ほるぷ絵本館

体験参加のお申し込み 無料で資料請求

アトリエ通信

先週の幼小コピカ鯉ぼり、とても素敵でしたね。教室に入った途端に目に飛び込んでくる鯉のぼりに大喜びしていました。面白いのは、鯉のぼりを見て描いているのに、その通りに塗っている子が殆どいなかったこと。特に鯉のぼりはよく目にしていると思うし、真鯉、緋鯉で黒、赤や青というイメージが固定していると思ったので、女の子は赤、男の子は青、みたいになってしまうのではないかと少し心配しましたが、そんな心配は無用でしたね。よくぞこれだけ違う色で塗れるものだなあと感心してしまいました。素敵すぎて何も言う事はありません。もし出来るなら、子ども達の描いた絵を布に印刷して、鯉のぼりをつくってみたら、すごく素敵な鯉のぼりができるだろうなあと思いました。車の窓用のシートを貼って保管する方法もあるみたいです。

1622772297.jpg

1622772301.jpg

1622772309.jpg

絵画は、子どもによって、終わる時間が全然違うので、早く終わった子から、そのクラスのその時の様子に応じて、ツートンブロックをしたり、端紙に絵を描いたり、ドットシールで作品をつくったり、色々やっているのですが、ある幼小コピカクラスで、ピンボードでもりあがったクラスがありました。(このクラスはなぜかオマケの時間が盛り上がる(笑)。)私が出したお題をつくるのですが、お題があると、ものすごく楽しいらしく、皆、つくるつくる(笑)。とまりませんでした。ピカソクラスの漢字大会以外の遊び方で、ここまでピンボードで盛り上がったのは初めてかもしれません。出したお題は、家、ちょうちょ、クレーン車、消防車、クワガタ、おはな、かぶとむし、などなど。どの子も次々につくっていて感動してしまいました。もっと難しいのをだしてって言うので、多分出来ないだろうと思ったけど、かまきりって言うと、つくってしまいましたね。もう顔の部分をつくっただけでカマキリに見えてしまうからすごい。何本かの線だけで簡単に表現してしまうのがスゴイですよね。大人だと難しく考えてしまって、こんな風にはできません。このクラス独特の雰囲気もあるのですが、これだけ楽しむ子ども達の姿に、私もその時一緒にやっていた畑先生も目からうろこでした。点と点をつないで線にして面にして表現するピンボードだからこそかもしれないのですが、同じやり方で、ケルンモザイクや積木でやってみてもおもしろいと思います。
お家での童具遊びで、是非、やってみてください。

※和久先生のYouTube講座が6月4日からはじまります。質問者はキッザニア東京の企画運営をしているしみずみえさん。人間の精神を豊かにするには間違いだらけのおもちゃ選び、集中力を引き出す条件、勉強の先取りは必要?など学びがいっぱい。YouTubeのことはよくわからないのですが、開始3時間が勝負らしいので是非、4日の20時から視聴して下さいね。よろしくお願い致します。

2021年5月①アトリエ講師 星野由香

1622771619.jpg
先週のアトリエは、円をテーマに石こうレリーフをつくりました。淡い色合いのあじさいのようなきれいな作品に仕上がりましたね。硬化する間につくった風船人形も、とても楽しんでつくっていました。
石こうレリーフはで、仕上がるまでの過程が結構大変で、初めに①円に切った厚紙にボンドを塗って輪ゴムを貼り付け、②粘土を綿棒で平にのばしてから、①をプレスして凹をつくり、そこに③ビーズの凹をつけて型にしました。枠をつけてから、④石こうを溶いて流し込んで、レリーフの完成、それから⑤薄く水で溶いたリキテックスで着色しました。

粘土をはがした瞬間、「うわあ~」と子ども達の歓声が聞こえます。この作品は繊細な凹凸がつくる光と影が美しいので、その美しさを色で邪魔してしまわないように、あえて絵の具を薄くしていたのですが、「色塗るよー」と言った瞬間、「えっこれに色塗るの!!これはこのままがいいと思うけど」と言った子がいました。彼の作品はビーズでたくさんの凹凸を丁寧につけてあり、確かに、これは色を入れたくないだろうなあという気持ちがとてもよくわかりました。やってみないとわからないということもあるんですが、彼の色を塗らないという色の感性の鋭さ。子ども達のこういう言葉、聞き逃してはいけないなあと思いました。そういう思いで、子ども達の作品を丁寧にひとつひとつ見ていくと、一瞬、同じように見える作品も、それぞれに意図が感じられて、はっと気づくこともあります。「あっ、だからあの時、あんなことしていたんだ。」とか「なるほど、それでそう言っていたんだな。」とか。子どもの観察はとてもおもしろいです。子ども達に教えられて、次はこうしてみよう、ああしてみたらどうか、と考える毎日はとても楽しく、子ども達から人生を与えられていることに感謝する毎日です。

ピカソクラスでも、すごい!!と思うことがありました。先週のピカソクラスは童具ケルンボールを8球でつくったのですが、色を塗る時に松井先生に色の循環色の話しをしてもらい、それを意識して、着色してもらいました。“3原色は他の色を混ぜてもつくれない”という話しをとても興味深く聞いていたので、土曜日のクラスで「赤の反対の色はなんだと思う?」って聞いたら(反対という表現が適切かどうかはわかりませんが)、ほぼ当てずっぽうで「緑」って、誰かが答えた時、5年生のS君が「そういうことか!なるほど」と言って「じゃあ、青の反対はオレンジで黄色の反対は紫やな」って言ったんです。私は「えっえっ!何がなるほどなん?なにがわかったん?なんでわかるん?」って聞くと彼は
“赤の反対(補色)は緑、これは3原色の赤以外の青と黄色を混ぜた色”という情報から、青の反対は、赤と黄色を混ぜたオレンジ、黄色の反対は、赤と青を混ぜた紫、という法則を瞬時に導きだしたんです。すごくないですか?これ数学でもありますよね。こういうことって美大でも教えていないらしく、感動してしまいました。彼は、4年生の3月に入会してくれたんですが、よくぞアトリエに来てくれた!と思いました。こういうことに気づける子にとって、アトリエはより特別な場所になっていくだろうと思います。その時、感心したのは、そのクラスの他の子もその子の言っていることをすぐに理解して、「ほんまや、すげえ!」と言っていたところ。こういうことを「すげえ」って思える君たちも「すげえよ」と思いました(笑)。

アトリエでは学校や周囲のお友達とはまた違った、価値観や感性をもった子ども達に出会え
る場でもあります。子どもの数が少なくなった今、そういう意味でも子ども達の居場所としてもアトリエの大切さも感じました。

2021年4月③アトリエ講師 星野由香

先週は久しぶりに会った子ども達が、とても大きくなっていて驚きました。とくに2歳前後の子ども達の成長が著しく、言葉は急に出るようになり、以前に増して好奇心が旺盛になり、目に見えて集中する時間が長くなり、もしこの子達が大人のように話せたら、「私達、今、とっても忙しいのよ。邪魔しないで好きなようにさせてくれないかしら」って言っているようでした。幸い、アトリエのお母さん達は子ども達の子の気持ちをわかってくれる方なので、アトリエの子達は幸せですね。

前回の活動では、球をテーマに線材で球体を構成しました。(アトリエの活動はフレーベルの恩物に従い、形をテーマに球→円柱→四角柱→三角柱→点線面の順に年間カリキュラムが組まれています。)はじめに、親子は絵本“いろいろおんせん”、幼小は“だれのたまごかな”を読んでから、カラードフォルムの帯にドットシールを貼って、ホッチキスでとめて、円にしてから練習で球体づくりをしました。ホッチキスは家でよくつかっている子は、年齢に関係なく使い方が慣れていて、つまった芯を自分でだしてから、やり直している年少さんにはびっくりです。それから、クラフトバンドに着色してから、円にして、組み合わせながら球体にまとめていきました。
久しぶりのアトリエだったこともあると思いますが、“線が円になり、それを組み合わせて、その重なり合いで球体がつくられていく”という活動内容が新鮮だったようで、みんな、いつもに増して集中していました。それとコロナ対策ではあるのですが、一人ひとりの空間があり、しきりで囲われていることが、集中しやすい環境を整えているということもあったようです。普段、周りが気になる子も落ち着けたようで、一人ひとりの子どもにあった環境を用意することの大切さをあらためて感じました。

お母さん達から「なぜ、色のついている方を内側にするのですか?」という質問がありましたが、それは、子ども達にすべての形に点・線・面があることを直観してもらう為です。四角柱だと点と点が線になり、線で面が構成されて、立体になるということが、一目瞭然でわかりますが、球にはそれが見えません。でもあるんです。こういう話しをするとき、和久先生がいつも口ずさむ「見えぬけれどあるんだよ。見えぬものでもあるんだよ。」金子みすゞの“星とたんぽぽ”がうかんできます。“見えない”から“ない”ということではないんですよね。なので、線の重なり合いが球を構成していることを、見えやすくするために、色を中にして、白い方を外にしました。不思議だったのは、子ども達がそれを自然と受け入れたことです。せっかく色を塗ったのに、それを内側にするって普通だと違和感がありますよね?
でも殆どの子ども達が何も言っていなかったので、子ども達にとっては自然だったのかもしれません。

今週は石こうでわごむとビーズのレリーフをつくります。楽しみにお待ちくださいね。

※活動内容の説明は活動終了10分前くらいに致しますので、その時間にお集り下さい。
※大きめの作品袋をご用意くださいね。
※タオルをご持参頂きます様、お願い致します。

2021年4月②アトリエ講師 星野由香

この度は不足の事態となり、みなさまにはご心配とご迷惑をおかけし大変申し訳ございませんでした。
5月からは、感染防止を強化し運営に努めていきたいと思っております。

遅れましたが、入学、入園おめでとうございます。つい最近、お母さんのお腹のなかから出てきた子達、つい最近まで親子コピカでお母さんと色んな紆余曲折を繰り返していたのに、そんな子達が、ランドセルを背負って小学校に通うなんて、写真を何人か見せて頂きましたが、胸のあつくなる思いでした。保育園や幼稚園に通い出した子ども達も一体どんな顔をして、過ごしているのかなあと、片隅からのぞいていたい気分です(笑)。

保育指針が、子ども主体の保育に変わってから3年がたちました。この指針を読んだ時は和久先生が40年前から言い続けてきたことが、やっと国レベルで認められたと、とても嬉しく思いました。でもそれが現場に届いて、理解されて、子ども達に反映されるには当然、時間がかかるだろうと思っていましたが、3年経ってようやくその兆しが見えてきたように感じています。
ですが、子ども主体の保育というのは、具体的にどういうことなのか、これまでの保育となにが違うのか、どうして改訂されたのか、と聞かれたら、それに答えられる保育士さんはそんなにいないんじゃないかと思います。お母さん達もお子さんの入園に伴い、知っておきたいところですよね。

まず、戦後から今までどういう保育だったのかというと(もちろんもともと子ども主体の保育をされている所はたくさんありますが、一般的にという意味です)、皆さんもご自身の体験があると思いますが、クラス全員が一斉に同じことをして、全員が決められた年齢までに、同じことができるようになるまで、できない子もひきあげていくというやり方でした。皆に同じことを大人の指示でさせて、出来るだけ遅れる子がいないようにひっぱっていく。それが上手にできる保育士が高評価されるというあり方です。子どもの意志が反映されているわけではありません。その保育がどのように変化しようとしているかというと、昔風に上手にひっぱていく保育を克服して、子ども達一人ひとりが自らの興味に従い、自分のやりたいことを見つけて、時には友達と共同しながら、自分達で試行錯誤していく、とうのが新しい保育指針です。そして保育士は、子ども達のその姿を応援し、子ども達が主体的に様々なことに取り組める多様な環境を、丁寧に整えることに心を尽くすことが、とても大事であると言われています。私もアトリエ通信で子ども達が集中できるように、創造力を存分に発揮できるように、環境を整えることに心を尽くすということを常に書いてきました。新しい保育指針は、アトリエの考え方と同じところが多くありました。でもフレーベルは200年前から、同じことを言っています。“子ども達が生きる力を育むために、私達が出来ることは、子どもが人間の本質を発揮できる環境を整え見守ること”やっと200年前のフレーベルに思想に追いついたんですね。
一斉保育の流れは日本の保育環境にも理由がありました。欧米では、多くても一クラス15人以上になることは殆どありません。それに対し、日本は、30人くらいが1クラス。私の時代など、中学は16クラスあったくらい子どもの数が多く、一斉保育しかできなかったというのもあるのかもしれません。
では、長年、そういう保育だったのにここにきてなぜ改訂されたのか。それには、小さい子ども達の研究がようやく本格的にできるようになったということがあるそうです。実は1,2歳の赤ちゃんがどういう風に発達するのかについて、これまではっきりとしたことは言えませんでした。例えば、生まれたばかりの赤ちゃんは目が見えないと思われていて、しばらくしてから見えると私も学びましたが、機器の発達により、赤ちゃん側から見えていることが分かるようになり、生まれたばかりの赤ちゃんも0.001くらいの視力があることがわかりました。赤ちゃんの脳のどの部分が動いているのかも、状況によりわかるようになり、それをコンピューターで解析することができます。その中で、人から言われて、教育されて、発達する領域はほんの少ししかないことがわかったのだそうです。そうだろうと思っていましたが、それが証明されたってすごくないですか。赤ちゃんがハイハイをしてつかまり立ちをして、歩き出す過程で、その時お母さんお父さんは何か教育して、赤ちゃんに、こうやってハイハイしてこうやって歩いてと教えるたりするでしょうか。しませんよね。赤ちゃんが自ら自分で歩くようになっていきます。つまり子どもは自分で興味を持って、あんなことしてみたいな、こんなことができたらいいな、これどうなっているんだろう知りたいな、という気持ちが育って、基礎能力が出来てくると、自分からそういうものに挑んでいって、何回も繰り返していくうちに、脳に新しい回路ができて、自然とできるようになって、知識が身についていくのだそうです。それがどういう事かというと、子どもは自分で自分を発達させているということです。だから大人の役割は、時には見守り、時には上手に応援してあげること。自分が本当にやりたいと思っていることでなければ、脳の回路がつながっていないから、身につかない。知識というのは、その時に教えられて頭に入るのではなくて、自分で考えて考えて、そうか、そうだったのかとなってはじめて身につく。だから、先生が指示して、教えて、同じようにさせて、出来るようになっても、たいして身についたものはなく、子どもが自らやりたいと思ったことを、子どもがやろうとしていることを、やりだしたら応援していく、そういう環境をつくることが、子どもの発達の理論に即していて、一番こどもが発達しやすいということがわかったから、今の保育指針に改定されたわけです。ですから教えが大きければ大きいほど、身につくものか少ないということを、私達大人は学ばなければなりません。私もずっと疑問におもっていたことがあって、小さい時からものすごく勉強をさせられている子と、結構、自由にしてきて中学や高校からやりたいことが出来て、本気になって勉強し始めた子と、最終的には同じ大学という結果になるのは、なぜなんだろうと思っていました。勉強している量は、前者は、後者の2倍3倍どころではありません。膨大な勉強をしているのですから、それだけの差がでているはずなのに、そうならないのはどうしてだろうと思っていましたが、その答えがわかりました。やらされているのと、自らやりたいと思ってやるのとでは、0と100の違いがあるのかもしれません。

人間はそもそも発見すること、知る事を求めている生命です。人間は知りたいという根源的な欲求をもっています。それは教えられて知るのではなくて、自分で発見して知りたいのです。それが発見欲求。そして知ったことは自分でやってみたいのです。それが表現欲求。そして自分が表現したことがまた、新しいものを発見して、以前に表現したものとの関係性を見つけ、また表現活動を繰り返し、またそこで何かを発見する。それが人間の創造力のあり方でもあります。

今、アトリエの親子クラスは、全体では増えていますが、平日クラスの人数は、以前に比べて少なくなりました。(平日クラス、おススメですよ。少人数ですごして頂けます。)以前と比べて、保育園に行っている子が増えたからです。1歳から保育園に行くのは当たり前となってきました。ですから、子ども達は保育園の影響をかなり受けて育つことになります。子どもは、自分のやりたいことは、自分で決めたいという強い欲求を持っています。ですから、それを上手に発揮させてあげる場として、保育園や幼稚園が非常に大きな役割をはたしていくようになります。
そのこともあり、お母さん達に子どもの主体的な保育について、お伝えしたいと思いました。赤ちゃんの脳の処理は独特なものがあるそうですが、感情面については、大人とほぼ変わらないということがわかっています。赤ちゃんだから、忙しいからといい加減に扱われると、自分のことを大事にしてもらえないということを学んでしまいます。そうなると、小さい時から人を大事にしようと思わない。それは裏返すと自分を大事にしようと思わない、そういう人間になってしまうという可能性があるということもわかってきたそうです。そして幼い時にインプットされたものを変えていく難しさは、皆さんも知っている通りです。そういうことをよく理解している保育園を選びたいですね。
よく、自分のやりたいことを見つけて生きてくれたら、それを仕事にしてくれたらそれでいい、というお話しを聞きますが、自分の好きなことをみつける、自分のやりたいことを見つけるといのは、そう簡単なことではありません。自分のやりたいことを見つけるには、やりたいことをやりたいようにやらせてもらった体験がなければ、見つけようがありません。

アトリエは子ども達のやりたい、やってみたいをかなえる場、自分でも思いもよらなかった力に気づける場所でもあります。そして主人公は自分自身。アトリエは誰もが主人公でいられる場所なのです。本年度も子ども達の心に沿い、ススタッフ一同、子ども達の主体性を大切の環境を整えてまいりたいと思っております。スタートが大変遅れてしまいましたが、本年度もよろしくお願い致します。

※子どもで主体の保育については、保育指針と汐見稔幸教授、大豆生田啓友教授のお話しを参考にしています。なるべく個人的な意見は書かないようにしましたが、解釈の違いがありましたら、ご容赦下さい。

2021年4月① アトリエ講師 星野由香

先週のアトリエは子どもたちのモチベーションが高く、積木の手が止まらず、なかなか終わらせてもらえない1週間となりました。どのクラスも、ものすごく楽しかったようです。単純な積み方でやり方がわかっている場合は先生も手伝うことがあるのですが、先週は先生も手がとまらず、ずっと一緒にやっていたから先生も楽しかったんでしょうね(笑)。

超個性派の多いアトリエの子ども達なので、やりたいことがはっきりしていますから、自由にすることを好むのですが、こういう規則性のある積み方も、新しい情報として楽しみを見つけているところがすごいですよね。不条理の面白さも条理の美しさも、受け入れているんですね。その両方の良さをちゃんと自分の中の世界観として感じとっているんだなと思いました。アトリエでは意識して両方の世界を見せるようにはしていますが、こういう両極のあり方を子ども時代にたくさん体験している子は、多角的に物事を見ることができる人になっていくだろうなあと思いました。

今回積み方を見ていておもしろかったのは、みんなとは違う積み方をしている2年生の子の積み方です。途中の中途半端なところで立方体がほぼなくなってしまい、3倍体角柱と2倍体を代用するしかなくなってしまいました。これが結構ややこしい。頂点が3・3・3・で9だとすると次は3・3・2ですが、その次は、3・2・2それから3・3で、3・2で、2.2.で、3で、2という感じで、立方体の使用を最小限にしようとすると、こういう計算をして積む必要があります。しかもそれが四方向にひろがっていくわけですから、ものすごくややこしくなるのですが、考えてはいるけど、殆ど迷わずに積んでいたので驚きました。

1617864652.png1617864657.png

もうひとつ印象に残った出来事は、日曜日の幼小クラスは20名いるので、1階と2階にわけて下は私が担当し、2階は藤本先生が担当したのですが、同じカリキュラムとは思えないくらい全く違っていて、その違いがとても面白かったです。同じカリキュラム、同じ積木でここまで個性を出せるアトリエの子たちは、ほんまにすごいと感心しました。上記の写真左は私が担当したクラスで、右は藤本先生が担当したクラスです。どちらがいいということではなくて、どちらも素敵ですよね。
みんな違ってみんないい、という言葉をまた感じさせられた出来事でした。

◎来年度クラスについてのお願い◎
今、土曜日・日曜日の幼小クラスがいっぱいで、多数キャンセル待ちの状態になっております。
私が担当する幼児クラス木曜と金曜が人数が少なくなっております。
平日にお越しになれる方がいらっしゃいましたら、何卒、ご協力お願い致します。

2021年3月②アトリエ講師 星野由香
1617864338.png
先週のアトリエは点・線・面をテーマに版画の制作をしました。まずはじめに、試作を見てどんな端材がどんな形にうつるのかを観察してから、版のほうに、プチプチや波段、板材やロープなどの面材、線材、点材を用意して、自分で選んでハサミで切ってはりつけ、ローラーで版画用のインクを付けて、障子紙に転写。クラスによっては、二色刷りをしたり、ドットシールで画面をつくったりもしました。作品は画の方なのですが、版の方も素敵で捨てがたく、どちらも作品にしましたので、両方、楽しんで下さいね。

1617864363.png

その後は、雪の結晶の絵本“きらきら”を読んでから、六角形を中心にして、雪の結晶をイメージしたパターンをマグネットモザイクでつくりました。
はじめにちょっとしたコツを伝えると、小さい子も素敵なデザインをつくりあげ、自分でつくったものに驚いている姿もありました。規則正しくつくることがすごいというわけではありませんが、新しい世界を見せるという意味では、情報として見せてあげるのも良いと思います。アトリエでよくやっているツートンブロックのように、決められたパターンを同じにつくる遊びは、早くて年中さん、適齢期は年長さんくらいなので、お子さんが興味を持っていないのなら、無理にさせないで、自由に形をつくってあそんでくださいね。勉強のように、お母さんが教えてそれを覚えるというサイクルになってしまうと、それを繰り返すだけなので楽しくありません。暗記してしまう子は、ものすごく簡単なパターンも、やったことがないと出来なかったりします。自分で考えるのではなく“教えられて暗記する”という学び方がパターン化してしまっているんですね。自分で考えるから遊びは楽しい、だからこそ学びにつながるのだと思います。(勉強につなげるという意味ではなく)。

1617864393.png

前回のアトリエ通信にも書きましたが、フレーベルは全ての素は心情にあり、乳児期に適切な環境が与えられていることを重要としました。この世に生を受けて、人間らしい心の動きがはじまる最初の時期に、心地良い心情を与えられた子は、肯定的に物事を考えるであろうし、優しく素直な子に育っていくと思います。そして幼児期は、周囲の人々や外界の事物との関係が生まれる最初の発達期であり、人のこと、物事を解明し、理解し、その本質を捉える出発点です。自分をとりまく人や物、世界が高貴なものであるのか、そうでないのかを、とりわけ大人の姿勢から直観していきます。その為、この時期はとくに、私達大人は日毎に発達していく子どもの心に外界がどう映っているのかを知ることが大切です(参照 親と子の共育②)。子ども達にとってのアトリエはどう映っているのでしょうか。少なくとも子ども達は、アトリエは“自分を高尚な生命として捉え、一人の人間として尊重している”ということは知っていると思います。だからこそ本物が用意される環境があり、自由が保障されている。自分が大切に思われる場所であり、そのままの自分が受け入れられている場所。そしてここが他の日常とは違う特別な場所であるということも直観しています。

アトリエのお母さんから、お聞きしたお話しなのですが、赤ちゃんの前で夫婦喧嘩をすると、赤ちゃんは自分のせいで、お父さんとお母さんがケンカをしているんだとわかり、ネガティブな感情が芽生えるそうですね。そのくらい子ども達は心情に対して敏感であるということは、親子コピカの子ども達にもアトリエの何たるかが、伝わっているのだと思いました。色んな意味で子どもの姿を知る毎日です。


1617864310.png

先週の看板人形も皆、すごく可愛くできましたよね。是非、玄関に飾ってあげてください。

3月いっぱいで、今のメンバーのクラスでのアトリエは最後になります。子ども達が思いっきり、創造力を全開できるように、楽しいカリキュラムを用意しておりますので、季節の変わり目で体調を壊さないように、お気を付けくださいね。
※休会料のお知らせ・・休会料は一律5,500円になります。入院等、長期になる場合は星野まで
ご相談ください。



◎来年度クラスについてのお願い◎
今、土曜日・日曜日の幼小クラスがいっぱいで、多数キャンセル待ちの状態になっております。
もし平日にお越しになれる方がいらっしゃいましたら、何卒、ご協力お願い致します。
土曜日は、どのクラスも12名体制となっており、逆に平日の幼児クラスは水曜日はいっぱいですが、木曜日が2名、金曜日が3名という状態です。
平日のほうが、スタッフも多く、先生と子ども達のコミュニケーションもとりやすく、ゆっくりしていただけますので、ご検討ください。昨年から小学生も15時・15時半の時間もご利用していただけるようになっています。
ピカソクラスは、野球やサッカーなどの運動系をされている方が試合で、土日を開けておきたい方が多く、平日がいっぱいで土曜日があいております。


ご迷惑をおかけ致しますが、よろしくお願い致します。

2021年3月①アトリエ講師 星野由香

1617864148.jpg
先々週のアトリエは、粘土でパンのレリーフをつくりました。絵画と同じようにはじめは木炭でデッサンして、それから粘土を成型して、ボンドを貼り付け、それから全体を白で地塗りをして、ドライヤーで乾かしてから、着色して完成です。子ども達にとっては、工程も多く、根気のいる作業だと思うのですが、途中で疲れる子は殆どおらず、皆最後まで集中して楽しんでいました。おいしそうなパンの仕上がりに子ども達も大満足で、先週「今日、パン持って帰れるよね」と教室に入ってきた子がたくさんいました。

1617864155.png

モチーフのパンは、焼き色のきれいなものが欲しかったので、神戸のコムシノワというパンやさんで買ってきたのですが、買う時に話しの流れで、「このパンは絵のモチーフにするので、食べないんですよ。」っていったら、思わず店員さんが「可哀そう。」と言ってしまっていました。食べてもらえなくてパンがかわいそうということです。そういう思いの持てる店員さんっていいなあと思いました。最近は、どこへ行っても、技術的にも心情的にも、プロ意識を持った人に中々出会うことがありません。仕事をする以上、プロフェッショナルでありたいですよね。

アトリエで身についている一番大切な力は、能力的なことや技術的なことではなくて、物事に向かう姿勢なのだと思います。彼らが大人になった時、仕事をする以上は、プロでありたいという心情は育っているのではないかと思います。幼い時から、何かに没頭してとりくんで、達成した時の喜びを知っている子は、目のまえにある物事に対して真摯に向き合うようになります。それが創造的なことであるなら、集中することが心地よいということを、無理なく自然に知っていくでしょう。それはアトリエで育つとても大切な力です。

赤ちゃんから4歳くらいまでの発達は、世界的な科学者に匹敵するくらいの量を吸収しているそうです。この時期に何を吸収したのか、とりわけどんな心情で過ごしていたのかということが、その先の子
ども達の人生に大きく関わるということは言うまでもありません。全ての素は心情であり、心情の素は親子関係になるのでしょうね。能力や技術、何かの為、というよりも、子ども達の心情を大切にしてあげたいと願います。あっという間の幼き日々、これからの人生の土台ができる時期、大人も子どもも、一生のうちの一番幸せな時となるように、楽しんで過ごしたいですね。

2021年2月③アトリエ講師 星野由香
1617863896.jpg
前々回のアトリエ通信で童具は全て、フレーベルの恩物に従い、形の秩序に基づいて一つ法則でつくられていることをお伝えしました。アトリエの活動も同じで形をテーマにカリキュラムが組まれています。球からはじまり→円柱→四角・柱→三角・柱→点線面で半年サイクルになっています。前回の形のテーマが三角。三角の中でも四角を分割して生まれる直角二等辺三角形をテーマに作品をつくりました。(ちなみに前々回は正三角形)。始めに、粘土を6等分してから絵の具を混ぜて色粘土をつくり、それを並べてプレスしてから、四角に型抜き。それから対角線上に三角に分割して鏡の淵に貼っていきました。今回は特に同じ材料、同じ手順で、通常よりも制約の多い中でこれ程、皆違うものが出来たことに驚きました。その後は、ご覧頂いたように、ケルンモザイク四角で構成遊び。1三角(大)・2分の1三角(中)・4分の1三角(小)の秩序にのっとってつくらないとピッタリとは入りません。それが童具の難しいところであり、秩序さえわかれば簡単なところでもあります。子ども達は理屈で理解するというよりも、大きさの関係性を遊びながら直観していました。パズルに使用するケルンモザイクの選び方もそうですが、アトリエは、作品づくりとの関係性とつながりが感じ取れるような予備活動や導入活動を用意しています。
前回と同じく難易度の高いパズルでしたが、コツがわかっていてあっという間に出来てしまう子もいれば、同じくらいの能力でもデザインしようとするとパズルとして入らなくて時間のかかる子もいます。でも、デザインが好きな子はどうしてもそれがしたいんですよね(笑)。そしてなかなか入らない。アトリエではそれを“出来ない”とはとらえません。むしろ色々なパターンで考えるので、情報が増えて思考力が身についていきます。

1617863821.jpg

知識偏重主義や学歴主義の時代が終わり、コロナの到来で価値観が一気に変わってきました。今はむしろアトリエのような考え方に変化していっていることを皆さんも実感されていると思います。試験の内容もかなり変わりました。それに伴い、それに対応した習い事もどんどん増えていっていますよね。アトリエはそもそもそういう知識活用型の習い事なのですが。覚王山プレイルームの先生が話していたことですが「今、社会は教育に関して、和久先生と同じことを言い出し始めましたが、それは“学歴が、創造力や好きなことを見つける”、に変わっただけで根本的には意識が変わっていない」と言っていました。「“高学歴なほうが人よりも有利ですよ”というのを同じように“創造力があった方が人より有利ですよ”となってしまったら、それは何も変わっていない。言っていることは同じでも僕たちが思うこととは違うと思う」とおっしゃっていて、私も目から鱗で確かにそのとおりだと思いました。アトリエの創造共育のようなことは、付け焼刃ではできません。理論も哲学も実践も覚悟も必要です。教育を仕事とする人は目先のことにふりまわされず、まずは子ども達の今の幸せを願ってあげて欲しいと思います。喜びも悲しみもふまえ、輝きに満ちた子ども時代の積み重ねが、自分も人も幸せになれるような生き方に結び付いていくのですから。人より有利であることが幸せだと定義すると、ずっと求め続けなければなりません。軸が他人にある以上、自分より有利な人が常にいるからです。他人の思惑にひきずられず、自分の軸でしっかり生きていきたいですね。焦らず迷わず、今この瞬間の子ども達の輝きを見守っていきましょう。

2021年2月①アトリエ講師 星野由香

1617863581.jpg
先週の等身大ロボットの積木、皆素敵でしたね。この積み木を作るコツは、サイズを自分と同じにすること。大人は全体をイメージしてからつくりますが、小さい子はつくりながらイメージしていくので、目安をつくってあげるとつくりやすくなります。始めに足を2本、自分と同じ長さまで積んで、ウエハースを置いてその上に体と顔をつくっていきました。手は下におろす場合は体を立方体5個くらいの幅で、バンザイにしたい場合は肩のところでもう一回ウエハースを置いてください。殆どの子ども達が楽しんでつくっていましたので、是非、お家でもやってみてくださいね。

1617863676.jpg

おもしろかったのは、二人一組でやっていた幼児クラスの年少・中さんの子ども達。年齢はあわせているのですが、タイプまではあわせられないので、お互いやりたいこともやりかたも違います。始めはそれぞれが勝手につくっているという感じなのですが、大体形が出来てくると、これがどういうわけかあわせだすんですよね。二人が協力して同じ積み方でつくりはじめます。先週は子ども達が話し合って一つのものをつくっていく姿に感動する1週間でした。ひくところはひいて、譲れないところは説得して、二人組だと幼児の場合は、どっちかだけが主導権を握っている、ということは殆どありません。見ていて微笑ましく、また感心する子ども達の姿でした。

1617863698.jpg

その姿を見ていて感じたのですが、一人で集中してつくりこんでいる場合は別として、おうちで積木で遊ぶ時は、時間があれば是非、お母さんも一緒につくってみてください。一緒に遊んであげるというイメージではなく、子どもの遊びにあわせるのでもなく、子ども同士が遊ぶように一緒に遊ぶ感じです。1か月に2回くらいでいいので、じっくりと一緒に遊ぶと、お母さん達自身もつ積み木の楽しさを感じて頂けると思います。

作品が早くできた子達は、二等辺三角柱8個と立方体4個で図形遊びを楽しみました。1個の大きな三角をつくり、正方形をつくり、4つの同じ三角をつくり、4つの違う大きさの三角をつくり、そこで調度いいくらいの時間になったのですが、子ども達からは、「次は次は?もっと問題だして!」。小学校の図形の問題とさして変わらないような難易度だったのですが、遊びとなると子ども達のモチベーションもあがります。この子ども達が持っている熱こそが、子ども達が生きている証であり、どんなことであれこの熱をこのまま持たせ続けてあげることができれば、子ども達の毎日はより輝いたものになっていくだろうと思いました。

※2月23日と3月14日にお休みされた方の振替日となっております。お時間は10時半から12時、14時から15時半を予定しておりますので、1月中にお申込みください。

2021年1月③アトリエ講師 星野由香
1617863370.jpg
※緊急事態宣言に伴い、留意点をLINEで送っていますので必ずお読みください。
< LINEの登録がまだの方はお早めにお願い致します。>

※作品袋をご持参頂きます様、よろしくお願い致します。
レジ袋をお渡しする際には1枚5円頂いております。

1617863376.jpg

先週の活動は三角をテーマに、3面からなるオブジェをつくりました。始めに1枚の板の対角線を曲線で結び、自分で電動のこぎりを使って切ったのですが、曲がる時に、自分の体も一緒に曲がっていくのがかわいい子ども達でした(笑)。1枚は予め切ってあるものから選んで、裏表を着色し正三角形に張り付けて完成です。作り方の手順も同じで形も殆ど決まっているからそれ程、個性がでないと思っていましたが、皆違いましたね。限られた制約がある中でも自分の世界を表現できる子ども達はやっぱり皆すごいです。ひさしぶりのアトリエ活動で新鮮だったからか、特に小学生たちがいつもに増して頑張っていて藤本先生が感動していました。

作品が出来上がった後は、ケルンモザイク六角シリーズでパズルに挑戦。六角形は自然には多い形ですが、日常生活では殆ど目にすることがありません。なのに高学年になると、多角形の図形問題は黒板で教えられます。その前にその形に触れたことがあるかないかでは、頭でイメージできることが随分違ってくるだとうなあと思いました。正六角形の世界が整理されてつくられている積木やおもちゃは、童具館だけです。ケルンモザイク六角ミックスセット19,700円には正三角形・平行四辺形・等脚台形・鈍角二等辺三角形・直角不等辺三角形と六角形のボードが用意されています。子ども達がやっているところをご覧いただいていた方はわかると思いますが、子どもは本来、図形が好きです。親子コピカの子も小学生も殆どの子がハマってやっていました。算数は勉強になる前、勉強でなければ皆好きですよね。数字や形にも子どもは自然と興味を持ちます。多分、生きていく為に必要なことは、好きになるようにできているのだと思います。それを嫌いにさせてしまうのは、もったいない。子ども時代から形に触れて、遊ぶことそのものが学びになればと思います。目先のことや目に見えることだけにとらわれず、おおきなかしこさを持った子ども達を育てていきましょうね。

※2月23日と3月14日にお休みされた方の振替日をご用意いたしております。時間10時半から12時、14時から15時半を予定しておりますので事前にお申込みください。定員がありますので、1月中にお申込みください。

2021年1月②アトリエ講師 星野由香

新年あけましておめでとうございます。今年も1都3県の緊急事態宣言から始まる1年となり、世界のコロナ状況も終息する兆しを見せず、2021年は、現代人がこれまで経験のしたことがない年となることを、誰もが予測されていることと思います。これまでアトリエ通信で「アトリエはどんな時代となっても生き抜ける力を育てる場」ということを伝え続けてきましたが、まさに今がその時ですね。既存の価値観が一変した今、世間の教育の価値も変貌し、また多様化しています。知識をつめこんでも、知恵としてつかえないのであればどうにもならないということが、はっきりと示されてきました。表面的な価値だけを育てても、「どうしたらいいと思いますか?」に答えられない価値は、意味をなさなくなります。その時代において、これからの世界を生きていく子ども達に、表面的な知識ではなく、目先にとらわれず、子ども達が本当に生きる為の底力を身に着けることができる環境を用意されることは、どの子にとっても最優先されるべきことであると思います。そして、なんとしても育つ必要のある力は、生きる為の創造力・それを発揮する為の集中力・モチベーションとなる好きの力です。そしてその力は、子ども達は皆、もって生まれてきています。アトリエはその力を引きだす学びの場。どんな状況になろうと、子ども達だけでなく、講師も親も共に、この2021年も学び続けていきましょう。
本年もスタッフ一同、よろしくお願い申し上げます。

前回のアトリエ通信に書いた部分的全体の法則についてですが、わくわく創造アトリエが骨子としているフレーベルの思想には「部分的全体」という言葉がよくでてきます。例えば一人の人間は、唯一無二の自己完結したものでありひとつの全体であるけれど、家庭の部分でもあり、家庭は家族一人ひとりからなる全体であると同時に、国を形成する部分でもあります。更に国は、それ自身が自己完結している全体である同時に、世界から見れば部分でもあります。このように宇宙に(フレーベルの時代は神の創造した世界)属する全ての存在は、1個の全体であり、全体の部分として存在していることを表現する用語として、部分的全体としています(フレーベル・ペスタロッチー辞典参照)。そして部分的全体には全体の本質が集約されており、また一つで独立して存在するものはひとつもありません。よって全てのものは孤立して存在するものではなく、全体と連なるものとして、存在することになります。その部分的全体の思想は、フレーベルが残した恩物にもあらわれており、フレーベルは球~点に至る形を通してその法則を子ども達に伝えました。一番わかりやすいのが第3恩物の8個の立方体です。一つの立方体を天地・左右・前後に8個に分割して箱収めたものですが、主立方体を分割することにより主立方体と同じ秩序を持った部分立方体が現れます。そして8個の立方体はそれ一つで完成された全体ですが、童具全体の部分でもあります。同じようにひとつの童具はそれ一つで完成された全体であり、童具全体の部分でもあり、童具は全部でひとつの世界(宇宙)がつくられるように出来ています。なので童具の作品カタログは童具の宇宙と言います。106ページに全ての童具の形のつながりが明記されているので、是非ご覧になってください。知れば知るほど深い童具の宇宙が見えてきます。

今週は三角をテーマにオブジェをつくります。楽しみにお待ちくださいね。
※アトリエの活動日の変更や、緊急事態の連絡等はほるぷ絵本館公式LINEからお送りしております。
登録をお願い致します。

2021年1月①アトリエ講師 星野由香

先週のシルクスクリーンのトートバック、親子クラスからピカソクラスの子ども達まで皆、喜びましたね。実用的に使えるものを自分でつくれる喜びは大人も子どもも同じ。今回はお母さん達からも“つくってみたい”というご要望を多数いただきましたので、また、お母さん講座で行いたいと思います。楽しみにお待ちください。

はじめに行ったケルンモザイクの世界もとても素敵でした。前回、お配りした童具共育の美しい作品は全て創造共育を園で実践している保育園の年長さんがつくったものです。私もアトリエの子ども達や、園の子ども達と創造共育を行う中で、子ども達が持っている創造の力にはいつも驚かされます。先週の園での積木では、3歳クラスの子がピラミッドをつくっていて、一つ完成してから、「これより少し大きめがつくりたい」と土台の数を数えている姿を見ました。土台の大きさを変える為に数を数えていたことにも驚きましたが、理由はわかりませんが、それからも一段一段、個数を数えていました。もし、数が1段ごとに一つずつ減っていく事に気づいたら、三角数の公式を導き出せるのではないかと思わせるような哲学的な表情でした。でも環境があれば、本当にそれに近いことを子ども達はかんじているんだと思います。そしていつかそれが勉強という形で子ども達に届けられた時、子ども達にわくわくした知識の泉が広がっていく、そんな学び方が出来れば、学校の勉強も知識の贈り物として、もっと前向きになれるのかもしれません。でも、その
学びの第一歩は、子どもは自分で発見したいんです。教えられて発見しても、喜びになりません。大人が無理やりやらせようとしなくても、子ども達には、好奇心と活動衝動、創造力がそもそも備わっています。私達大人の役割は、子どもを一人の人間として尊重し、本物の環境を用意して、信じて待つだけ。環境を整えて、子どもの自主性を重んじて子どもの力を信じた時、必ず見ることができる子どもの成長があります。

先月、兄弟でアトリエに通ってくれている一番末っ子の6年生の男の子が、急に読書に興味持つようになりました。コロナ禍で本を読む時間が出来て、それから読書の面白さにはまり、クロニクル千古の闇というおもしろいけれど難しい児童文学に挑戦しています。新しい本が届くのが待ちきれずに私の本を借りに来てくれた時は飛び上がるほど嬉しかったです。これもお母さんが環境を整えてくれていたからこその成長です。

また親子クラスで2歳に出会った女の子も、紆余曲折いろいろあり、お母さんと泣いたり笑ったりの子育てで、アトリエに来たくないという時もあったり、心配しましたが、5年生になって、仕上がったなあと思わせてくれる姿を見せてくれています。自信のない時期はお友達のまねをしてやりすごすこともありましたが、先週のケルンモザイクの構成では、物凄く悩みながらも自分の世界をつくりだしていました。この子にとってそれがどれほどのことであるのかわかるだけに、心の中で大拍手でした。

信じて待つことが出来た時、必ず子どもは答えてくれます。アトリエを開校して20年たったからこそ言えることですが、11月に行った和久先生のリモート講座の冒頭でお話しさせて頂いたように、お兄ちゃんのお姉ちゃんの代から長く通われている方は、このアトリエに来て、和久先生の積木で遊んできて、それで良かったんだとご自身の子育てに確信をもってください。また、新しく入られた方も、ここに来て本当に良かったんだと思って頂ければと思います。そうわかって頂く為にも、和久先生の講演は是非、聞いて頂きたく、また“年末年始の時間のある時にみたい”というご要望もあり公開期間を延長しています。お申込みをされる方はスタッフまでお声かけ下さい。
(講座料金は3,000円になります。)

童具館の積木(童具の世界)には、フレーベルの恩物を骨子に球体、円柱、立方体、半立方体、半直方体、平面、直線、曲線、点に至る系統的な構成がなされています。全てに関係性があり、ひとつの宇宙が完成するところが他の積木との大きな違いです。8個の立方体から導きだせる部分的全体の法則は、生命合一の法則、宇宙のあり方でもあります。(そのことについてはまた詳しくお伝えしますね。)
全ての本物がそうであるように、童具館の積木には、数学的な法則だけでなく、人間の核となる思想が内在しています。是非、お子さんの童具環境を整えてあげてください。

今年のクリスマスプレゼントはたくさんのお申込みを頂きました。まだ、迷われている方への参考として、一番人気はクリスマスツートン積み木30,000円です。こちらはアトリエに在庫があるのですぐにお持ち帰り頂けます。子どもへと言うより、ご自身のプレゼントとして買われた方も多い、オシャレな積み木です。毎年、大人気のくむくむは去年買われた方が多く、今年はかずの木を買われている方も多いです。(なぜか今年は白木が人気)。でもまずは、積木のいろはやホップ、ステップ、ジャンプなどの基本の積木がおススメですので、そちらから揃えてくださいね。

2020年、コロナ禍で大変1な年となりましたが、どんな時代になろうと、どんな状況になろうと、ぶれない子育ての核をしっかりもっていれば不安になることはありません。来年も共に子ども達を見守っていきましょうね。

今年もお世話になりました。良いお年をお過ごしください。


2020年12月③アトリエ講師 星野由香

1617862640.jpg
先週の積木はすごかったあ!!いつも感動するけれど、先週の積木は特別でした。今回は特に年中さん達の成長が目覚ましく、わずか4,5年の生命がこれだけの世界を創り出せることに驚きの毎日でした。積木に関しては、どうしてもアトリエに親子コピカから通っている子達や、お家でよく積み木で遊んでいる子達が積木の扱いに慣れています。こういう積み方ができるんだ、その手があったかと私もその子ども達のアイディアに勉強させられました。

今回、印象に強く残ったのは上記写真の二人の年中さん達。二人とも親子から通っていてお家にも積木が揃っているから積木の腕前はご覧のとおりなのですが、とは言ってもすごくないですか?オシャレで完成度の高い建造物(こどろきの使い方がうまい!)、つくっている途中も目が離せませんでした。自分のお城が完成してから二人のお城をつないでいったのですが、その時の二人の会話が 「なんかだんだん楽しくなってきたな。積木って楽しいよな。」と二人で何回も言っていました。アトリエの積木活動はお家の積木遊びにも活かせるカリキュラムにしてありますので、是非、お家でもつくってみてください。

子ども達の創造力をここまで引き出せるのは童具館の積木だからこそです。品質はもちろん、ここまで基尺に徹底してこだわっている積木は童具館をおいて他にはありません。おそらく世界最高品質の積木です。本物だからこそ子ども達に伝わるものがある、子どもだからこそ本物に触れて欲しいと言う思いで童具館の積木を届け続けてきました。なぜここまで基尺にこだわるのか、一言では言えませんが、敢えて言うなら 「答えと関係性を見つける為」です。この二つは人間が思考するうえでなくてはならない要素であり、我々がなにか考える時、行動を起こす時に必ず意識していることです。答えがあると知っているからこそ人間は思考し働きかけ、そこに関係性を見だし新たな答えを創造します。そしてまた、新たな発見をし、働きかけて関係性を見つけて創造する。それは人間の生き方でもあると思います。それを子ども達は形を通して行っています。積木は子ども達が目にするあらゆる万物が抽象化された形です。だからこそ、童具館の積木は基尺も幾何学的にも数量的にも矛盾をゆるしません。童具館の積木は子ども達の創造力の育ちに責任をもってつくられた積木です。是非、子ども達の手に届けてあげてください。

※積木の買い方として、まず最初は積木のいろは→くむくむ→かずの木の順に揃えられるといいと思います。いろはをわけて買う場合は、HO/H6から初めてください。

※基本をお持ちの方への今年のおススメは、スモールボックスツートン¥30,000です。こちらはインテリアにもなるので、お子さんが使わなくなっても飾っておくことができますね。今年一押しの積木、在庫がありますのですぐにお持ち帰りいただけます。

2020月12月②アトリエ講師 星野由香

1617862020.jpg
前回の帽子はとても素敵でしたね。皆、ノリノリでつくっていました。かぶった姿がまた可愛く子ども達も大喜びで、楽しい空気がアトリエいっぱいに広がった1週間でした。

1617861944.jpg

親子・幼小、共に楽しかったのですが、私が先週とくに印象に残ったクラスは水曜日の幼小クラスの小学男子。もともとアトリエは個性派が多いのですが、このクラスは“ここまで違うか!!”というくらい皆、タイプが違います。今回も気持ちいいくらいに見事にバラバラ。

1617862025.jpg

また、全く型通りにハマってくれず、カリキュラムの意図通りに進まないのもこのクラス(笑)。殆どのクラスがハット型に飾りを付けて・・・というスタイルの中、魔法使いの帽子やシルクハットやキャップタイプなど作り始めから、スタートの方向が違いましたが(笑)、

1617861950.jpg

全員が自分自身も納得できる作品ができて、だからこそお互いを認め合い、皆違って皆いい、自分も皆と違ってもいいんだということを肌で感じとったのではないかと思います。タイプが違うからこそ(多様)、こういうクラスが出来上がり(統一)、ピカソクラスも共に過ごしたら、卒業するときには親友になっているんじゃないかなあという気がしました。色んな意味で多様性は大切ですね。集中して自分らしいあり方で物事を完結させた時、子ども達はとても素直になり、自分も人も受け入れられることが出来ます。素直さは自分自身を自己成長させていく心情でもありますね(その上での批判精神は必要ですが)。子ども達をそういう心情にさせてあげる為にも、集中できる環境をつくり、一人ひとりの子ども達の心に寄り添い続けることの大切さを思います。何はともあれ、子育ては“信じて待つ”この一言に尽きると思わされることに日々遭遇しております。アトリエで育つ3つの生きる力<集中力・創造力・好きなことを見つける力>が身につくのはやはり子ども時代です。そして、その力が素直に育つ環境をつくるのは大人の役割であることを思います。

先週のコペルクラスでは、かずの木でお家をつくりました。小学生クラスでは、私も参加したのですが、かずの木はやっぱり楽しいですね。大体、はじまってから20分くらいに集中しだしてそこからがおもしろい。集中するとどんどんアイディアが湧いてきます。いったん40分くらいで子ども達も「できた!」というのですが、「階段つくろう」とか「お庭つくろう」と促すと、またアイディアが湧いてきて、そこからが長い。この促しの言葉は、子ども達の集中力を引き出す上で大事ですね。その為にはお母さんにも引きだしがあった方がいいので、かずの木講座がある時は是非、参加してください。今回のコペルでは、カラーよりも白木が人気だったのが意外でした(特に高学年はほぼ白木)。通常はカラーが圧倒的に人気があります。お家を作るというテーマだったからか、白木とカラーを上手に使い分けていました。殆どの方が、白木のかずの木はないと思うので、お家でつくる時は、普通の和久ブロックを代用してください。基尺があうので、同じような感じでつくれると思います。また、絵本の部屋にかずの木のツリーをつくって飾っていますので、ご覧になってくださいね。

親子クラスの方はインスタグラムでsu_san_monteという方の“2歳児の童具遊び”をご覧になってみてください。積木の収納や遊び方などかなり参考になりますよ。
※お家でつくった積木の写真、是非LINEしてください。
※クリスマスプレゼントに積木をお考えの方はお早目にお申込み下さい。
※基尺セットは完売しました。おどろきはあと数箱あります。
2020年12月①アトリエ講師 星野由香

1617861729.jpg
毎回のことですが、前回の絵画も子ども達の集中力と、創造の力の圧倒された1週間でした。何よりも子ども達が表現した世界が、一人ひとり違うこと、この多様性こそが大切なのだと思います。今回は親子コピカの子ども達の集中力がすごかったですね。2歳児もちゃんとかぼちゃを見て描いているのが驚きでした。最後のかぼちゃの上の乗って撮った写真の顔も皆、誇らしげです。この顔を見ていると、集中して何かを成し遂げるということに誇りを感じるのは、人間の本能であることを思いました。集中することの心地よさや、やり遂げたことへの達成感の喜びの繰り返しが、この時期に用意されているということがいかに大事なことであるのかを思います。この時期にその体験があるかないかでは、これから待っている人生に向き合う姿勢が違ってきます。集中力は幼児期に育てなければならない最も大切な力のひとつなのかもしれません。

絵画の時は、終わった後にツートンブロックをするのですが、アトリエの子達は何回やってもハマって楽しんでくれます。暗記教育をやっているお家が少ないので、やり方を覚えてしまわないから、毎回、考えることができるからなのだと思います。覚えてしまってそれを繰り返し入れるだけだと、あまり意味がないし楽しみもありません。ツートンブロックというのは半立体の図形パズルで、アトリエに図形好きが多いのは、繰り返しこの童具で遊んだ体験もあるのだろうなあと思います。

この遊びをしている時、5歳のMちゃんが、4番のロケットでものすごく悩んでいました。ご存知の方も多いと思いますが、4番は裏技と呼んでいる裏側に色を隠すやり方が必要です。これをパッと思いつく子もいるのですが、大抵の子はここで1回戸惑います。今回、Mちゃんの言動に驚いたのは、ふと見ると4番が出来ていたので、「すごい!Mちゃん、出来たんだね。」と言ったら 「すごくないねん。前やったのを思い出しただけだから」 と言ったんです。すごくないですか?わずか5歳にして、その時に考えて出来たらすごいのだけれど、前やったやり方を思い出しただけだからすごくない、って思っているということですよ。ある意味、わかっていない大人よりも深く思考力ということについて理解していると思いました。大人達は、子どもは自分達が思っているよりもずっとわかっている存在なのだ、と気づくべきですね。もちろん育った環境にもよるのでしょうが、アトリエの子ども達を見ていると、色んな側面ではっとさせられることがよくあります。今週はピカソクラスは積木でドイツのクリスマスマーケットを、幼小はお迎えの時のお楽しみです。今週も子どんな子どもの凄さに気づけるのかとても楽しみです。

※WAKUBLOCK30ツートンをクリスマスプレゼントにお考えの方はお早めにお申し込みくださいね
※こどろき 在庫あり
※基尺セットは完売しました。 6㎝おどろきセットが残り僅かです。(もう絶版になるので是非)

2020年11月③アトリエ講師 星野由香

10月31日の和久洋三リモート講座「基尺の力」ではたくさんの方にご参加頂きありがとうございました。おそらく半数以上の方がご参加頂いていると思います。習い事のお母さん達の習いごとで、これほど参加率の高い教室はないと思います。またお忙しい中、心温まる感想を多数の方から頂いてスタッフ一同、胸のあつくなる思いです。本当にありがとうございます。
ご感想がまだの方は無理なさらないでくださいね。お会いした時にお聞かせ頂ければと思います。
内容、感想のご紹介に関しましては、また後日、しっかりまとめて皆さんにお知らせいたしますね。

はじめてのことで、事前に確かめていたものの、通信回線にトラブルがありご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。これからの講義・講演はしばらくの間は、オンラインになってしまうと思いますので、次回は対策を考えて取り組みたいと思います。また、質問したいのにできなかった方はまだ受け付けておりますので、LINEにいれてくださいね。お返事は2週間後くらいに個別にお伝え致します。

もう一度聞きたい、配信して欲しいというご要望が多数ありましたので、今回の様子は編集をしてから、参加者、参加費を頂いている方(お休みされた方)に、配信いたしますので楽しみにお待ちください。午前午後の両方をご覧いただけます。

今回は和久先生の基尺についての講義も好評でしたが、お母さん達が和久先生に直接質問できる質問の時間がとても大好評でした。他の方の質問も我が子と重なるところ、また、これから遭遇するであろう悩みなどがあり、大変勉強になったというご感想をたくさんのお母さん達から頂いております。
思わず涙してしまう場面もありましたね。こんな風に、アトリエのお母さん達の気持ちがひとつのなれる機会もすてきだと思いました。また、ズームでお母さん達が悩みや相談、感動を共有できる場をつくりたいと思います。この度は本当にありがとうございました。

※このたび皆様からいただいたご感想は、名前がわからないようにインスタグラムやホームページに掲載させていただきます。掲載不可の方はスタッフまでお知らせください。

★11月1回目は絵画の活動です。子ども達のできた!の声を楽しみにお待ちください。
絵本のお部屋は自由に入室して頂けます


2020年11月①アトリエ講師 星野由香

1603255604.jpg
10月、11月は季節柄、園の絵画指導の依頼をよく受けるのですが、どこの子ども達もどんな子ども達も子どもは本当にすごいとつくづく思います。そういう体験を積み重ねることは、私にとってもアトリエ講師にとっても大事なことで、色んな場でそういう子ども達の姿に出会うと、“子どもの力”に確信が持てるようになります。子どもの力をより信じられるようになります。だからこそ、子どもが絵を描いている時に何も言えません。子どもの感性よりも私の判断のほうが正しいとはとても思えないからです。私の一言のせいで子どもの絵が変わってしまうこともありました。あの時、あの一言をいわなければ・・・どれほど後悔したかわかりません。子ども達が絵を描く姿は人生の縮図を見ているようです。子どもがどんな能力を秘めているのか、どんな人生を歩んでゆくのか、本当のところは誰にもわかりません。だからやはり信じて待つしかないのだと思います。

1603255620.png

自分の体験にしても、アトリエで育っていくたくさんの子ども達やお母さん達を見ていても、子どもを信じているからこそ、信じたように子どもが育っていくのではないかとこの頃思います。私がよく、「大丈夫ですよ、このままで」って言うのは何も根拠がなくて言っているわけではなくて、本当に大丈夫だった事例をたくさん見てきて、確信しているから言えるんです。でも当たり前なのですが、お母さんがぶれてしまって、教育方針を変えてしまったら、それは大丈夫だとは言えなくなります。

物事は全てつながりと関係性がありますから、子どもが本来持っている力と子どもを信じる大人の気持ちの相互作用が、彼らの潜在能力をひきだしているのかもしれません。そういうこともこの頃、科学で証明されつつありますよね。だったら親ができる子ども達への最大の応援は信じることではないかと思います。それは、いつかこの子は立派な人になる、と信じることではなくて、この子はこのままで大丈夫、と信じるという意味です。信じるということもまた愛情ではないかと思います。禅問答みたいですが(笑)。

1603255614.png

先週は球をテーマに石こうで半球のオブジェをつくりました。カプセル球に粘土で円柱型をつくって貼り付け、そこに石こうを流し込み、その上にスチロールの半球をのせて、レンガでおもしをして待つこと20分であの形が出来ました。試作を見せて藤本先生が「これ、何でできていると思う?」って聞いたら「石こう」って答える子ども達。「石こう」という言葉を口にしている幼児は、日本全国探してもアトリエの子達だけだろうなあと思いました(笑)。石こうが固まる間はいろんなボールをトレイに集めて転がして遊んでいたのですが、先生が、「みんなでせーのっ、で転がすよー!せーのっ!」って言ったとき、2年生のK君が焦って、4歳の女の子が集めていたボールのトレイを、パッともっていって転がしてしまいました。「K、今この子のとったで。とったらあかんやろ」って言ったら、K君はしまったという顔で、「知らんかった。ごめん。ごめんなごめんな」と何回もあやまって、新しいトレイにボールを集めてあげていました。

そこまで見てくれていたら、K君がわざととったわけでないことも、Kの優しい気持ちもわかるのだけれど、もし最初の場面だけを見て「人のとったらあかんやろ」と怒って、「知らんかった」とKが言った時、「いいわけするな!」となってしまっていたら、K君の本当の姿は見ることができません。K君は性格上、色んなところでそういうことがあるだろうなあと思いました。今は誤解されても謝るだろうし、怒られたら悲しい思いもするだろうけれど、これがずっと続いて高学年になったら、「もうえーわ!どうせ俺なんか」になってしまうかもしれません。全力で彼のことを信じる大人の存在が必要だと思いました。どの子にもそういう大人の存在は必要だと思います。それは、私が子どもと関わる仕事を選んだ時、最も大切にしたい心情でもあります。

アトリエが終わった後に、Kくんが「かわいいかわいい」って赤ちゃんを見ていたので(本当に可愛すぎる赤ちゃんなのです)、帰る時に「いま赤ちゃん見て、かわいい~って思ったやろ?それと同じように、先生たちはKくんがかわいいねんで」って言ったら、後ろを向いたまま「本間に?」って言ってました。子どもの心の本当のところがわかりませんけれど、時には口に出して愛情を伝えてあげることも大事だと思いました。
お母さん達の愛情はもちろん、子どもに伝わっていると思いますが、時々、「お母さんは○○が大好き」と言葉に出して伝えてあげると子ども達は安心するかもしれません。


来週は29日にかずの木研修、31日に和久先生のリモート講座があります。
是非、お申込みがまだの方は、お早目にスタッフにお伝えください。
ミーティングID、パスワードはLINEにて後日お伝え致します。


2020年10月③アトリエ講師 星野由香

1603255433.jpg
先週のかぼちゃの立体レリーフ、色もいいですが子ども達が粘土でつくった形が素敵でしたね。始めに、虫たちのうんどうかいを読んでから、玉入れで盛り上がってからのアトリエ流ストラッグアウト。チームに分かれて、ボールがあたった点数をかずの木でトレイに入れました。5点・10点・20点・50点・100点と、5と10のかずの木があれば点数を入れられるように、例えば20点だと10が2本、50点だと10が5本、10がなくなれば5を10本というようにいれていきました。数字がわかっていても具体物になるとまた違った理解がいります。かずのきがお家にある方は、是非、5と10の点数ゲームをやってみてください。

1603255441.jpg

その後、一人3つの粘土の塊を渡して、それぞれを4等分してもらいました。その説明をしている時に、藤本先生が「コレ、半分に切ったら何個になる?」と聞いて「みんなが2個」と答え、「じゃあ、それをまた半分にしたら何個?」って聞いて「4個」と答えている時に、年長さんののりくんが「12個かあ」とつぶやいたんです。3つの塊をそれぞれ4等分した数ですから12になるんですけれど、割り算と掛け算を同時にしていることになりますよね。考えたり計算したりしている様子はなく、普通に言っていました。長年、アトリエの先生をしていた有末先生のお子さんなので、生まれた時から積木やかずのきであそんできた原体験によるものだと思いますが、それにしてもすごくないですか。のりくんは私がびっくりしていることにびっくりしていました(笑)。

もちろん、お勉強系の習いごとはしていませんし、おうちで算数を教えているということもありません。逆に習っていると式にしないとわからないかもしれません。甥っ子もそうでしたが、式はしらないけれど、量のことはよく理解していました。ですから簡単な足し算も正しく数字を書くことすらも出来ないまま小学校にいきましたが、基尺のしっかりした積木で十分遊んできているので、未測量から既測量の転換が無理なくできたのだと思います。それとやはり絵本による言葉の力が大きかったのではないかと思います。嫌がる子どもに無理に勉強させなくても、子どもの育ちの責任を持った質の高い積木や絵本は生きる力の土台をちゃんとつくってくれています。

松居直さんが随分昔に描いた文章に「私達はこの子ども達の親なのです」という言葉がありました。なぜかその言葉が優しくも厳しく私の心に刺さり、ことあるごとに心に浮かびます。その文章は、「私は、子ども時代にたくさんの素晴らしい絵本や児童書よんであげてきた。親として大切なことは語ってきた。だから後は好きなように生きればいい。」というような言葉で締めくくられます。好きなように生きればいい、親はもっと本来子ども達が持っている力を信頼してもいいのになあと思うことがあります。まだおこってもいないことを、こうなるかもしれないからと心配して先回りするよりも、環境を整えたら、後は子どもの力を信じて待つ。その親の覚悟や信頼、特にお母さんの気持ちは伝わっていくのではないかと思います。人生の最終ゴールを大学入試にしていまっている子育てになっていないか、時々ふりかえることも大切ですね。心配もしすぎると子どもにうつってしまうので、コロナのこともあり色々不安なことはありますが、あせらず迷わず、子どもの力を信じて共に見守っていきましょうね。


2020年10月②アトリエ講師 星野由香

和久洋三 リモート講義のお知らせ
先日、童具の販売店さん向けの研修があり、和久先生から基尺のお話しがありました。基尺は積木になくてはならないものです。最近でこそ、インスタグラムの投稿やブログなどで基尺が話題になっているのをよく見かけますが(基尺の意味がちょっと違っている感じはしますが)、和久先生は50年前に積木を作り始めた時から基尺にこだわり続けてきました。

私がアトリエを開校してから20年、和久先生の書籍を読んだのは中学生のとき、なので基尺のことはよくわかっているつもりでいたのですが、今回の和久先生の説明を聞いて、なぜ基尺がこれほどまでに大切であるのか、それが子ども達の成長においてどんな意味を持つのか、なにが育っていくのかが、そもそも基尺とは何か?これまで学んできたことや、体験してきたことと共に、和久先生の言葉が網の目のようにつながって、ストンとからだの中心に落ちていくのがわかりました。“これまでわからなかったことがわかった”時、人はこんな風になるのだと、自分でも説明のつかないくらいの感動でした。
皆さんも童具館の積木の何がいいのかを問われた時“基尺があっている”って言いませんか?それがすごく大切なことであることは、アトリエのお母さん達は直観的にわかっていらっしゃると思います。そもそもそれが理解できる感性のある方だから童具館ユーザーなのだけれど、基尺があっているということがどうしてそんなに大切であるのかを、例えば旦那さんに説明しようとすると、なかなかうまく言えない、ということはありませんか?
この講義を受けると基尺の大切さがとてもよくわかります。これは是非、皆さんにもお伝えしたいと思い、和久先生に何度もお願いして、会員さん限定でリモートで基尺の講義を行ってもらうことになりました。(オンライン講義だと受講者の温度がわからず、伝わり切れないものがあるということで、なかなか受けて頂けませんでしたが、アトリエ会員さんだけならということで承諾頂きました。ですから今回に限り、ご紹介者の受講もご遠慮いただいておりますのでご了承ください)
はじめに和久先生にお話しいただき、そのあと基尺の説明の録画を見ていただいてから、質疑応答のお時間をとりたいと思っています。録画はまた見て頂ける機会はあると思いますが、和久先生からの直接の講義は、この状況ではなかなか機会がないと思いますので、積木のこと、幼児教育のこと、理論的なことをもっと知りたい、深く学んでみたいという方は是非、受講して下さい。
リモートなのでお父さんも一緒に受講して頂ければと思います。おそらく聞いて頂ければ、理系の説明は男性のほうが納得するのではないかと思います。

今週から募集を開始いたしますのでお早めにお申し込み下さい。
<※万が一、和久先生の体調が悪い等で講義が出来ない場合は、星野がすることになります。>

※後期コペルクラスの幼児クラスはキャンセル待ちとなっております。
※小学生クラスはまだ空きがありますので、是非、お早めにお申し込みください。
今年は高学年も楽しめるカリキュラムになっております。
2020年10月①アトリエ講師 星野由香

1600217959.jpg
先週のアトリエは曲線がテーマ。子ども達の描いた力強い線が魅力的な作品ができましたね。
まずはじめに、透明シートの半分に白ペンキで自由に線を描いてから、もう半分は紙コップに入った絵の具をスプーンで垂らして画面をつくりました。そして2面をあわせて作品の完成です。
もう一度開いて和紙に転写したクラスもありました。ペンキの線・スプーン絵の具・転写など各場面で何度も作品の変化を楽しめるカリキュラムに、子ども達は多くを感じ取っていました。

その後、遊んだ円弧モザイクがハマるハマる(笑)。どのクラスも皆、とめてもとまらないくらい遊んでいましたね。円弧モザイクは円と円弧の関係や円と半円、扇型の関係がわかり幾何曲線の美しさを楽しめる童具です。ケルンモザイクの線と合わせて遊ぶとより遊びが深まります。ケルンモザイク円弧セット16,000円で買われるか、K10-20ハーフ4,000円でお求めください。ケルンモザイク線ハーフ5,500円と一緒に遊ぶのがおススメです。

1600217913.jpg

何かをひたすら繋げていく遊びは、子ども達はなぜこんなにはまるんだろうというくらい皆好きですね。今回は迷路や線路に見立ててジオラマのようにつくっていました。そこからヒントを得たのですが、積木も道や線路に見立てて、ひたすら長く並べてあそんでみるとおもしろいですよ。園で実践した写真がインスタグラムであがっているので是非、ご覧になって下さい。この園では、初めに直方体で道をつくり、その後、立方体で階段をつくり、三倍体角柱でトンネルをつくって、残りの積木で建物を建てていきました。1時間半、手のとまる園児さんは一人もいなくて、最後の最後まで楽しめる活動となりました。
是非、おうちでの積木遊びの参考にして下さい。

1600218010.jpg

■以前につくった積木Q&Aがとってもよくできていたので、希望者にお渡ししています。
欲しい方はスタッフにお声かけ下さい。
積木であまり遊ばない時にはどうすれば良いか等が書かれています。とても参考になりますよ。

※振替日のお知らせ
今年は天変地異でのアトリエのお休みがありませんでしたので、今年のお休みした分の振替日は
日数を減らして、2月23日(祝日)と3月14日(日)にさせて頂きます。参加の有無は事前に
お申込みください。(日程の変更をしていますので、事前にお申込み頂いていて日程があわない
という方は今月中にお知らせください。)

2020年9月②アトリエ講師 星野由香

まだまだ暑さが続きますが、子ども達の夏が終わってしまいましたね。先週の絵画では、この夏で体も心も大きくなり、逞しく成長した子ども達の姿を感じました。ですが、コロナの影響は子ども達の精神面にも少なくない影響を与えていると聞きます。お子さんのお話しをしっかり聞いてあげて、子ども達の心が解放されるような体験をさせてあげたいですね。

この夏、絵画で自分と向き合う子ども達を見ていて気付いたことがあります。アトリエの絵の具は水をきって塗りますから、一筆で少ない面積しか塗れません。ですから、幼子にとってはあの画面をうめるだけで大変なのです。子どもは大人のように時間配分や力配分はしませんから、はじめから全力ダッシュなので、最後は、痛くなった片腕をもう一方の手で支えて塗っている姿を見ることも少なくありません。


私達アトリエ講師にとっては、当たり前のように見てきた光景なのですが、あらためて思うと幼児がそこまでがんばって描き上げるというのは、当たり前のことではないですよね。園の作品とかを見ていてもいまだに同じ絵が並んでいます。
おそらくそこに子ども達の創造の世界はなく、言われたことを言われた通りに描いているだけです。それはおもしろくはないけれど、それになれてしまうと、いずれそちらの方が実は楽ということに子ども達も気づきます。子ども達には、これほどの意欲と創造力と集中力があるのに、それを奪ってしまうのは本当にもったいないことですね。前回の絵画で、キジを選んだH君は、いつもは涼しい顔でさらっとすごいものをつくるのですが、キジを細かく塗り込んだ後の背景の着色は、さすがに大変だったようで、途中からはもう泣きそうな顔をしていました。それでも最後までがんばるんですよね。「途中でやめたくない」と言っていました。

この「途中でやめたくない」「適当にしたくない」は、アトリエの子ども達からよく出てくる言葉です。これはこれから物事に向かう姿勢として、とても大事なことですよね。途中でやめなかったから、適当にせず、全力をかけたからこそ見える世界がある。子ども達は創造活動を通して、最後までやり遂げた時と途中で手を抜いた時とは、見えてくる世界が全く違うことを知っていくのだと思いました。

集中して最後までやり遂げた時の子ども達は、他人の評価など気にしません。やり遂げた自分の姿こそに誇りが持てるからです。表情が違います。そんな体験の繰り返しが、幼い時にあるかないかでは、物事にむかっていく姿勢が大きく違ってくるのは当然のことかもしれません。アトリエの子達がアトリエに通っているからこそ身に着けられる力のひとつであると思いました。これは、嫌々ながらやらされていることでは身につきません。嫌なことははじめから速く終わらそうとするからです。自らその世界に向かっていくということが大切ですね。


また、もうひとつ気づいたのは全体を見る目です。アトリエの子は小さい時から背景を塗ることが当たり前になっています。背景で絵が変わることも知っています。ですからモチーフを描いて終わりではなく、背景にも同じ労力をかけています。物事はメインだけで成立しているわけではなくて、それを支えているものがあること、そしてそれも全てつながっていること、つまり部分と全体と関係性をつかみとる力が自然と育っていることを思いました。アトリエの子はやっぱりすごい!ですね。

※今週から個人の判断で待合室ご利用いただけます。

2020年9月①アトリエ講師 星野由香

1598602508.png
先週も子ども達も先生達もパワー全開。走り抜けた1週間でした。
「今日のアトリエはお祭りなんだよね」と入ってきた子がいたのですが、毎年恒例のこの活動は、まさにアトリエのお祭り。中で絵の具だらけになって、外で思いっきり水で遊んで、子ども達にとっては一生忘れられない体験。卒業生達からも、あれは楽しかった、この活動だけは、ずっとやってあげて欲しいとよく言われます。毎年、喜ぶ子ども達の顔が嬉しいアトリエ水族館でした。

今回は殆どのお母さん達が、子ども達がメインでやっている活動をご覧いただくことができなかったので、教室でどのようなことをやっていたのか順にご説明しますね。

まず、①カラードフォルムという紙素材で□や△のパーツをハサミで切って貼り合わせて海の生物をつくりました。それを②シートの海に広げて上に透明のビニールシートをかけます。そしてその上にプラダンを敷いてからの③絵の具の海。始めは刷毛で、それから手や足で、そして転げまわって絵の具だらけを楽しんだ後に、絵の具を塗ったプラダンを引き上げて(上から吊りました)ドームにして、水族館の完成です。下には魚が泳いでいます。皆、自分の魚を探したり、自分がおさかなになって走ったり、なぜか寝転んだり(笑)。それから、体を洗いに外に出て、ビーズ流しをしたり水の掛け合いをしたりして遊びました。大満喫の1時間半であったと思います。

1598602513.png

アトリエでの、時に「そこまでするかー!!」という体験を積み重ねていると、将来もの事に向かう時、“そこまでならすごいけれど出来る人はいる、考える人はいる”というところで限界のリミッターを外して、“ここまでは誰もできないだろう、ここまで考える人はいないだろう”という世界のつくり方ができるようになるのではないかと思います。常識にとらわれない考え方ができるのは、子ども時代に非日常の時間をたくさん体験してきているから。アトリエは子ども達の世界を広げます。夏休みは楽しい体験でいっぱい。おそらく厳しくなるであろうこれからの時代を生き抜く底力を、覚悟をもって育ててあげたいですね。コロナ対策をしっかりおこなって、子ども達と共に、親も講師もこの夏を楽しんですごしましょう!!

※クラスター関係、濃厚接触などでアトリエをお休みしなくてはならない場合は、星野までお知らせ下さい。
※夏アトリエ参加者の皆様へ
お子様の活動時の写真が欲しい方は「えんフォト」サービスにて8月~9月末まで限定でお求めいただけます。10:30~親子/14:00、15:00~幼児/16:00、17:0~幼小クラスでご覧ください。
詳しくはスタッフにお尋ねください。
2020年8月①アトリエ講師 星野由香

1598611531.png
今年も子ども達の夏がやってきました。夏はまるで別人になったかのように、子どもを成長させてくれる季節でもあります。そんな夏だからこそ、心がふるえるような奥深い体験をさせてあげたいですね。たった一度しかない子ども達の短い夏。今この瞬間が喜びに満ちた時間となるように過ごさせてあげたい、アトリエスタッフの願いです。たとえ親であっても、その子の一度しかない子ども時代を奪う権利はありません。是非あせらず迷わず、お子さんが輝いている、この子の目が生き生きとしている、という時間をつくってあげてください。そして時々はぼーっとする時間も大事です。子どもは退屈な時間に色んなことを考えたり、思いついたりしています。そういう時に自分の夢や、やりたいことがなんであるのかが、ふと思い浮かんだりするそうです。いくら子どもの為の時間でも忙しすぎると振り返る時間がなくなるので、退屈時間も大事にしたいですね。最近はその時間はユーチューブにとられてしまいますが。先日読んだ脳科学者の方の本に書いてあったのですが、男の子の脳は女の子よりもドーパミンを必要としているそうで、男の子の方がゲーム中毒やユーチューブ中毒になる率が高い、ということに納得がいきました。(脳科学の本も色々で、学者さんによって違うし、解釈によってもかわるから一概には言えませんが)

1598611649.jpg

先週から始まった夏アトリエではたくさんの子ども達が、アトリエ時間を楽しんでくれました。お姉ちゃんお兄ちゃんが通っていて、いつも見てばかりだった末っ子ちゃんたちも、今日はやれる!!と、まだ幼い生命が、その時間を慈しむように活動にむかっている姿には、胸の熱くなる思いがしました。初めてアトリエに来た子達の水を得た魚のような生き生きした姿、また創造の喜びに満ちた作品も感動的でした。やはり、子どもって本当にすごいです。子どもの力を信じて任せているからこそ見ることができる子どもの姿があります。

1598611656.jpg

「子どもの為にアトリエに通っているのはもちろんなのだけれど、私がリセットする為に来ているのもあるんです」と先日あるお母さんが言ってくれました。あらゆる世界が多様化される中、価値はひとつではなくなり、情報を得れば得る程、子育てに「このままでいいのだろうか」という迷いが生じることと思います。はっきり言えます「このままでいいんです」どの子も役割をもって生まれてきています。この世に遺伝子が残るということは、その子がこの世に必要だからです。みんな持って生れてきている何かを、素直に育ててあげればいいのです。私達にできるのは、子ども達の生命が生き生きと育っていけるように、環境づくりをすることだけです。子どもを他の誰かにする必要も何者かにする必要もありません。うちの子はうちの子のままでいい、私も私のままでいい。持って生れてきたその子だけの奇跡を大切に育てていきたいですね。

2020年7月③ アトリエ講師 星野由香

7月2回目のアトリエは三角をテーマに、はじめは直角二等辺三角形のケルンモザイク4枚で色んな形をつくって遊びました。最初は自由に遊んで、その後、辺の長さをあわせることをルールに“全部で何種類出来るか”で盛り上がりました。お家にケルンモザイクがある人は是非、やってみてください。子どもは本来図形遊びが好きであることを実感して頂けると思います。

その後、そこでつくった形をひとつ選び、同じ構成になるように発砲スチロールの三角を貼り合わせました。ボンドがつくまでの時間、8個の三角で遊んだ後、発砲スチロールカッターで2分割して着色。そしてまたその二つを組み合わせて完成です。今回は構成した形をひとつの塊といてみてもらいたかったのでパステルで着色しています。

お母さん達には、最後の出来上がりしか見て頂けないのですが、アトリエの活動は作品をつくっているだけではなく、形の導入からはじまり、作品づくりにつながる活動があり、作品をつくりにはいっていくという流れがあります。そしてその全ては形のテーマがあり、次の活動とつながるようにカリキュラム考案されています。秩序とつながり、関係性の原理はアトリエの大きなテーマであり、その在り方は物事を思索していくうえでの必要な力を育てています。いい作品が出来ると嬉しいですが、作品をつくることそのものが目的ではありません。また、アトリエの活動は、子ども達と一緒につくりあげていくものなので、日によって、子どもによって、クラスによって変化するときも多々あります。導入活動で盛り上がり子ども達のアイディアがたくさん出てきた時や、皆が思いのほか集中してやっている時は作品づくりよりも、導入に時間をかけることもあります。活動の流れはなるべく活動後のお話しやアトリエ通信でお伝えしまいりますので、入会時のお求め頂いているテキストと共にご覧頂ければと思います。


来週は子ども達が毎年楽しみにしている絵の具だらけの活動です。夏休みは楽しい活動が続きますので、体調を壊さぬよう、元気で来てくださいね。今年も最高の夏にしましょう!!



2020年8月アトリエ講師 星野由香

子ども達が起こした奇跡アトリエでも園やイベントなどの子ども達と接する現場で、本来ならばそうはならないというような状況で、いい意味でそうなってしまう奇跡にこれまで何回も出会ってきました。今回もそのひとつ。先週、久しぶりに行った園の積木指導の時のことです。毎年4月恒例の円筒を皆でつくった後に、時間が余ったので、25名のクラス全員で一人ずつ立方体を積んでいって、全員積めるかやってみました。背の順でひとりずつ前に出て積んでいきます。25名は調度いい人数で、程よい緊張感のある高さで、集中してやればおそらく99%成功する高さです。とは言っても、倒したらどうしよう、という気持ちはどの子にもあるので、みんなドキドキです。24名まで順調に進み、最後の一人。がなんとクラスで一番落ち着きのなく指示もとおりにくいRちゃん。皆と一緒に何かをするのが苦手で、もう少し年齢が高くなったら、空気が読めないと言われるタイプの子です。一瞬、私は、「どうしよう。こういう子は先に入れといてよー」と思いました。それは子ども達も一緒だったようで、子ども達の顔も曇ります。でも、それはほんの一瞬で、すぐに「Rちゃーん、がんばれ!!」の声に変わりました。皆の大声援の中、いつも知らん顔のRちゃんの表情が変わりました。私がそれまで見たこともない表情でRちゃんが最後の一つを積もうとしています。両手が震えていました。ものすごく緊張しているのがわかります。そして積み終えたその瞬間、歓声が大爆発!!やったあ!!Rちゃんを皆で囲んでの大歓声。全身、鳥肌がたってしまいました。Rちゃんも嬉しそうです。それから4人グループで30個に挑戦して遊んだのですが、Rちゃんはその間、放心状態になってしまい、教室のすみっこに座り込んでいました。時間にすれば1分もない間のことでしたが、Rちゃんにとっては、ものすごく緊張してものすごく集中して疲れてしまったんですね。だから普段は自分を守る為に、空気を読まないで、好きなようにしているんだと思いました。だけど皆の応援はRちゃんに確かに届いて、Rちゃんの心が動いたのだと思います。こういう現場での体験から、私は、やっぱり心は伝わる、愛情は伝わると確信するようになりました。こういうタイプのお子さんには訓練が必要だという動きが教育の分野では定説になり、最近はそれが強く言われるようになってきています。その訓練法やテクニックも教育の現場で紹介されるようになりました。でも、私はその前にすることがあるだろうと思います。訓練やテクニックよりも大切なことが抜け落ちていることに気づいて欲しいと思います。どんなお子さんであれ、先を急がず、子どもをつくりあげようとせず、子どもの力を信じて待つこと。子ども達がその力を自分で引き出せる環境を用意することと、困った時にそっと援助してあげること、そしてどんな生き方であれ応援してあげること、それが私達大人ができることではないかと思います。夏本番がやってきました。子ども達が大きく成長する夏休み。決して戻ることのない、かけがえのない子ども時代の夏を、思いっきり楽しませてあげたいですね。

2020年7月②アトリエ講師 星野由香

先週のアトリエも素敵な作品がたくさんうみだされましたね。始めのケルンモザイクの活動では、大人では思いつかないような子ども達の色使い、色面の構成に驚きの連続でした。子どもはみんなアーティストとアトリエではよく言っていますが、本当にそうですよね。プロがつくったみたいな構成を幼い子ども達がさらっとやってしますのですから、子どもの力をあなどってはいけないとつくづく思いました。子どもの力をあなどっている大人は、それなりの準備しかしなくなってしまいます。子どもなんだからこの程度でいいだろう、と思っている大人が用意した環境にずっといたら、本当にそうなってしまいます。何をする時も、子どもの力をなめていないか、一回考える必要があるなあと思いました。そこにズレがあると全てがそうなってしまいます。本来持っているはずの子どもの能力を、存分にひきだせるような環境を用意することが、私達大人の役割であることを、クオリティの高い子ども達の作品に改めて思わされました。

今週から一般参加ができる夏アトリエの募集を開始いたします。アトリエに興味がいる、アトリエにピッタリの子がいる、という方は是非、この機会に教えてあげてください。

アトリエ会員の方は、夏アトリエと同じ活動をするので、通常通りお越しください。プラスで参加したい方は1回4,950円で参加できます。通常アトリエでしない活動は下記で確認して下さい。

親子
月3回の方 ほぼ同じ活動
月2回の方 8月2週目石こうの魚

幼小
月3回の方 車・機関車づくり
月2回の方 6月に来た週のより 粘土のオブジェ
8月2週目 石こうの魚

上記の活動にお申込み頂けます。子ども達が急成長する夏、楽しい活動がいっぱいの夏アトリエ、講師も共に楽しみたいと思います。



2020年7月①アトリエ講師 星野由香

先週は、「今日のアトリエ、楽しかったあ」という声がいつもより多く聞かれた1週間でした。アトリエはいつも楽しいですが、どちらと言えばじっと時間が机に向かう時間が長いカリキュラムだったので、先週が他の週に比べて特別に楽しいというわけではないと思ったのですが、久しぶりに自分の世界で集中できた楽しさを子ども達は感じていたのかも知れませんね。

集中して何かをやり遂げた時の喜びを知る子は、目の前の物事に対して、適当にやるよりも集中してやった方が面白くなるということを、体験で知っていきます。もちろんそれが好きなことならなおさらなのですが、この頃それだけではない様な気がしています。好きなことだから夢中になれる、というのは大前提ですが、その体験の繰り返しの中で、その力を身に着けた子は、前記した通りどんなことでも集中した方が楽しいということがインプットされていくのだと思います。だから、物事を目の前にしたときに集中するスイッチが自然と入る。そしてより豊かな世界を創造する為に脳が検索を始める。情報と情報がつながって、さらにもっと豊かな世界の創造がはじまる。アトリエに子ども達の脳はそんな風に成長していっているのではないかと考えています。そう考えるとアトリエの創造共育はすごいですよね。

先日読んだ「13才からのアート思考」という本に、ジョブスのスタンダード大学での名スピーチがのせられていました。「仕事は人生の大部分を占めます。だから、心から満たされるためのたったひとつの方法は、自分が素晴らしいと信じる仕事をすることです。そして、素晴らしい仕事をするためのたった一つの方法は、自分がしていることを愛することです。もし、愛せるものがまだ見つかっていないなら、探し続けてください。立ち止まらずに」というものですが、この自分のしていることを愛する力とは、前記した集中する力になるのではないかと思いました。集中力が発揮できた時、子ども達の心が満たされていく姿をこれまで数えきれない程見てきました。集中してやったからこそ、その世界の深さに気づき、自分のしていることをすばらしいと思えるえるようになり、愛することができるようになるのではないしょうか。

アトリエで育つ力のひとつだと思いました。集中力と好きの力、そして情報と情報をつなげてアウトプットしていく力(表現力)は、これから子ども達がどんな方向へ進んでも土台となっていく力です。何人もの子ども達が1歳半から6年生まで育っていく姿を見てきたからこそわかること、20年の実績があるからこそ確信できることがが確かにあります。是非、焦らず迷わず、子どもの力を信じて、この厳しい時代を乗り越えてゆきましょう。

※今、続々と絵本、積木の注文を頂いております。コロナ事態ですっかり忘れていたのですが、6月いっぱいで、5%還元が終了してしまいます。積木のいろは、くむくむ、クムンダ、かずの木、マグネットモザイク、絵本のセットなどの購入を考えていらっしゃる方はお早目にご注文下さいね。

2020年6月③アトリエ講師 星野由香

先週は久しぶりのアトリエを楽しんでいる子ども達の姿に目がしらが熱くなる1週間でした。学校や園が始まり調子をくずしている子ども達が、アトリエに来たら生き生きした表情になって安心した、という言葉もたくさん頂き、子ども達にとってのアトリエがそういう場所であることをあらためて実感し、またそういう場であり続ける必要性も強く感じました。

アトリエには毎月形のテーマがありますが、4月は球の活動・5月は円柱の活動・6月は立方体がテーマになります。球と円柱はおうちアトリエでしましたが、それではやはり足りないので、今回の傘袋ロケット(円柱)のように、6月の活動の中に組み合わせていく予定です。

先週は、絵本「てとてとてとて」を読んでから、一人ひと箱立方体の積木を用意して、だれが一番高く積めるか?で遊びました。意外にもアトリエでははじめての試み。いつもダイナミックなものをつくるので、逆にこういうシンプルな遊びをやっていないことに気づかされました。ただただ積むだけの遊びがこんなに盛り上がるとは、目からうろこでした。いくつになっても盛り上がれる遊びですよね。しかも誰でもできる。ルールが単純だからこそ、子ども達の気づきがあります。横にも積んで支えてみたり、小口面を上にしたり、ピッタリときれいに積んでみたり、色々考えていましたよ。立方体ひとつからでも宇宙にいけるなあと子ども達の姿に思いました。

作品は、石こうでつくる“夏に向けて 冷たいクッション”。ジップロックに石こうと水を入れてもみ込み、そこに2色絵の具をいれて、マーブリング状になるように混ぜてから、ボールを下において硬化させました。粉から液体となり、化学反応で(水和という現象)発熱し、石のように硬くなります。石こうが固まる時に熱くなる現象を知っている幼児は、アトリエの子ども達だけかもしれません。今回は密封しているので熱が逃げませんからいつもより熱くなっていましたね。ほっぺにくっつける姿がとてもかわいい子ども達でした。

傘袋ロケットは石こうの硬化を待つ間に、折り紙シールやドットシールを貼ってつくりました。傘袋でもアートにしてしまう子ども達に感心しましたが、実は傘袋ロケットは、装飾をぜずに先端につけた錘の役割をする輪っかや羽を、形や向きや貼る位置を変えて、飛び方の変化を楽しむとよりいっそう遊びが広がります。
ですから、風の影響を受けない室内のほうがおもしろいのですが、今回は、子ども達の心を開放してあげたい気持ちもあり外で行いました。
飛ばせても飛ばなくても外だとそれだけで楽しいですからね。

もう高校生になっているお子さんですが、アトリエでつくった傘袋ロケットにはまり、1か月以上かけて研究して、ついにロケットが飛ぶ構造まで行き着いた子がいました。その時の年齢は年長さん。私がひとつの遊びがここまで子どもの好奇心の芽を育てるのだなあと実感した出来事のひとつでした。子どもの興味を広げ深めていく環境をつくってあげるのは、大人の役割です。今日、傘袋をお渡ししますので、是非、画用紙で羽をつくって、お家で遊んでください。(傘袋はモダンパックで100枚単位くらいで売っています(笑)。でもハマるとそのくらいつかうかもしれないですね。)

アトリエの卒業生は理系に進む子が多いのが不思議だったのですが、アトリエの活動は実験や化学をうたっている習い事よりも科学的数学的なことをやっていますね。おそらくレベルも高いですが、アトリエのいいところは、それがどんなに高度なことであっても、こどもにとっては“遊び”であるということです。そしてアトリエのコンセプトは“遊びながら学ぶ”ではなくて“遊びは学び”です。学びを目的にしている手段としての遊びは、子ども達もすぐ気が付いてしまします。そうなるともう楽しくないですよね。和久共育(フレーベル)が、子どもの遊びを重要なこととして考えているのは、遊ぶことが子どもの素直な自然の姿だからです。そして、生きる為に必要なことであるからこそ、子どもは遊ぶのです。サルやゴリラも幼い頃によく遊んだ個体とそうでない個体では脳の成長が違うそうです。遊びの重要性を思うからこそ、遊び環境を整えることの大切さを思います。そして、子ども達には本物を使いこなすだけの力があるということを知っているから、いい加減な活動を用意することはできません。前記しましたが、遊びを豊かなものとする環境を整えるのは大人の仕事です。これからを生き抜いていく為の血となり肉となる底力の育ちを、これからも共に見守ってまいりましょう。

・5%還元が6月末日までとなっております。絵本・積木のご購入を考えていらっしゃる方はお早目にお申込みくださいね。


2020年6月②アトリエ講師 星野由香

緊急事態宣言が解除されましたが、もとに近い生活へと回帰するには当分の時間が必要であろうと思います。これからの世界が大きく変化していくことはわかりますが、どうなっていくのかは今のところ誰にもわかりません。どの国もこの初めての事態に、はっきりとした方針を立てられずにいると思います。コロナのことがなくても、世界がこのまま突き進んでいけば、いずれはなんらかの崩壊がおこっていただろうと思います。自然はもう修復のできない状態となり、絶滅する生き物はどんどん増えて、人間も存続できないような環境になる日はそう遠くはない未来であったのかもしれません。今、経済が止まったことを人間中心に考えなければ、いい環境になり喜んでいる生き物は、そう少なくないのかもしれないですね。視点を変えて視野を広げれば違うものが見えてきます。


前回のアトリエ通信にも書きましたが、アトリエの子達はステイホームの間、退屈とは無縁の生活をしていた子が多く、むしろ“やりたいことがいっぱいあって大変”という声がたくさん届きました。あるお母さんからは「アトリエの子は、非常事態化でも、たくましく乗り越える力がありますね。学校に行けず、私は仕事があるから相手もできず、時間を持て余してどうなってしまうのか・・・と初めは心配もしていましたが、二人とも「毎日やることがいっぱいあって忙しい」と言うのです。アトリエに通ったおかげだ!とすぐに思いました。
この非常事態を乗り越える為に、小さい頃から通わせていたのではないかと思うほどです。本当にアトリエは、素晴らしい存在ですよね。先生たち頑張ってください」というLINEを頂きました。1歳から通ってくれてお姉ちゃんは中学生、妹も6年生になっています。二人共読書家で素晴らしいお子さんに育っています。たくさんの卒業生のお母さん達からの同じような内容のLINEをたくさん頂き、これからの時代はコロナ前以上に、やりたいことがあるということがすでに大きな価値であり、そのモチベーションの高さが発想力を後押しし、新しい価値を生み出していく、生きる力を支えていくということを強く実感し、またゆるぎない確信を持ちました。


世界はあまり前向きになれるような情勢ではありませんが、今こそ教育を犠牲にせずに、優先して取り組んだ国が、後の世界をつくっていくのだろうと思います。現在の状況を見ていても、成熟している国はこんな時でも教育と芸術を忘れていません。文学も含め芸術が日常に溶け込んでいる暮らしがそこにあります。松方幸次郎が「日本人に、本物の芸術を」と美術品の収集にヨーロッパをかけめぐったのは昭和初期。「美術館があってこそ日本という国が本当に豊かになる」と美術館をつくる為に翻弄しました。松方の活躍により国立西洋美術館が日本にできたのが1957年(日本で最初の美術館は1952年)。そして同時期、日本でも今の形体の絵本が読まれ始めました。日本で絵本の読み聞かせが子育てに当たり前のことになったのは、歴史的時系列で言えばここ最近のことと言えるでしょう。

そこには、日本の文化教育が豊かになってきた背景があると思います。今こそ、この流れを止めず、子ども達の教育環境を整えて、これからを生きていく為の底力を育てる時です。いやいやながら怒られてやる勉強、ご褒美のゲーム時間ユーチューブ時間の為にやる勉強が、子ども達をいざという時に助けてくれる学びとなり、力となっていると確信をもって言えるでしょうか。学校の勉強をおろそかにしていいということではなく、それだけではなくて、これからを生きていく子ども達の、血となり肉となっていく本当の生きる力の育ちを、我々大人は今こそ真剣に考えなくてはなりません。心豊かで力強い学びの土台を子ども達の心の芯に築いていけるように環境を整えていきましょう。生きる為の底力がなんとしても必要です。その為に我々も全力を尽くします。きっとアトリエの子ども達は、どんな時代がきても明るい未来を築いていってくれます。こういう時代が来てしまった以上、これまでよりも、そう育てなければなりません。


私達アトリエスタッフもこれまで以上に、子ども達の心に沿い、これからの子ども達の育ちを一人ひとり見守り、これまでよりも強い思いで、子ども達のアトリエ活動に取り組んでまいります。共に子ども達の生きる力を覚悟をもって育てていきましょう。


2020年6月①アトリエ講師 星野由香

前回のzoomアトリエは楽しかったですね。Zoomの子ども達ってすごくかわいいよって覚王山プレイルームの先生から聞いてはいましたが、本当にそうですね。みんな、めっちゃかわいかった!!また、
1か月会っていないと子ども達が大きくなっていてびっくりしました。どうなるのかと思いましたが、基本子ども達はいつもと同じスタンスで画面上でも変わらないですね。緊張気味の子もいましたが、いつも通りでその姿にとても安心させられました。録画を後で見直すと子ども達の発信を中々受け取れておらず、大変申し訳なく思う場面も多々ありました。次回練習しておきますので楽しみにお待ち下さい。

今回のコロナで、世界中がここまで変わるのかというくらいに一変しましたね。これからも大きく変容していくのだと思います。感染された方にとっては、“これもひとつの機会”とはとても考えられないと思いますが、否応なく誰もが受け入れるしかない現実がそこにあります。 報道では子ども達の日常について、お家でやることがない、ゲームばかりやっている、ユーチューブの視聴時間が長くなった、生活リズムがくずれている、色々言われていますが、アトリエの子達はそんなことがないのがすごいと思います。LINEなどでやりとりさせて頂いている限りでは、皆、なにかしら遊んでますよね。退屈になっていないですよね。むしろかえってこの機会にこんなことやってみよう、あんなことやってみようという意欲が湧いているのではないでしょうか。そこがアトリエの子達、アトリエのお母さん達のすごいところだと思います。お家での積木遊びのお写真を見せて頂いても、初めの頃より随分レベルアップしてきています(笑)。童具はさわればさわる程、新しいことを発見できるようにつくられていますから、遊び込めば遊び込むほど楽しくなってきます。レベルアップしていっているのは、きっとお母さんも積木の腕前があがり楽しくなってきたから。だから一緒に遊んでいる子ども達にもその気持ちが伝わるんだと思います。学校が始まったら、こんな機会は中々ありませんからじっくりと積木遊びを楽しんで下さいね。遊びは学び、ですから能動的に遊べていたら私は心配ないと思いますがお母さん達は勉強のことがどうしても心配だと思います。だからこそ遊びは学びだと親も思える童具で遊ぶ時間、親子の読み聞かせ、読書を楽しんで下さい。今、皆さんから童具、絵本、読書の相談が毎日のように寄せられています。どんなことでもいいのでご遠慮なく相談して下さいね 。
暖かくなってきましたので外にも出れますから(お庭)、どんどんスケールが大きくなっていくお家遊びの写真も、いつも楽しませて頂いております。おうち時間いいですよね。※積木じゃなくてもいいので、是非、お家遊びの写真もおくってくださいね。

皆様にお会いできる日が待ち遠しいです。
6月のおうちアトリエを、アトリエにとりに来れる方はLINEでご連絡下さい。

※Zoomの入り方が分からない方はアトリエにご連絡ください。
※和久先生の講座を6月のどこかの日曜日に開催予定です。(zoomで行います。)

2020年5月②アトリエ講師 星野由香