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前回の活動は、子どもたちの大好きなお料理でしたが、積み木のお寿司づくりは、お料理をしのぐ喜びようでした。子どものごっこ遊び好きは、大人の想像以上で、ごっこ遊びこそが子どもたるものの特権のような遊びであることをつくづく考えさせられました。今回の子どもたちの姿に、幼い子どもが、お料理が好きな理由なのも、食べられるということ以外の理由のひとつとして、お料理もごっこ遊びのように感じているのかもしれないと思いました。
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たまたまアトリエに遊びに来た卒業生(中1)の男の子が「こんなんしたなぁ、これめっちゃ楽しかったわ。」となつかしそうに言っていたので、「そんなに楽しいものなの?」と聞くと、小1の時につくった“積み木のキッチン”と“積み木の朝食バイキング”は1位、2位を争う思い出なのだそうです。他にもいっぱいあっただろう!!と思いましたが、そのくらい子どもはごっこ遊び(見立て遊び)を求めているということですね。
この世界は、日常(ご家庭)にこそ必要です。積み木のお寿司レシピを参考にして、是非、おうちで遊んで下さい。画用紙・折り紙でのりは必ず用意して下さいね。子どものわくわく感が違ってきます。親子コピカのお母さんのアイディア、“手巻き寿司”もおすすめです。
講談社から出版されている“15歳の寺子屋”というシリーズがあるのですが、(高学年の夏休み読書におすすめです。)そのひとつに霊長類学者の山極寿一さんが書いた「ゴリラは語る」という本の中に、ゴリラの子どもも、遊ぶことがとても大切であることが書かれています。
ゴリラの遊びも、人間の子どもと同じで、レスリングをしていたのが追いかけっこになったり役割交代をしたり、相手の出方によって自分の出方を臨機応変に変え、違う遊びに遊んでいるうちに変化してゆくそうです。つまり相手の気持ちを察する“共感する力”、遊びを考えだす“想像力”がなければ、遊び続けることはできません。遊びってすごいと思いませんか?
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子どもにとって、遊びながら学ぶというのは、アトリエならではのことでも、教育方針でもなくて、自然の摂理として当然のことです。ゴリラも遊ぶ能力は生まれつき備わっていると考えられていますが、その能力をひきだすには、小さい時の環境が必要なのだそうです。動物園で育ったゴリラは、子ども時代に異性、同姓問わず遊ぶ機会が少なくなり、共感する力が育たず、交尾さえ出来なくなると書いていました。
子ども時代に十分に遊ぶことの大切は、生きる力を育てるだけじゃなく、生命の存続そのものにも関係のあることを考えさせられました。人間に限らず、本来、天から授かった自然な流れに沿って生きること、生きさせてあげることは、私たちが考えているよりずっと重要であることを考えなくてはならないと思います。
子どもたちは、連綿と受け継がれてきた遺伝子の中に、生きる力をちゃんと持って生まれてきます。これからも、あせらず、迷わず、肝の据わった子育てをしてゆきましょうね。
2014.6.(3) アトリエ講師 星野 由香