先週のシルクスクリーンのトートバック、親子クラスからピカソクラスの子ども達まで皆、喜びましたね。実用的に使えるものを自分でつくれる喜びは大人も子どもも同じ。今回はお母さん達からも“つくってみたい”というご要望を多数いただきましたので、また、お母さん講座で行いたいと思います。楽しみにお待ちください。

はじめに行ったケルンモザイクの世界もとても素敵でした。前回、お配りした童具共育の美しい作品は全て創造共育を園で実践している保育園の年長さんがつくったものです。私もアトリエの子ども達や、園の子ども達と創造共育を行う中で、子ども達が持っている創造の力にはいつも驚かされます。先週の園での積木では、3歳クラスの子がピラミッドをつくっていて、一つ完成してから、「これより少し大きめがつくりたい」と土台の数を数えている姿を見ました。土台の大きさを変える為に数を数えていたことにも驚きましたが、理由はわかりませんが、それからも一段一段、個数を数えていました。もし、数が1段ごとに一つずつ減っていく事に気づいたら、三角数の公式を導き出せるのではないかと思わせるような哲学的な表情でした。でも環境があれば、本当にそれに近いことを子ども達はかんじているんだと思います。そしていつかそれが勉強という形で子ども達に届けられた時、子ども達にわくわくした知識の泉が広がっていく、そんな学び方が出来れば、学校の勉強も知識の贈り物として、もっと前向きになれるのかもしれません。でも、その
学びの第一歩は、子どもは自分で発見したいんです。教えられて発見しても、喜びになりません。大人が無理やりやらせようとしなくても、子ども達には、好奇心と活動衝動、創造力がそもそも備わっています。私達大人の役割は、子どもを一人の人間として尊重し、本物の環境を用意して、信じて待つだけ。環境を整えて、子どもの自主性を重んじて子どもの力を信じた時、必ず見ることができる子どもの成長があります。

先月、兄弟でアトリエに通ってくれている一番末っ子の6年生の男の子が、急に読書に興味持つようになりました。コロナ禍で本を読む時間が出来て、それから読書の面白さにはまり、クロニクル千古の闇というおもしろいけれど難しい児童文学に挑戦しています。新しい本が届くのが待ちきれずに私の本を借りに来てくれた時は飛び上がるほど嬉しかったです。これもお母さんが環境を整えてくれていたからこその成長です。

また親子クラスで2歳に出会った女の子も、紆余曲折いろいろあり、お母さんと泣いたり笑ったりの子育てで、アトリエに来たくないという時もあったり、心配しましたが、5年生になって、仕上がったなあと思わせてくれる姿を見せてくれています。自信のない時期はお友達のまねをしてやりすごすこともありましたが、先週のケルンモザイクの構成では、物凄く悩みながらも自分の世界をつくりだしていました。この子にとってそれがどれほどのことであるのかわかるだけに、心の中で大拍手でした。

信じて待つことが出来た時、必ず子どもは答えてくれます。アトリエを開校して20年たったからこそ言えることですが、11月に行った和久先生のリモート講座の冒頭でお話しさせて頂いたように、お兄ちゃんのお姉ちゃんの代から長く通われている方は、このアトリエに来て、和久先生の積木で遊んできて、それで良かったんだとご自身の子育てに確信をもってください。また、新しく入られた方も、ここに来て本当に良かったんだと思って頂ければと思います。そうわかって頂く為にも、和久先生の講演は是非、聞いて頂きたく、また“年末年始の時間のある時にみたい”というご要望もあり公開期間を延長しています。お申込みをされる方はスタッフまでお声かけ下さい。
(講座料金は3,000円になります。)

童具館の積木(童具の世界)には、フレーベルの恩物を骨子に球体、円柱、立方体、半立方体、半直方体、平面、直線、曲線、点に至る系統的な構成がなされています。全てに関係性があり、ひとつの宇宙が完成するところが他の積木との大きな違いです。8個の立方体から導きだせる部分的全体の法則は、生命合一の法則、宇宙のあり方でもあります。(そのことについてはまた詳しくお伝えしますね。)
全ての本物がそうであるように、童具館の積木には、数学的な法則だけでなく、人間の核となる思想が内在しています。是非、お子さんの童具環境を整えてあげてください。

今年のクリスマスプレゼントはたくさんのお申込みを頂きました。まだ、迷われている方への参考として、一番人気はクリスマスツートン積み木30,000円です。こちらはアトリエに在庫があるのですぐにお持ち帰り頂けます。子どもへと言うより、ご自身のプレゼントとして買われた方も多い、オシャレな積み木です。毎年、大人気のくむくむは去年買われた方が多く、今年はかずの木を買われている方も多いです。(なぜか今年は白木が人気)。でもまずは、積木のいろはやホップ、ステップ、ジャンプなどの基本の積木がおススメですので、そちらから揃えてくださいね。

2020年、コロナ禍で大変1な年となりましたが、どんな時代になろうと、どんな状況になろうと、ぶれない子育ての核をしっかりもっていれば不安になることはありません。来年も共に子ども達を見守っていきましょうね。

今年もお世話になりました。良いお年をお過ごしください。


2020年12月③アトリエ講師 星野由香