夏休みが終わってしまいましたね。毎年、この時期になると子ども達と同じようになんだか寂しくなるので不思議です。
さて、今回は、童具教育の夏号で紹介されているケルンブロックについて、たくさんの質問を頂きましたので、ケルンブロックの説明をいたします。

ケルンブロックは、ドイツ語で、種子を意味します。文字通り“積木の種”。基本形態から成る積木の種子が6cmの立方体となって箱の中に収まっています。(他にもケルンボールやケルンモザイクがあります。)

ケルンブロックは、全ての積木・全てのアトリエ活動・創造教育の骨子ですから、以前は入会と同時に全員の方に買って頂くことになっていました。フレーベルの第3恩物でもある8個の立方体は、和久先生がそれだけで一冊の本にした程。この単純な積木にはたくさんの大切なことが秘められています。

童具子育て日記の純大くんは、はじめて手にする積木としてよく遊び、また、年長さんになり、形態への理解が深まってきたとき、“形”への興味が湧いてきたようで、一時期はケルンブロックばかりで遊んでいる時期がありました。ケルンブロックを総動員して、いろんな種類のロケットをつくり、誇らしげに見せてくれたのを今も覚えています。小学生になった今もよくケルンブロックを遊びの中に登場させています。

直角二等辺三角柱、正三角柱、円柱などの形の正確な呼び名や、1/2、1/4、1/3などを理解したのもこの時期です。ひとつの箱から同じ形態が出てくること、そしてそれがそれぞれの箱により違う形態であっても、どれも皆、6cm×6cmの立方体に戻ること、そしてそこに分割があることをくり返しくり返し遊んでいるうちに自然と身についたようです。数字や式は分からなくても、割り算や分数の概念が、その時に出来ているのを日常生活の会話で感じました。その理解が出来ていないのに、数字や式から入ってしまい、割り算や分数を暗記や知識の領域で行なえば、はじめは簡単でも、後に、とても難しいものになってしまうだろうなぁと思います。

純大くんより3つ年上で、今5年生になっているKくんも、年長のときにケルンブロックにはまり、1年生の時にはケルンブロックを全部揃えたいと言う本人の要望で、白木だけではなく、ブビンガの茶色シリーズを揃え、いろんな造形物をつくり、よく写真を送って下さいました。

また、今、4年生のSちゃんが童具のパンフレットを見て、この写真と同じ物がつくりたいと、まだ持っていないケルンブロックをお母さんに頼み、全て揃えたのも1年生の時だったと思います。

その時のお母さん達の言葉、「先生!!ケルンブロックってすごいですよ!!」家庭での積木遊びを私に教えてくれたのは、アトリエのお母さん達です。その中でケルンブロックのすごさも教えて頂きました。

今年は行なっていませんが、お母さん講座で、ケルンブロックの講座をした時も、“私が揃えたい”というお母さんが続出で、たくさんのご注文を頂きました。子ども達もお母さん達も、和久共育への理解が深まるほど、ケルンブロックに魅力を感じるのは、そこに積木の本質的なもの、また物事の普遍を直感するからなのだと思います。

アトリエ会員の皆様は、入会時に私と一対一の体験参加をされて入会された方が殆どだと思います。その一番最初に出会って頂いたのが8個の立方体だった事を覚えていらっしゃるでしょうか?

童具共育の夏号に掲載されている、“積木の出し方しまい方”を見て、アトリエの子は皆、体験
参加の時に同じ事をやったなぁと懐かしく思い出しました。子ども達、お母さん達との大切な出会いは、ケルンブロックから始まりました。

以前、入会時に買って頂いていたスターターキットAは、8個の立方体(A1)、8個の直方体(B1)、
16個の正方板(AB1)、直角二等辺三角柱(C1)の4つです。(そこに点と線を理解して頂くためのピンボード四角と6色ビーズ大穴がありました。)それから小角柱、円柱内包体を増やして頂いていました。

また、ブビンガを使った茶色シリーズもパターン遊びや積木遊びのアクセントに役立ちます。(スターターキットBは、面の世界を網羅した、ケルンモザイクのセットです。)DVDを見ながら是非遊んでみて下さい。

注文書をお付けしていますが、お求めになる前に、ご質問があれば星野までご相談下さい。
(つい性分でいつも忙しそうにしていますが、気を遣わないでお声をかけて下さいね♪)

2014.9.(1) アトリエ講師 星野 由香