどれません。こういうことを考えている子達にいい加減な受け答えなどしていたら、それこそ先生としての信頼をなくしてしまいます。幸い私には一目おいてくれているようですが、私達大人が考えているよりもずっと、子ども達は大人のやっていることを見ているということに気付かされました。
この激動の時代を私達がどういう姿勢で生きていくのか、何に価値観をおいて生きているのか、子ども達はしっかり見ています。子ども達に恥じない生き方ができるように、まず、大人から襟をただして、何が本当であるのかを見据え、子ども達にただ与えるのではなく、自らつかみとれる環境をこれからもつくっていってあげたいと思います。
今週は、粘土と機械部品を使ってクリスマスのレリーフをつくります。アトリエらしい作品ができますので、楽しみにお待ち下さい。
来週は子ども達も待ちに待ったお菓子の家づくりです。アレルギー等のご心配のある方は事前にお知らせ下さい。
2010.12.(2) アトリエ講師 星野 由香
はじめに、絵本、森のアパートを読んでジャングルや動物の家をイメージし、今年一番人気の積木、45度の構成ができる“おどろ木”でピラミッドを土台に森を表現しました。
さすがに小学生は慣れていて、ものの15分くらいで相当のところまで創り上げてしまい、このまま積木だけの活動にしたらものすごい世界が出来て頂ろうなあと思います。先月のイベントで和久先生と小学生が遊んだインパクトがとても強かったようで、クリスマスプレゼントでは、毎年一番人気のある“くむくむ”を抜いて予約が多いのも“おどろ木”でした。
以前に童具館の木工所に見学に行ったとき、製品のひとつひとつが本当に手作業でつくられ、仕上げされているのには、びっくりしました。私が見たのは、ケルンモザイクのカットと直角二等辺三角柱の積木を磨いて検品しているところだけでしたが、それでも入念に手間隙かけて創られており、これが45度、90度に複雑にカットされてある“おどろ木”をつくるとなるとどれ程の手間と技術が必要なのだろうと思うと、これで58,000円は安すぎる!!と思いました。ひとつの芸術作品を仕上げるのと同じですものね。
毎年、冬アトリエには、引越しやなんらかの事情でアトリエに通えなくなった子ども達が、遠方から来てくれます。広島や京都からこの為だけに来てくださる方もいらっしゃり、活動を楽しみにしてくださっていることはもちろんですが、半分は会いに来てくれていることも感じ、ご縁を続けてくださることがとても嬉しく、たとえ短い時間であれこの子達に精一杯の心を尽くしたいと思います。アトリエと長いおつきあいをして下さっている方が皆さんおっしゃるのは、子どもが小さい時に、ほるぷこども図書館と出会い、和久洋三の積木と出会い、アトリエの活動と出会い、子育ての指針としてこれたことを本当に感謝しています、という言葉です。この度、体験記を書いてくださった方もそうですが、すんなり、なんの問題もない子育てなど殆どなく、色んな紆余曲折があるのは当然、でもその度にぶれるのではなく、絵本や積木、アトリエの活動を信じて、迷わずに待って下さいました。この時代ですから、教育に対する焦りや不安の中で、“待つこと”は、とても大変な覚悟と信念がいることだと思います。しかし、今年開校10年目を迎え、アトリエで育った子ども達の成長が、この教育はやはり本物であると、私に新たな確信と自信を与えてくれています。
先日、4年生の男の子達がある勉強系の雑誌の話をしていて、「あれは、学校で習うことを先にやってるだけのことやで。そんなことしたら授業がおもしろくなくなって聞く気がせえへんようなる。あれで勉強するより授業で聞くほうがようわかるやろ。あれは、学力低下の原因になるで。」と言っていて他の子も「それ分かるわ。」と言っていました。事の賛否、正誤は別として、4年生の子達がそんなことを自分の考えてとして持っていることにびっくり。さすがアトリエで育ってきた子ども達だなあと思いました。この年齢になると本当にあなどれません。こういうことを考えている子達にいい加減な受け答えなどしていたら、それこそ先生としての信頼をなくしてしまいます。幸い私には一目おいてくれているようですが、私達大人が考えているよりもずっと、子ども達は大人のやっていることを見ているということに気付かされました。
この激動の時代を私達がどういう姿勢で生きていくのか、何に価値観をおいて生きているのか、子ども達はしっかり見ています。子ども達に恥じない生き方ができるように、まず、大人から襟をただして、何が本当であるのかを見据え、子ども達にただ与えるのではなく、自らつかみとれる環境をこれからもつくっていってあげたいと思います。
今週は、粘土と機械部品を使ってクリスマスのレリーフをつくります。アトリエらしい作品ができますので、楽しみにお待ち下さい。
来週は子ども達も待ちに待ったお菓子の家づくりです。アレルギー等のご心配のある方は事前にお知らせ下さい。
2010.12.(2) アトリエ講師 星野 由香