子ども達の平成最後の夏の絵画、しびれましたね。なんとかっこいい絵を描く子ども達なのでしょう。毎回同じことを言いますが、同じものを描いたとは思えないくらい、皆違って皆いい。何をどう思ってこういう絵が描けるのか、頭の中をのぞいてみたいです。
子どもはある日突然成長すると言いますが、アトリエの絵画ではわかりやすくそんな日があります。絵が急に変わる事ってありますよね。幼い子どものそういう姿は、何百回と見てきましたが、今回は5,6年生にもそういう日がくることを実感しました。

ベビーコピカ(時々やってます)の0歳から来ていた5年生のSくんは、何がどうというわけではないのですが、最近何かと行き詰まっている姿をよく目にしていました。そんな状態を私はアトリエ過渡期と呼んでいるのですが、やる気がないわけじゃないけれど、活動に乗り切れていない、人の作品が気になるけど、人とは違う作品がつくりたい、でも思ったように作品ができない、そもそもどんな風にしたいかがわからなくなる、かといって先生の助言に従うのはいや、そんな感じではないかと思います。難しい~!
普段は、ただひたすら子ども達を見守るアトリエですが、今回、Sくんに“気合をいれてやろう!”と思って(笑)、デッサンの時に「鴨は形とるのが難しいから、ここの曲線はこんな風に・・・」とか「ここの色をはっきり分けるのが鴨の特徴やから・・」とかちょっと口うるさくアドバイスしてみました。多分、Sくんからしたら“急になんなん?”だったと思うのですが、高学年になると何か言ってくれた方がやりやすい時もあったりします。やっているうちに、だんだん気合が入ってきて緊張感がでてきたのがわかりました。それからは無我夢中。そうなったらお好きなように。私のアドバイスなんて実はなんでもいいんです。実際アトリエの子は、私が何を言ったって自分のやりたいようにしますから。要は、子ども達の気持ちが画面に向かう為のきっかけになればよくて、それを子ども達とお互いにやっている感じです。本人達も意識しているわけじゃないと思うけれど、こういう自分もどうしていいか若干わからなくなっている時の彼らは、私の誘導に上手にのってくるんですよね。普段は少しでも何か言うと怒るくせに(笑)。小さい子は、すっと創造の世界に入ってゆけますが、高学年になると色々難しい。特にアトリエの子は勘の鋭い子が多いので、畑先生も大変です。その日Sくんは、久々に自分でも納得のいくすばらしい作品ができて、“進化記念日”と喜んでいました。(進化記念日って言葉、いいでしょう?)それから、集中できたことをとても喜んでいたそうです。集中したいって子ども達も思っているんですね。子ども達にまかせるアトリエですが、そういう状態をつくってあげるのは、私たち講師の役割であることを思いました。

8/28~9/2の21世紀美術館での作品展も、ものすごくかっこよかったです。加古川からもたくさんのご家族に来て頂き、遠いところありがとうございました。やはりアトリエは習い事として別格だなあと改めて思いました。2018年度後期もとても楽しみです。


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2018年8月③アトリエ講師 星野由香