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先週の子ども達は、細胞が喜んでいる!というくらい楽しそうでしたね。先生も一緒になって子ども達と一体化していました。最後のクラスでは、ほぼ菩薩のような表情になっていた藤本先生でした。
子ども達にとってのアトリエは大人が思うよりも、心のリセットができる場だあることを思います。この時間、本当に大切にしてあげたいと思います。

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AIの土台よりも人間の土台を前々回ピカソクラスで行った粘土と和紙の動物づくりは、私も畑先生も思い入れのある活動で、彫刻家の三沢厚彦さんのイメージを参考にさせてもらいました。子ども達がつくりそうな作品をつくる作家さんなんです(笑)。
まず木っ端で骨組をつくり、ガムテープで固定。それから首・顔部分は新聞紙でつくり、粘土で肉付け。和紙を貼って1週目は完成。この状態でも十分にかっこいい彫刻になるのですが、2週目に色付けをして更に完成度があがりました。子ども達のつくる動物たちの生命力と躍動感。勝てないなあ、あの子達、ほんとうにすごいな、と感動の毎日でした。

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その中で1週目に、あっという間に・・・をつくりあげたYくん。他の子の半分以下の時間で和紙を貼るところまで出来てしまいました。彼はひとのまねは一切することはなく、自分の中に浮かんだイメージのままに、まるで作品の中に入ってゆくような作り方をします。人はなかなかそんな風になれません。集中力という言葉を通り越して神々しくすら感じました。“Yくんはこのままこんな風に生きていってほしい。この姿は彼の生き方だ”と思いながらY君のそんな姿を見ています。子ども達が何かに取り組んでいる姿を見ている時、集中している時も、迷っている時も、満足している時も失敗したと感じている時も、人生の縮図を見ているような感じがするときがあります。最近読んで今、皆さんにおすすめしている安野光雅さんの“かんがえる子ども”の中に、安野さんが、学校の図画工作の教科書を佐藤忠平さんんと共作したときの子ども達へのメッセージがのっていました。
「この本を読む人へ
図画工作の時間は、じょうずに絵をかいたり、ものを作ったりするのが、めあてではありません。じょうずにかこうとするよりも、見たり考えたりしたことを、自分で感じたとおりに、かいたり作ったりすることが大切です。しんけんに、絵をかき、ものを作り続けていると、じょうずになるだけでなく、人としての感じ方も、育ちます。このくりかえしのなかで、自然の大きさがわかり、どんな人にならなければならないかが、わかってきます。これが、めあてです。」

器の大きい深い言葉であると思います。子ども達にとっての創造活動を、こんな風にとらえて、彼らの心とていねいに、大切に向き合う大人達と一生のどこかの部分でもいいから出会えたら、子ども達の人間性の器も変わってゆくだろうと思います。時に私たちは目先のこととらわれて、ていねいに子どもと接することを忘れてしまっている時があると反省します。創造活動は絵をかいたり、ものをつくったりすることだけでなく、まさに、自分で考えるという行為そのもののことです。これからの時代を生きる子ども達に、自分で考えるということが、これまで以上に真剣に身に着けてゆくべきことであるように思えます。皆さんのお子さんはどうですか?

※7月24日火曜日 かずの木研修 10時半から12時くらい
託児は1500円必要です。
※21世紀美術館8月28日から9月2日まで ピカソクラスの壁画が展示されます。

2018年7月③アトリエ講師 星野由香