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先週の作品は、皆、かっこいい仕上がりになりましたね。粘土に型押ししたり、ペンキを塗ってまたヤスリをかけたり、結構、大変な作業が続きましたが、どれも楽しそうにやっていました。(ヤスリのほこりが残っている場合は、乾いた布や歯ブラシ、筆などで落としてください。水でさっと洗っても少しペンキが剥げますが、きれいにとれます。)同じ工程でつくっているので、個性の出にくい作品と思いきや、子どもがつくるとやっぱり、“皆違って、皆いい”になりますね。
こうゆうアーティスティックな作品を子ども達はどう感じているのだろうと、水曜2年女子の会話に耳を澄ましていたら、
「コレ、なんか工場みたいやな」とRちゃん。
その語り掛けLちゃんの返しが「何世紀の?」(笑)。
普通、何世紀ってなりませんよね。
それに対してRちゃんが「22世紀」。
Lちゃんが「未来なんや」と会話が続き、
Rちゃんが「未来の建物はみんな寒色系になっているやろね」
そこで私が「えっなんで?」と口を挟みました。
Rちゃん「温暖化で熱いから、見た目だけでも涼しくする為に、建物は寒色系になるかなあと思って。」

なんて文化的で知的で優雅な会話なんでしょうね。豊かな言葉と豊かな感性が紡ぎ出す会話は、聞いている方の心も格を一段、上げてくれます。きっと、アトリエでしかできない会話なんだろうなあと思いました。ピカソクラスで本の話しをする時も、子ども達は楽しそうです。私もそうなんですが、自分が読んだ本の話しが出来る相手を見つけると、ものすごく嬉しくて会話が尽きません。それは、相手が大人であっても子どもであっても同じです。本が好きな人は本の話しになると人が変わりますよね。胸の奥にあったたくさんの本棚から、次々と本をとりだしてゆける喜び。子ども達にとってのアトリエはそんな感じなのかもしれません。同じ文脈を持つ友達と話しができたり、同じ空間を同じ空気で感じとれる子どもが集まる場所でもあるのではないかと思いました。上記写真は、その会話の2年女子と男子が、お互いに声優のように担当の役を演じて読んでいるところです。(“オレ、カエルやめるや”大好評でした。教えてくださったお母さん達、ありがとうございました。)感性が豊かで感受性が強い子ども達ほど、低学年の時は中々の苦労しているようですが、客観思考の芽生える3・4年生になると、自分と周囲の折り合いがつけられるようになってくるものなのだと、アトリエの子達を見てきて思いました。
今の時代は、子どもの世界もわけがわからないことでいっぱいです。昔もそうだったのかもしれないですが、変化のスピードと情報量が違うから、予測もつかないし、自分の体験が参考になりません。子ども達が苦しい立場に立たされてしまった時、どういう対応が正解なのかわかりづらくなってきました。こういう時代だからこそ、子ども達の心にゆるぎのない“核”を創ってゆかなければなりません。心無い人達の言葉や態度で、自尊心を打ち砕かれてしまわないように、心の深いところで感じたり考えたりできる言葉や物語にたくさん出会っていて欲しいと願います。もちろん、色んな体験をしたり、色んな人に出会うことも大切です。ですが、一人の人生で出会えることには限りがあるのです。今お子さんが、今年の年長さん、1・2年生の方に、読んでいて欲しい物語のリストをお配りしています。是非、子ども達に、生きる力となる本への扉を開いてあげてください。

2019年2月②アトリエ講師 星野由香