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例年通り、4月1回目の活動は、球から始まります。球は、たくさんの形のある中で“中心点から表面までの距離が一定である”という最も単純な秩序を持つ形態です。
どこから見ても同じ形に見えるのは、唯一、球体だけです。この最も単純な形態が、遊びやスポーツ、ゲームなど、老若男女問わず、最も、人間に親しまれてきました。
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先週の親子コピカの活動では、初めにママボール(海綿体の素材)で自由遊びを行い、その後、雨どいに転がし、それから、ピンポン球(中が空洞の素材)、木球(密度の高い素材)と素材を変えてゆきました。単純な形態だからこそ、素材の違いによる動きの変化を直感することが出来ます。作品づくりでは、親子コピカは恒例のママボールに絵の具を付けての描写活動を行いました。球には、点も線も面も見えませんが、絵の具を付けて転がす事により線が、押し付けることで面が、弾ませることで点が現れます。教えなくても子ども達は、自分でやってみてその表現を楽しんでいました。是非、お子さんの小さいうちは得に、ボール遊びをたくさんしてあげて下さい。今回、遊んだお部屋でも遊べるママボール(¥811)は、アトリエで購入できますので、スタッフにお申込み下さい。

幼小コピカでは、クラスによって違いますが、はじめに先生×生徒で真剣勝負のママボール対決をしてから、色別チームに分かれて玉入れをして遊びました。ボールのぶつけ合いでは、小学生は、先生相手だと遠慮なしの剛速球が飛んでくるので、やんちゃ男子はマークしていたんですが、油断した時に飛んでくる女の子の顔面攻撃、私が「いたあ~っ!!」と言うと、にやあと笑って喜んでおりました。女子、おそるべし〈笑〉。
その後は、クラスで最年長の子に木の根から幹、枝を描いてもらって、他の子には、枝を足したり、間を塗ってもらって木を描きあげました。(力強いすごい木でしたよね。)それからママボールでスタンプして、隙間をそれぞれ好きな絵の具で塗り、線を書き足し完成です。“自分達のクラスの木”を描こうというテーマだったので、皆が自然と協力し、大きい子達が「塗るのは白いところだけだよ。」と声をかけたり、少し離れたところから見て、足りない色を足したりしていて、どちらかと言えば、色遊びで絵の具だらけになるだろうと予想していた私は、全員が芸術家と化す姿に驚いてしまいました。子どもははかりしれません。
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中でも感動したのは、2年生のNちゃんの姿。汚れるのも嫌いだし、注目されるのも苦手なのに、堂々と木を描きあげた事が自信になったのか、画面の中心に入ってきて、もう止まらないという感じで、足の裏が絵の具だらけになっても、皆の注目も意に返さず、我を忘れて描き続けていました。外で見ていたお母さんも私も思わず涙。この一瞬があったかなかったかで、この子の人生は違ったものになるかも知れない、と思うくらい神性すら感じる姿でした。

この度、加古川プレイルームでは、初めて和久先生を御呼びして、童具子育て講座を行います。5月9日(土)の1回目は、創造活動についての講義、球の活動についての理論と実践です。10日(日)は、積み木の理論と実践となっております。いずれも、子育てにおいても、教育においても、自分自身においても、深い学びをえられます。また、少人数で行いますので、和久先生に直接、相談、質問もして頂けます。お子さんが大きくなっていても、学びに遅いはありません。どうしようかなと、迷っていらっしゃる方は、是非、この機会を逃さずご参加下さい。

2015.4.(2)アトリエ講師 星野 由香