前回の絵画では、難しい花の絵を子ども達は見事に描きあげましたね。特に年長さんの成長には驚かされました。4月に小学校入学を迎えるにあたり「この子は、大丈夫かしら?」と心配されているお母さんも多いと思います。私も小さい時から見てきた子達なので、ある意味ではお母さん達と同じような気持ちで心配をしてしまう部分もあります。今回の年長さん達の絵は、そんな大人達に「僕は、私は、ちゃんと成長しているよ」と語りかけているようでした。
今年、アトリエを卒業するIくんは、1才の時から6年生まで11年間、西宮から通ってくれました。彼が親子コピカの時、お母さんは、大学院生。勉強も子育ても家事も忙しい中、遠方から加古川まで来ているのに、Iくんは、動きまわってばかり。好きなことは自分流にやるんだけど興味ないことにはしらんぷり。ある日お母さんが「Iはおやつを食べにきているみたいだね。」とおっしゃっていたのを、今も覚えています。でも、お母さんは、I君を見守り、信じ、待ち続けてくれました。
そんなIくんが激変したのは、年中さんの時。一番印象に残っているのは、無我夢中で描いていた亀の絵。それからのIくんは、どんな活動も目をみはるような集中力と独特の発想力をみせ、6年生になった今では、誰がみても魅力のある少年に育ってくれています。今の彼を見て、親子コピカの時は大変だったんだよ、と言ってもだれも信じないと思います。今も色んな手ごわい子ども達がいっぱいいますが、今だかつてI君以上に大変だった子はいません(笑)。
彼の成長は、“信じて待つ”この教育に確信を与えてくれた初めの第一歩でした。
私はよくお母さん達に「大丈夫ですよ」って言いますが、それは、机上で言っているわけでなく、一人一人の子ども達が自らの成長で“大丈夫だ”と確信させてくれたのです。この度の年長さんの姿は、技術手的な向上だけでなく、“最後までやりきるのは当たり前、自分はやれるんだ”という精神面の逞しさ、“人はどうあれ自分はこれでいいんだ”という自信をまざまざと感じさせてくれました。私達の心配など、なんとちっぽけなものなのだろうと思わせてくれました。
これから4月になり、色んな立場で環境が変わる子ども達がたくさんいると思いますが、いっぱい遊んで、お父さん、お母さんに愛されて、認められて、しっかりと自己肯定感の育っている子どもは大丈夫。先日、テレビ番組で脳科学者が断言していましたが、“愛されている実感が脳を育てる”のだそうですよ。“愛されている実感”を与えるのと“転ばぬ先の杖”を与えるのとは、全然違います。もしかすると正反対のことになってしまうこともあるのかもしれません。たとえ転んでも、自らの力で立ち上がってゆける子ども達の力を信じて、これからも子ども達を共に見守ってゆきましょうね。
2014.3.(1) アトリエ講師 星野 由香
今年、アトリエを卒業するIくんは、1才の時から6年生まで11年間、西宮から通ってくれました。彼が親子コピカの時、お母さんは、大学院生。勉強も子育ても家事も忙しい中、遠方から加古川まで来ているのに、Iくんは、動きまわってばかり。好きなことは自分流にやるんだけど興味ないことにはしらんぷり。ある日お母さんが「Iはおやつを食べにきているみたいだね。」とおっしゃっていたのを、今も覚えています。でも、お母さんは、I君を見守り、信じ、待ち続けてくれました。
そんなIくんが激変したのは、年中さんの時。一番印象に残っているのは、無我夢中で描いていた亀の絵。それからのIくんは、どんな活動も目をみはるような集中力と独特の発想力をみせ、6年生になった今では、誰がみても魅力のある少年に育ってくれています。今の彼を見て、親子コピカの時は大変だったんだよ、と言ってもだれも信じないと思います。今も色んな手ごわい子ども達がいっぱいいますが、今だかつてI君以上に大変だった子はいません(笑)。
彼の成長は、“信じて待つ”この教育に確信を与えてくれた初めの第一歩でした。
私はよくお母さん達に「大丈夫ですよ」って言いますが、それは、机上で言っているわけでなく、一人一人の子ども達が自らの成長で“大丈夫だ”と確信させてくれたのです。この度の年長さんの姿は、技術手的な向上だけでなく、“最後までやりきるのは当たり前、自分はやれるんだ”という精神面の逞しさ、“人はどうあれ自分はこれでいいんだ”という自信をまざまざと感じさせてくれました。私達の心配など、なんとちっぽけなものなのだろうと思わせてくれました。
これから4月になり、色んな立場で環境が変わる子ども達がたくさんいると思いますが、いっぱい遊んで、お父さん、お母さんに愛されて、認められて、しっかりと自己肯定感の育っている子どもは大丈夫。先日、テレビ番組で脳科学者が断言していましたが、“愛されている実感が脳を育てる”のだそうですよ。“愛されている実感”を与えるのと“転ばぬ先の杖”を与えるのとは、全然違います。もしかすると正反対のことになってしまうこともあるのかもしれません。たとえ転んでも、自らの力で立ち上がってゆける子ども達の力を信じて、これからも子ども達を共に見守ってゆきましょうね。
2014.3.(1) アトリエ講師 星野 由香