アトリエも長いお休みでしたが、皆さん楽しい夏休みを過ごされているでしょうか?真っ黒に日焼けして、逞しくなった子ども達に会うのが楽しみです。
アトリエでは、8月のコペルクラスで8日が25人、9日が18人の総勢43人んで絵本作りをしました。お弁当を持ってきて10時半から16時まで、小さい子も高学年の子も本当によくがんばりました。プロの作家さんだって何年もかけて1冊の絵本を完成させるのです。どんな絵本であれ子ども達が1日で完成させるのはとても大変なことです。

私達講師は手助けはするけど、アトリエ流絵本講座ですから、子ども達は自分の力でお話しも絵も完成させなければなりません。幼児は、好きな絵を描いて、子ども達の言ったことを講師がそのまま描きました。小学生は、多少、ストーリーのつじつまがあわなくても自分で頑張りました。自分の作品を発表している子ども達も聞いている子ども達の姿勢も素敵でしたね。大人になって自分の絵本を見た時、とてもいい思い出になると思います。是非、大切にとっておいてあげてください。

私は、絵本作りの講師もしているのですが、毎年常連で来ている子達は、年々、おもしろい作品をつくるようになり、その成長に驚かせられます。アトリエでも恒例行事にしてゆきたいと思っていますので、今回参加できなかった方も来年、ご参加下さいね。どんなことでも、自分の創意工夫で時間内に作品を完成させるという体験は、意外とやってきていないものです。大人になるとなおさらそうですよね。でもアトリエの子ども達は、アトリエにくれば、必ずひとつの作品を完成させて帰ります。

アトリエの子達にとっては当たり前のことですが、その体験は、物事を必ず完結させる習慣が身に付き、その為にはどんな用意をして、どんな時間配分で行い、何を一番優先させれば良いのか、などの段取り能力も身についてゆきます。それは学業においても、スポーツや芸術活動でも必要になる能力です。社会に出た時にはもちろん必要不可欠な力のなると思います。アトリエで子ども達が身に付けている力はたくさんあるけれど、それは何かに特化した技術的な能力というよりは、人生を生きてゆく為の“土台”となる力、“生きる力”です。あるお母さんが、「うちの子は、特別な能力はないかもしれないけれど、今、私達夫婦に何かあっても、この子達は生きてゆける。そう育てた自信はある(1年生と5年生の兄弟)。」と言っていました。すごい、と思いました。

私もその子達は、生きる力ときれいな心が育っていると確信できます。あるがままの子どもの姿を全てを受け入れて、見守り続けてゆきましょうね。親の育てたいように育てるのではなく、その子の育ちたいように育ってゆけるように応援すること、それが、結局は、生きる力を育てることへとつながってゆくのだと感じます。

2017年8月③アトリエ講師 星野由香