11月2回めは、石こうのマーブリングが固まるのを待つ間につくったWAKUBLOCKのおはことも言える円筒ドーム。各地のワークショップでたくさんの積木をダイナミックに使った万里の長城や、円筒ドームをつくったことが話題を呼びました。私はかれこれ20年は、この活動を見続けてきて、イベントでも何百回とやってきましたが、やはり初めて見た人は皆、驚かれます。
アトリエでも何回かやったことがあるのに、「どうやって中に入るの?」と後で穴あけをして入り口をつくったことを忘れている子もいました。子どもの記憶のメカニズムは、大人とは同じように考えることはできないようです。きっと、その時々により、子ども達の興味が違い、ただただ高く大きく積むことに感動する時期、まっくらにして中にライトを入れて遊んだことを覚えている子、最後に皆で積木の穴あけをした時に、どの積木をどう抜いたら壊れるかを考えるのが楽しい時期。きっと子ども達はその年齢ごとに、その時々に同じことをしても違う感動、違う興味を抱いていて、その時一番のことを覚えているんだと思います。

今回は小学生には、どうしてWAKUBLOCKはこんなに高く積んでも崩れないのか、どういう積木をどんな風に抜くと、大きな穴があけられるのかをできる限り伝えてゆきました。子どもは、どんな子も彼らの背景に特別な理由がない限り、真剣に話した時は、真剣に受け止めてくれます。この週の円筒ドームは加古川PRでの10年間で、子ども達と一緒に一番大きな穴をあけることができました。
それでも積木を抜き続けてゆけばいつかは崩れます。ぐらぁ~と大きな円筒が生き物のように揺れ、一瞬の静けさの中、スローモーションのようにずしーんとすごい音を立てて倒れる積木。その大迫力に圧倒された子ども達の顔。こんな光景もアトリエに通っていなければ見られるものではありません。自分達で創ったものだから、それが倒れる時も、子どもは1つの創造活動として受け止めることができます。
子ども達にとっては、そびえ立つ程大きく見えているでしょうね。日常とはかけ離れた大迫力の体験は、子ども達の心に大切な思い出として残ってゆくでしょう。
石こうのマーブリングは、まずはじめに水で溶いた絵具をケースにスポイトで落とし、石こうを流し込んで、竹串で混ぜ、またその上から絵具を落として円を描くように、竹串で模様をつけてゆきました。色と色が重なりあい、竹串をまわす度に模様が変わってゆくので子ども達も興味津々に楽しみました。ホームセンターで材料は揃いますので、是非、興味のある方はお家でやってみて下さいね。(注:石こうは絶対水道に流さないで下さいね。)
材料:石こう、竹串、水で溶いた絵具、スポイト、水、石こうをかき混ぜるスプーン
2010.12.(1) アトリエ講師 星野 由香