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<5月2回目の積木活動について>
超大量の積木を使った活動は、アトリエでしかできないことなので、毎回、出来る限り子ども達の心に深く残ってゆくものにしてあげたいと思い取り組んでいます。積み木の円筒は、アトリエに長く通っている人達には見慣れた光景であるかもしれませんが、はじめて見た人は「これは一体、何?本当に子どもが作ったの?」と、どこでつくってもびっくりされます。
今回は、もう何十年と子ども達と円筒をつくる活動をしてきた私自身こそ、新鮮さがなくなっていることに気付かされました。新しい先生達にとっては、毎年の積木がアトリエでのはじめての体験ですから、緊張感と子ども達と同じようにわくわくしてやっている気持ちが伝わってきます。それがそのまま子ども達にも伝わり、私や有末先生とやっている時とは、また違った子ども達の姿が見られました。年長さんや小学生は、新しい先生に「自分は何回もやっているんだから積木のことは よくわかっている。」と、どれだけ自分が積木が得意なのかを見せている感じもありました。

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私が先生達の指導の為に「こんな風に間が空きすぎると上に積めなくなるから、そういう時はフォローしてあげてね。」と言っていると、それを聞いた子どもがさっと気付き、自分ですぐに直しはじめました。そのくらい教えてもらわなくても自分で出来るという感じでしょうね。そんな緊張感が子ども達にも先生達にもそれぞれあり、あの世界がつくりあげられたのだと思います。
子どもは与えられた環境をプラスに変えていく天才です。のびのびと育てられた子は、何事に対しても前向きで、五感から吸収してゆくエネルギーにあふれています。
3年生以上のピカソクラスの子達も、この度また急激な成長を見せてくれました。粘土で動物の顔の骨格をつくり、アルミホイルをかぶせて和紙を貼り、張り子をつくったのですが、それがもう見事としか言いようがありません。カリキュラムのヒントをくれた作家さんに写真を送って見てもらおうかと思うくらいです。どのクラスのどの子も、はじめは戸惑い、どうしてよいかわからないというところからはじまり、毎クラス私も、どうなるんだろうと思いましたが、最後には全員がつくりあげてゆくのですから、今回も子ども達に頭の下がる思いでした。どの子の作品も、動物なのに自分に似ているからおかしくて(´v`)この活動は、毎年恒例にしてもいいなあと思いました。
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私がいつも不思議に思うのは、この度のように全体が急激にレベルアップする時です。以前は親子コピカから通っている子がピカソクラスにあがってきたから、とか講師が成長してきたからとも思いましたが、ピカソクラスが評判になり、小学生から入会する子も増えてきているので、そういうわけでもないようです。色んな子が集まり、色んな親や講師が集まり、個々に成長する時期も違うのに、どうして全体が突然成長することがあるのかずっと不思議に思います。それは幼小コピカでも見られ、この度の積木の円筒も、かなりのものでした。全体というのは個々の集まりではないような気がします。アトリエそのものが、子ども達だけでなく親も講師もひとつの全体として急成長している、そんなエネルギーを感じる5月の活動でした。
このところ、急に暑くなったり、涼しくなったりで子どもも大人も問わず、体調を崩される方が増えています。皆様、お体ご自愛下さい。
2014.5.(3) アトリエ講師 星野 由香